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量子版「ムーアの法則」、IBMが性能評価で新指標を提案

2019年03月06日 07時58分更新

文● Martin Giles

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IBMによると、同社が売り込んでいる「量子ボリューム(quantum volume)」と呼ばれる指標は毎年倍増を続けているという。ちょうど従来のコンピューティングに対するムーアの法則に似ている。

量子マシンはデータの操作を量子ビット、つまりキュービットに依存している。だが、ただ単にキュービットを追加すればマシンの性能が増すかというと、そういうわけでもない。量子状態は非常に壊れやすく、ほんのわずかな振動や温度変化にさえも反応して壊れてしまうからだ。この現象は「ノイズ」と呼ばれ、このためにエラーが発生し、計算に少しずつ影響を及ぼしていく(量子コンピューターの仕組みの詳細はこちらの記事を参照)。

IBMは進歩を定量化するためのより適切な単一の指標として、「量子ボリューム」を提唱している。量子ボリュームはキュービット数を数えると同時に、エラー率やキュービット間の接続の質なども組み込んでいる。

今週開催された米国物理学会の会合で、IBMは自社製コンピューターの量子ボリュームが2017年の「4」から2018年には「8」を示したという結果を発表した。IBMによれば、最近発表したQシステム・ワン(Q System One)は「16」だという。

現在のところ量子ボリュームは、従来のコンピューターに対するムーアの法則と同じような役割を果たしつつある。ムーアの法則は、シリコンのマイクロチップに搭載できるトランジスターの数がおよそ2年ごとに倍増するというものだ(最近では減速の兆候も見られるが)。

IBMは量子コンピューティング界のトップであり、業界で真っ先にクラウド経由で量子コンピューターを使えるようにした。だがリゲッティ・コンピューティング(Rigetti Computing)やインテルなどの競合他社の激しい追い上げに直面している。

量子コンピューターを比較する最善の方法を探り出すことは重要だが、各社は自社のハードウェアやソフトウェアに有利となるような指標を売り込む傾向がある。だから、別の量子版ムーアの法則も紹介しておこう。「量子の指標をさかんに宣伝するPRの量は毎年2倍、あるいは4倍にも増加していくだろう」。

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