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“ハイパーコンバージドの提唱者”が開発した統合セカンダリストレージ、ネットワールドが国内発売

「セカンダリストレージを統合、データ保護から活用へ」Cohesity CEO

2018年10月12日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットワールドは2018年10月11日、同月より国内販売を開始した米Cohesity(コヒシティ)のハイパーコンバージド型統合セカンダリストレージ製品に関する記者説明会を開催した。来日したCohesity CEOのモヒット・アロン氏が登壇し、同社設立のビジョンや製品の特徴、幅広いユースケースなどを紹介した。また、国内第一号顧客としてソフトバンクが導入したことも明らかにしている。

Cohesityが提供する「ハイパーコンバージド型統合セカンダリストレージ」アプライアンス(C2000シリーズ)
Cohesity創設者でCEOを務めるモヒット・アロン(Mohit Aron)氏。2009年にNutanixの共同創設した後、2013年にCohesityを立ち上げた

「ハイパーコンバージド型」の「統合セカンダリストレージ」とは

 Cohesityは2013年にアロン氏が創設した企業だ。アロン氏は2009年にNutanixを共同創設し、「ハイパーコンバージド」の概念を提唱した人物でもある。それ以前は、グーグルでGoogle File Systemの開発プロジェクト責任者も務めており、Cohesityにもスケールアウト性の高い分散ファイルシステムの技術が盛り込まれている。

 Cohesityでは、同社が開発するソフトウェア/アプライアンス製品を「ハイパーコンバージド型」の「統合セカンダリストレージ」だと説明している。

 まず「統合セカンダリストレージ」として、企業が保有する膨大なバックアップ/アーカイブデータ、開発/テストデータ、共有ファイル/オブジェクトストレージ、アナリティクス用ビッグデータなどを、単一のストレージプラットフォーム(Cohesity DataPlatform)に統合することができる。従来、これらのデータストレージはサイロ化/分断されており、個別に管理する必要があったが、これを統合することで運用管理も一元化され、大幅な効率化が実現する。さらに、たとえば仮想マシンのバックアップデータをコピーして開発環境の構築に流用するなど、データの保存だけでなく「活用」も容易になる。

バックアップ/アーカイブ、ファイル/オブジェクトストレージ、開発/テスト、アナリティクスのデータストレージを統合する。パブリッククラウド上に同じプラットフォームを展開し、統合管理することも可能だ

 加えて「ハイパーコンバージド」の要素も兼ね備える。Cohesityのプラットフォームは、その上でさまざまなワークロード(アプリケーション)を動作させることができるアーキテクチャになっている。たとえば独自のバックアップアプリケーションを備えており、従来のバックアップ製品が必要とした外部サーバーを立てることなく、いわば“内蔵型”でバックアップ処理を行うことができる。さらにはビッグデータの分析アプリケーションなど、サードパーティ製も含めこのプラットフォーム上に取り込んでいくというビジョンを持っている。

 ソフトウェアベースのプラットフォームであるため、企業データセンターだけでなくAWS、Azure、GCPといったパブリッククラウドにも同一の環境を展開し、ハイブリッドな環境を統合管理できる点もメリットだ。企業データセンターからクラウドへのアーカイブ、ティアリング(ストレージ階層化)、レプリケーションによるテスト/DR環境構築なども容易に実現できる。

 Cohesityのビジョンについてアロン氏は、「スマートフォンが市場にもたらした破壊的なイノベーション」と同じものを、ストレージ市場にもたらすことが目標だと説明した。

 企業データセンターにおいて、セカンダリストレージはこれまであまりその問題が注目されてこなかったが、サイロ化、非効率さ、可視性の低さといった問題を抱えている。企業のクラウド利用が進む中で、その環境はさらに複雑さを増し、運用管理の手間も増えている。そこで“スマートフォンのように”すべてのデータを単一プラットフォームに統合し、単一のインタフェースから簡単に使えること、そして“App Store”からユーザーが求める機能(アプリケーション)を簡単に追加できること、そういったセカンダリストレージを目指しているという。

企業がセカンダリストレージ環境に抱える課題。複雑にサイロ化したままクラウドへも拡大しており、さらに深刻化しているとアロン氏

Webクラスのスケーラビリティ、グローバル重複排除など高度な技術を実装

 もう少し具体的な製品技術について紹介していこう。

 まず、Cohesityの製品はアプライアンスまたはソフトウェアとして提供される。Cohesity製アプライアンスとしては、2Uサイズに4ノードを格納し、4ノード合計で6.2TB~126.4TBの物理容量を持つ「C2000シリーズ」と、2Uサイズ/1ノードで183.6TBの物理容量を持つ高密度型の「C3000シリーズ」がラインアップされている(いずれも物理容量はHDD+PCIeフラッシュ)。

 またヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)やシスコシステムズ、Dell EMCなど、顧客企業が選んだメーカー製x86サーバーに「Cohesity DataPlatform」ソフトウェアを追加し、ストレージクラスタを構成することもできる。DataPlatformソフトウェアはクラウドエディション、仮想エディションも用意されており、各環境に同じプラットフォームを拡張し、統合管理することも可能だ。

 最小構成は3ノードで、ノードの追加によって容量/性能とも簡単にスケールアウトさせることができる。アロン氏によれば最大構成は「理論上は無制限」であり、Cohesityでは256ノード構成の動作を検証済みだという。顧客企業では70ノード構成の導入実績もある。また、マスター/スレーブといったノード間の上下関係や依存関係はなく、いずれかのノードが故障しても影響が出ないFault Tolerance性を担保している。「これはグーグル的なアーキテクチャだ」とアロン氏は説明した。

 独自の分散ファイルシステム「SpanFS」によってWebスケールのスケーラビリティを確保しているほか、グローバル重複排除、ノード間をまたぐストレージプール構成、圧縮/暗号化、QoSといった機能も備えている。

 対応するストレージプロトコルはNFSとSMB、S3 APIだ。またVMware VADP、Nutanix AHV、Microsoft Hyper-V、Oracle RMAN、Microsoft SQL、Pure Storage、NetApp、Windows、Linuxのデータ保護(スナップショットやクローン)にネイティブ対応している。クラウドゲートウェイ機能も内蔵しており、Amazon S3/Glacier、Azure、Google Nearlineへのクラウドアーカイブもできる。

 前述したとおり、Cohesityはさまざまなアプリケーションを実行するプラットフォームとしても機能する。アロン氏はすでに顧客が活用しているアプリの例として、保存した膨大なデータからプライバシーデータを発見するGDPR対応のためのパターンマッチング、保存されている高精細動画データをダウンコンバートして保存容量を削減する動画エンコードの2つを紹介してくれた。「今ではスマートフォンのアプリが無限に生まれているように、Cohesityのアプリもこれから多様なものが出てくるだろう」(アロン氏)。

業種を問わず、膨大なデータを抱える企業の課題を解消していく

 顧客企業への導入についてアロン氏は、Cohesityならば既存のストレージ環境を維持しながら段階的に導入を進めていくことが可能だと説明した。たとえばバックアップサーバーとストレージ専用機で構成されているバックアップ環境の場合、まずストレージ専用機をCohesityに置き換え、バックアップの運用手順を変えずにコストメリットを得る。そのうちバックアップサーバーのリプレース時期が来れば、Cohesityが備えるバックアップアプリケーションに乗り換えて、運用をシンプル化する。こうした流れだ。

 「北米では大手銀行をはじめとする金融、テクノロジー、医療、メディア&エンタテインメント、政府機関と、あらゆる業界で導入されている。膨大なデータを持つ企業や組織はすべてセカンダリストレージに課題を抱えており、そうした顧客がターゲットになる」(アロン氏)

すでに北米の大手企業で多くの採用実績があり、ソフトバンク・ビジョン・ファンドやシスコ、HPEからも出資を受けている

 また説明会に出席したネットワールド 代表取締役社長の森田晶一氏は、ネットワールドでは過去何年も「コピーデータマネジメント」のソリューションに携わってきており、ハイパーコンバージドセカンダリストレージというCohesityのビジョンにも賛同していると説明。一次代理店として、これから「日本国内でセカンドストレージ市場を開拓していきたい」と挨拶した。ネットワールドでは国内パートナーとともに、まずは大手企業を中心に提案を進めていく方針だ。

ネットワールド 代表取締役社長の森田晶一氏

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