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山火事を予防する耐火性ゲル、スタンフォード大が開発

2019年10月03日 07時42分更新

文● Charlotte Jee

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Associated Press

スタンフォード大学の研究チームが、木や植物に散布して耐火性を与えるゲルを開発した。山火事の延焼を食い止めるのに役立つ可能性がある。このゲルは、植物から抽出したセルロース・ポリマーと、砂と化学的に同じ成分であるシリカの粒子に、難燃性の液体を混ぜて作られている。

現在の消火スプレーは、山火事の緊急事態にしか使用されていないが、この新たなアプローチは、山火事が発生する前の保護的な役割を果たす。 米国科学アカデミー紀要に掲載された論文によると、このゲルは無毒で生分解性があるという。

研究チームは実験室の植物でゲルをテストし、その後、カリフォルニア州の道路沿いの草の茂みで、地元の消防士の監督のもと実験をした。その結果、このゲルは風や13ミリの降雨にまで耐えられることがわかった。つまり、山火事のシーズンごとに一度だけ散布すればよいわけだ(それ以上の雨が降れば、そもそも山火事のリスクは急低下する)。

人間が引き起こす山火事の問題は、巨大かつ深刻化している。毎年何千平方キロメートルもの森林が破壊されており、地球温暖化が進むにつれて状況は悪化する一方だ。山火事の多くは、沿道、キャンプ場、遠隔地の送電線など同じような場所から発生するため、地元の機関が定める最も「高リスク」な場所にゲルを散布すればよい。

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