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ノーベル物理学賞、系外惑星の発見などで3氏が受賞

2019年10月09日 07時50分更新

文● Neel V. Patel

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ESO

スイス人天文学者のミシェル・マイヨール博士とディディエ・ケロー博士は10月8日、今年のノーベル物理学賞のうちの1つを受賞した。太陽型の恒星を公転する太陽系外惑星を最初に発見し、天文学において太陽系外惑星科学の夜明けを開いた業績によるものだ。

1995年、マイヨール博士とケロー博士は、地球から50光年以上離れた太陽型恒星「51ペガシ(ペガスス座51番星)」を周回する惑星をペガスス座の方向に発見した。二人は分光器を使用して、51ペガシから放射された光の小さなゆらぎを検出し、この変動が同星から690万キロメートル離れた軌道を周回する、大きく、熱く、ガス状の太陽系外惑星の重力効果によって引き起こされていることを見い出した。後に「51ペガシb」と名付けられたその太陽系外惑星は、カリフォルニア州のリック天文台を使用した別のチームによって1週間後に確認された。

太陽系外惑星が最初に発見されたのは1992年であった(地球から2300光年離れたパルサーを公転する一対の惑星の発見による)。しかし、「51ペガシb」は、天文学者が太陽型の恒星を公転する太陽系外惑星として最初に発見した惑星だった。

51ペガシbの発見以降、天文学者は銀河系全体で4000を超える太陽系外惑星を発見した。その種類やサイズは広範囲にわたる。現在では、恒星の大半の周囲を惑星が周回しているのではないかと考えられている。20世紀のほとんどを通じて信じられていた固定観念が根本から覆されたのだ。発見された太陽系外惑星の中には、地球の他にも生命が住める世界を発見できるのではないかという期待をもたせるようなものも数多くある。

今年のノーベル物理学賞のもう1人は、カナダ人科学者のジェームズ・ピーブルス博士が、ビッグバンから放射されたかすかな名残の光(宇宙マイクロ波背景放射)の研究により受賞した。現代宇宙論の枠組みを作ったピーブルス博士の理論は、最終的にはダークマターとダークエネルギーの特徴づけにつながり、普通の物質で作られているのは宇宙の5%にすぎないという認識にもつながった。

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