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舌や頬の動きまでトラッキング!フェイシャルトラッカー&新世代VIVEトラッカーがスゴイ

2021年05月27日 11時00分更新

文● 高橋佑司 編集● ASCII

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 HTCが提供するVRヘッドマウントディスプレー(VR HMD)の「VIVE」シリーズは、2016年の初代VIVEの発売以来、VR HMD業界をけん引している。そんなVIVEシリーズは、各種アクセサリーによる拡張性が特徴の1つになっている。

 VIVEシリーズは、ベースステーションというトラッキング用のデバイスを事前に部屋に設置し、このデバイスから照射されたレーザーをVR HMD側のセンサーで受けることで、VR HMDを付けた頭の位置やコントローラーを持った手の位置を認識する。これによって、頭や手の上下・左右・前後移動と回転を認識し、VRコンテンツ内でのキャラクターに自分の体の動きを反映してくれる。

 この仕組みを生かし、より高度なトラッキングを実現するためのアクセサリーとして登場したのが「VIVEトラッカー」だ。VIVEトラッカーは、足や腰などの部位に装着することで、VR HMDを付けた頭やコントローラーを持った両手以外の体の部位もトラッキングできるようにする製品。足をトラッキングすることで蹴るような動作も可能になるので、VRでサッカーボールを蹴るといった操作も可能。体だけでなく、物に取り付ければその物体の位置もトラッキングできる。

 VIVEトラッカーの発売当初、日本ではバーチャルYouTuber(VTuber)や「VRChat」のようなソーシャルVRアプリが話題になっていた。これにより、トラッカーを使って全身をトラッキングし、バーチャルのキャラクターにリアルな動きを反映したいという需要が高まったためか、発売するたびに即完売するほどの人気を博した。

 そんなVIVEトラッカーだが、2021年4月に新バージョン「VIVEトラッカー(3.0)」が登場した。さらに、トラッキングデバイスの新製品として、新たに「VIVEフェイシャルトラッカー」も発売。こちらは装着者の表情をトラッキングするアクセサリーだ。直販価格はどちらも1万7500円。

 今回、これら2種のトラッカーを体験することができたので、どういった製品なのかチェックしてみたい。

圧倒的な感情表現を可能にする
「VIVEフェイシャルトラッカー」

VIVE Pro Eyeに取り付けたVIVEフェイシャルトラッカー。VIVEのロゴマークが描かれているのが表(左)、裏(右)のセンサーで顔の下部をトラッキングする

 完全新製品である「VIVEフェイシャルトラッカー」は、その名の通り、顔の表情をトラッキングするデバイス。6msと低遅延なセンサーを使い、唇、顎、歯、舌、頬先といった顔の変化を認識して、VR上のアバターにリアルタイムに反映する。

フェイシャルトラッカーを使用して、舌を出してみると……

VR上のアバターもリアルの自分同様、舌を出した表情に

センサーは60Hzのトラッキングレートで遅延が6msと反応良好。自分の表情の変化を素早くアバターに反映してくれる。赤外線センサーも備えているので、暗い場所でもしっかりトラッキングしてくれるとのこと

 アバターの表情は、38種類のパラメーター(ブレンドシェイプ)をシームレスに調整し、かなり細かく表情を表現することが可能。VR会議ツールやソーシャルVRアプリ、VTuber制作など、VR上でのコミュニケーションに役立てられる。

頬を膨らませたり、歯をむき出しにしたりと、かなり自由度の高い感情表現が可能

アイトラッキング機能を持つVIVE Pro Eyeと組み合わせれば、目の動きも組み合わせてより表情豊かになる

 VR HMDとの接続は、USB Type-C端子を使用する。対応製品はVIVE Pro/VIVE Pro Eyeとなっているが、これはVR HMDに固定するマウント部分の形状がVIVE Pro/VIVE Pro Eyeに最適化されているため。VIVE Cosmosなど同社のPC VR用HMDでも使用できるようで、今後はVIVE Cosmos用のマウント部品などの提供も想定しているという。

VIVE Pro Eyeに備えられたUSB Type-Cポートに接続している。

マウント部分は取り外せるので、交換用部品が登場すれば、VR HMDにあわせて変更できる

 なお、「Unity」や「Unreal Engine」といった開発エンジンのプラグインとして、このフェイシャルトラッカーを使用するための「VIVE SRanipal SDK」というソフトウェア開発キット(SDK)が無料で配布されている。ソフトウェア面でのサポートが手厚いのは、ビジネスでの活用はもちろん、個人開発者が多い日本のVR界隈にとっても重要なポイントといえる。

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