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GAFAの税逃れ許すな、フランスが「デジタル課税」導入へ

2019年03月07日 12時44分更新

文● Charlotte Jee

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フランス政府は3月6日、グーグルやアマゾンなどの大手テック企業を対象とした新税(いわゆる「デジタル課税」)の導入について発表した。年間約5億ユーロ(5億6600万ドル)の税収を見込んでいる。

フランスのブルーノ・ルメール経済・財務大臣が3月6日の記者会見で発表したところによると、フランスの売上税は、国際収益が7億5000万ユーロ(8億4900万ドル)以上、フランス国内での収益が2500万ユーロ(2800万ドル)以上のデジタル企業に対して適用される。

課税対象となる企業はおよそ30社で、フランスに本社があるクリテオ(Criteo)を除けばほとんどが米国を拠点としている企業だ。法案は国会に提出された後、今後数カ月以内に可決される見通しで、2019年1月1日に遡って適用される予定だ。

ハイテク企業が納税額を最小限に抑えるために利用する税の抜け穴をどのようにして塞ぐかが、世界中の政府の課題となっている。特にEUでは、多くの企業がもっとも税率の低い国に本社を置くことが問題となっている。売上の大部分を上げている国で、税金を事実上、一切納めていないことになるからだ。

フランスは欧州諸国の中で先陣を切って、この問題を解決するための課税を実施することになる。英国は2018年10月に2%の同様の課税の導入を発表したものの、施行は2020年4月となっている。イタリアスペイン政府も実質的にまったく同様の新税の導入を進めている。

各国が足並みを揃えて合意することに政治的な難しさがあるにも関わらず、フランスが今回の新税を強く推し進めているのは、テック企業への課税に対してもっともな理屈があるからだ。

EUは、3月12日にEU全域でのデジタル税の賛否を問う投票を実施する予定だ。可決には加盟28カ国のメンバーの全会一致の賛成が必要なため、可決される可能性は非常に低いと見られている。その代わりに EUの閣僚らは、世界的な税制改革に向けて努力を続けることへの合意を期待している。

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