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RAWファイル保存のために自作マシンに「IronWolf」を導入したワケ

2019年02月01日 18時00分更新

文● 飯島範久 編集●ジサトラ ハッチ

提供: 日本シーゲイト

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 筆者が利用している「BarraCuda」シリーズは、その中でもデスクトップPC向けエントリーモデルだ。もちろん、このモデルでも一般的な利用なら十分な性能と信頼性を誇っている。年間通電時間を2400時間(1日約6.5時間)としたとき、どのくらいのデータを書き込めるかの指標を作業負荷率制限(WRL)として算出。年間55TBとかなり過酷に使わないと達成しないほどの耐久性を備えていて、さらに2年保証(国内正規代理店扱い品)を付いている。

「BarraCuda」シリーズ。筆者は4TBのモデルを使用していた

 とはいうものの、前述したように仕事で使う大切な動画や写真データを保存するなら、コストパフォーマンスよりも耐久性、安全性に優れたHDDの方が安心だ。そこで注目したのが、常時稼働PCやNAS向けの「IronWolf」シリーズだ。

 筆者のマシンは、ほぼ寝ているときぐらいしか電源を落としていない。つまり1日15~18時間は稼働していることになり、ほぼ常時稼働PCだ。そう考えると、常時稼働しているNASに最適化されている「IronWolf」シリーズを選択したほうがいいと考えた。

「IronWolf」シリーズ。写真は4TBモデル。今回これを導入した

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「ブランドによる違い」
シリーズ名BarraCudaIronWolf
用途デスクトップPC、ホームサーバー、外付けストレージ常時稼働PC、SOHO PC、NAS
容量8TB、6TB、4TB、3TB、2TB、1TB、500GB12TB、10TB、8TB、6TB、4TB、3TB、2TB、1TB
キャッシュ256MB(8/6/4/3TB※1)、64MB(3/2/1TB※2)、32GB(500GB)256MB(12/10/8/6TB)、64MB(4/3/2/1TB)
ファームウェア-AgileArray
RVセンサー-搭載(12/10/8/6/4TB)
対応ドライブ・ベイ数-1~8台
年間通電時間2400時間8760時間
平均故障間隔(MTBF)-100万時間
製品保証期間2年保証3年保証

 それでいて、同じ4TBの「BarraCuda」と比較しても価格差は4000円程度。この価格差でより信頼性や性能がアップするのであれば、大切なデータのために導入すべきだと判断。「IronWolf」の4TBを導入した。

同じ4TBだが厚みが違い上蓋の構造も違う

 ここで簡単に「IronWolf」の特徴を紹介しよう。まず、NAS向けの総合的な性能と信頼性を高めるために「AgileArray(アジャイルアレイ)」という技術を採用している。ファイル消去のリスク軽減と書き込み速度の向上を図ったり、電力消費削機能や耐振性を強化、静音動作、ストリーミング再生を改善するなど、多岐にわたる。

 なかでも特徴的なのが、複数台のHDDを隣接して搭載するNASでの運用に最適化した「RVセンサー」だ。近年のHDDはプラッターの大幅な高密度化により大容量を実現。このため読み書き時のヘッドの移動にも高い精度が必要になっている。このヘッドの動きは振動に弱いため、「RVセンサー」によって回転や隣接するHDDによる振動を測定し、トラッキング性能の低下を予測。事前にヘッド位置を補正することで、安定したデータの読み書きを実現している。

 今回の場合は、NASに搭載するわけではないので、隣接するHDDからの振動の影響は少ないものの、マシン内はファンとかも多く、それらの回転による振動はゼロではない。少しでも低減できるのであれば、こうした機能は読み書き速度にも直結するわけで、あるに越したことはない。

「IronWolf」のコネクター側。昔に比べて基盤もシンブルになった

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