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ついに7万箱の生産上限に、減らない競争率

シャープ製マスク、いよいよフル生産体制か? 騒動から1ヵ月、販売方法再考の時期に

2020年05月18日 22時02分更新

文● 大河原克行 編集●ASCII

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生産キャパと購入キャンセルのバランスの上に立つ

 同社サイトでは、5月19日正午までを締め切りとし、5月20日に抽選を行う第4回の募集を開始しているが、ここでは7万箱を予定している。そして、5月26日正午を締め切りとし、27日に抽選を予定している第5回では、当選数を未定としているが、今後、本当にフル生産が行われるということや、未購入者分を次回に回すということを考えれば、これらのタイミングでは7万箱を超える数量が用意される可能性があるかもしれない。

 シャーブは、3月24日から、液晶ディスプレーを生産している三重県多気町の三重工場において、クリーンルームを活用して、不織布マスクの生産を開始。3月31日から政府向けに出荷を開始した。4月21日からは、いよいよ個人向けマスクの販売を開始したが、応募が殺到してサイトがダウン。27日から抽選販売の仕組みを採用し、これまで3回に渡って抽選を行ってきた。

 だが、ここにきて、販売方法を再度、見直す必要が出てきたといえるかもしれない。

 フル生産のキャパに近づいていることは明らかであり、同社では、フル生産以降の増産予定は現時点では明らかにしていない。当面は、毎週7万箱が生産の上限となる。これに購入しなかった人の分を、次回に送った分がプラスアルファとして用意されるという仕組みだ。

現状の方法では応募倍率が下がらず、不要な人に当選する可能性も

 一方で、応募者数は、少しずつ増加している。

 1回目の応募数は470万6385人。2回目は、210万925人増加して、680万7310人。そして、3回目は65万9586人増加して、746万6896人となった。

 現在の応募方法は、1回目に応募した人は2回目以降も、その応募が有効であり、回を追うごとに新規の応募者の分が増える仕組み状況にある。しかも、すでに過去3回の募集で当選した合計15万人も、もう一度当選するチャンスがあり、応募の登録は残されたままだ。

 そして、一度応募したものは、現時点で、マスクの追加購入が不要な状況になっていたとしても、応募者が応募を取り消すことはできない。もし、マスクが不要になっている人が当選したら、購入手続きをしなければいいという仕組みだ。

 つまり、応募者数が増加する傾向はこれからも続くというわけだ。

 これまでは、応募者数が増加しても、当選数量を増やしたことで、当選倍率は1回目が118倍、2回目が114倍、そして、106倍と減少してきた。だが、依然として100倍を超えるという低い当選率のままであり、今後、応募者数が増加し、当選数量の増加が限定的であることを考えると、逆に倍率が増加することが想定される。

 このままの状況を繰り返すと、当選倍率があがること、マスクが不要な人に当選する確率が高くなることなどが想定されるのだ。

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