このページの本文へ

楽曲第1弾をLo-Fi Beatsチャンネル「Tokyo LosT Tracks -サクラチル-」で展開

ソニーCSL、AIが楽曲制作をアシストするサービス「Flow Machines」開始

2020年03月24日 15時45分更新

文● ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 ソニーコンピュータサイエンス研究所は3月24日、AIアシスト楽曲制作プロジェクト「Flow Machines」(以下、FM)のサービスを開始したと発表。

 ソニー・ミュージックレーベルズが手掛ける、アニメーションと楽曲によるLo-Fi Beatsチャンネル「Tokyo LosT Tracks -サクラチル-」で楽曲第1弾を展開した。

 FMは、同社が2012年に発足した、音楽でクリエイターの創造性拡張を目指す研究開発および社会実装プロジェクト。現在は東京とパリで開発を進めているという。FMでは、最先端の機械学習や信号処理技術を用いて、アーティストと共にさまざまなスタイルの新たな音楽の生成に取り組んでいるとのこと。

デジタル・オーディオ・ワークステーションで機能する「Flow Machines Professional」

 FMの核とするAIアシスト楽曲制作ツール「Flow Machines Professional」(以下、FM Pro)は、さまざまな音楽を解析して構成された音楽ルールにくわえ、先端ソフトウェア技術を用いて、クリエイターの構想のもと多様なスタイルのメロディーを自由自在に生成できるという。音楽データを解析した機械学習モデル「スタイルパレット」という独自の概念を持ち、作曲者の作りたいスタイルに合わせたメロディー、コード、ベースを提案してくれるとのこと。

 楽曲の制作手順は、デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)でFM Proのプラグインを立ち上げ、作りたい曲のコード進行に合わせてスタイルパレットを選択。composeボタンを押すと、選択したコード進行に合わせてAIが複数の候補(メロディー、コード、ベースが連動した4小節×4パターン、もしくは8小節×2パターンの曲)を提示する。composeボタンを押すたびに、何度でも新しい候補に更新できるほか、複数のパターンを1小節ずつ組み合わせる機能も備える。

 気に入ったものができたら、それをDAWのトラックにドラッグ&ドロップすることで、そのまま音楽の演奏情報をデータ化したMIDIデータとして使用できるとのこと。MIDIデータのため、作曲者自身が後で自由に微調整することも可能だという。

 また、曲の全体をFM Proで作る必要はなく、クリエイターの中には、サビはFM Proから出てきたアイデアを使い、Aメロ、Bメロはそこからインスパイアされて自ら作るという方法を取る人も多いという。

 同社によれば、近年音楽制作において、メロディー、トラック、編曲、作詞など各クリエイターが得意分野を活かして共同で作曲するコーライティングという手法が増えているという。FM Proにより、AIが提案する独自のメロディーをクリエイターのセンスで選び楽曲制作を進める、人間のクリエイティビティーとAIの音楽が融合した新たなコーライティングが実現したとうたう。

カテゴリートップへ

ピックアップ