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第9回 豊洲の港から presents グローバルオープンイノベーションコンテスト東京選考会

特集
「NTTデータ 豊洲の港から」イベントレポート

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SDGs賞 株式会社MUSCA
イエバエを使った究極の循環システム

 株式会社MUSCA(ムスカ)は、イエバエを使って100%バイオマスリサイクルシステムを実現しようとしている企業だ。ムスカという社名は、天空の城ラピュタからきたのではなく、イエバエの英語名「Musca domestica」が由来である。

 ムスカは、45年かけて1100世代選別交配された、イエバエの種を保有している。普通のイエバエに比べ、成長速度が速く、高密度で飼っても死ににくく、大量に卵を産卵するのが特徴で、この卵を生ゴミや畜産糞尿にまき1週間放置。すると大きくなった幼虫と幼虫の排泄物が発生する。幼虫は動物性蛋白質飼料として、排泄物は有機肥料となるため、畜産業や養殖業、農作物栽培に使われ、食の確保や天然資源の枯渇を防ぐことが可能となる。

 従来、畜産糞尿を堆肥化するのに2ヵ月~3ヵ月かかっていたものが、わずか1週間でできるため、非常に生産効率がよく、しかも畜産糞尿はお金をもらって引き取る厄介もの。生成された幼虫は飼料会社へ、幼虫排泄物は肥料会社へ販売するため、入口も出口も収入源というおいしい事業なのだ。

プラントの構築と維持管理できれば、入口も出口も収入源になる

 現在、畜産糞尿を処理するには、日本国内3000以上、海外を含めると20万以上の工場が必要だという。有機廃棄物を1日100トン処理するプラントを大量に作る必要があり、3月には初の工場が着工予定。そのための資金調達をしている状況だ。

 プラントは、ほぼフルオートで、モニタリングやロジスティクスの構築、さらにITを活用させて、受給システムの予測や農業生産の効率化も一緒にできないか、協力してくれる企業を探している。

 代表取締役暫定CEOの流郷 綾乃(りゅうごう あやの)氏は、「わが社はSDGsの申し子のような会社です。17項目中14項目を達成しいて、ムスカのプラントが増えることで、地球全体が抱えている社会課題や環境問題を解決できると思っています。SDGsは、日本の大手企業が取り組まなければならないことです。サステナビリティを広げていかないと、地球がかなりしんどい状態になっています。みなさんと一緒になって解決に向けて、SDGsを広げていき、子供たちの未来を守っていければありがたいです」と語った。

SDGsの17項目中14項目にあてはまるという

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