9月12日(日本時間では9月13日深夜)、アップルは新製品の発表イベントを行います。すでにリークと思われる情報が散見されますが、発表されるまで真相は謎。今回は、歴代iPhoneのデザインの系譜を辿ってみたいと思います。
2007年の6月に発売された初代iPhoneです。日本での販売はありませんでしたが、iPhoneのはじまりです。「革新的な新製品を3つ紹介します。タッチ画面のiPod、電話、情報端末です」という導入から「独立した3つのデバイスでなく、1つの製品。iPhoneです」につなげるかっこよすぎるプレゼンでも注目を集めました。
iPhone 3Gは第2世代のiPhoneです。前モデルがアルミニウム背面だったのに対し、iPhone 3はプラスチックカーボネートを採用。前モデルが日本未発売だったため、発売日である2008年の7月は、ある意味、日本にiPhoneが初登場した記念すべき日でもあります。
iPhone3GSはiPhone 3の後継機にあたる第3世代のiPhone。iPhone 3からのマイナーチェンジで、デザインに大きな変化はありませんが、ビデオ撮影機能や通信方式の改良が見られました。発売は2009年の6月でした。
iPhone 4は、第4世代目のiPhoneです。シリーズ2度目のフルモデルチェンジ機。前モデルの丸みのあったボディを、平坦なデザインに変更。超高解像度(326ppi)の「Retinaディスプレイ」を採用し、「FaceTime」を初めて搭載した機種です。カラー展開は「ブラック」と「ホワイト」。2種の発表は同時でしたが、「ブラック」の発売は2010年6月だったのに対し、「ホワイト」は発売が延期し、2011年の4月に発売されました。当初、「ホワイトが欲しいからまだ買えない」と言っている友人が結構いました。
iPhone 4Sは第5世代の機種です。iPhone 4のデザインを引き継ぎ、内部を変化させた、いわゆるマイナーチェンジの機種。「Siri」の初搭載など、内部で大きな変化を遂げたことが特徴です。発売日は2011年の10月。iPhone 4sの発表の翌日に、スティーブ・ジョブズが死去した点で、一部のファンにとって思い入れの深い機種です。このあたりで、メジャーアップデートの「iPhone ○」、1年後にマイナーアップデートの「iPhone ○S(またはs)」という流れが出来上がったような。
iPhone 5は、第6世代にあたる機種です。以前のシリーズよりも大きくなった画面や、独自端子であるLightningコネクタの採用など、前モデルから大きな変化を遂げました。アップル社の共同設立者であるスティーブ・ジョブズが死去して以降、初の大型モデルチェンジということもあり、多くのファンの注目を集めました。発売日は2012年の9月。
2013年9月に発売されたiPhone 5sは、iPhone 5の後継機にあたります。のちにiPhone SEが発売されるまで、4インチクラスのiPhoneとして多くのユーザーに愛され続けました。まだ使っている人も結構いるかもしれません。指紋認証機能である「Touch ID」を初搭載したモデル。iPhone 5cは、画面サイズや解像度はiPhone 5sと変わりませんが、デザインは大きく異なり、ポリカーボネート製のボディーで、iPhone史上初のパステルカラー調のカラー展開がされました。どっちを買うかで話題になりました。ちなみにアスキーでは、iPhone 5sが圧倒的多数の支持を受けていましたが、当時仲良くしてもらっていたMacPeople編集のAさんは「俺は絶対iPhone 5c。かわいいから」と言っていて、それが印象に残っています。
iPhone 6は、前モデルから大きな変化を遂げました。特に変化した点は4.7インチの新ディスプレイ「Retina HD displays」。画面が大幅にサイズアップしましたが、薄さはiPhone 5sに比べて0.7mm薄くなりました。iPhone 6Plusは、iPhone 6の画面をサイズアップさせた派生モデルです。発売日は2014年の9月。この世代も、編集部ではどちらを買うかが議論になりました。ちなみに自分は一度iPhone 6を買って、後からiPhone 6 Plusを買い直したような覚えが……。
iPhone 6sと6sPlusは、前モデルからのマイナーチェンジに位置付けられます。デザインに大きな変化はありませんが、「3D Touch」機能が新たに加わりました。プロセッサーもApple A8からApple A9へ。発売日は2015年の9月です。
iPhone SEはiPhone 5sの設計をベースとしたデザインで、2016年の3月に発売されたモデル。従来のiPhoneの捜査官を求めるユーザーや、価格も安価であることから、いまでも人気のモデルです。
第10世代モデルのiPhone 7とiPhone 7Plus。発売日は2016年の9月。耐水、防塵仕様や、感圧式ホームボタンの搭載、さらに3.5mmイヤホンジャックを廃止などが注目されました。デザイン的にはiPhone 6、iPhone 6sの世代に近いのですが、背面のアンテナ用樹脂パーツ(Dラインなどと呼ばれていました)がなくなって、スッキリした見た目になりました。ツヤツヤの鏡面仕上げのブラック「ジェットブラック」が話題になりましたね。また細かな点ですが、ホームボタンが機械式の接点を持ったスイッチから、感圧センサーを利用し、触覚フィードバックによって押した感触を再現するものになっています。
iPhone 8とiPhone 8 Plusは昨年の9月に発売された、現時点では最新のiPhoneです。iPhone 6から続く、iPhone 7までのデザイン傾向を引き継ぎ、側面やエッジに丸みがあります。前面から見ると、iPhone 7、iPhone 7 Plusにそっくりですが、背面にはガラスのパネルを採用。Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています。
そしてiPhone X。iPhone XはiPhoneの伝統だったホームボタンを廃止し、前面下部までディスプレーがある(ほぼ)全画面デザインに。発表はiPhone 8と同時、発売は11月でした。上部に切り欠きを入れて、そこにセンサーを集中させるという設計は、ここ1年で急速に、他社のスマートフォンにも採用されるようになったアイディアですね。iPhoneの影響力の大きさを物語っています。こちらもiPhone 8、iPhone 8 Plus同様、現時点では最新のiPhoneです。
今年のiPhoneはどうなる?
さて、これまでのiPhoneリリースの流れを整理してみましょう。初代は除きますが、iPhone 3G→iPhone 3GS、iPhone 4→iPhone 4S、iPhone 5→iPhone 5s、iPhone 6→iPhone 6sと、メジャーアップデートモデル→Sまたはsのついたマイナーアップデートモデルという流れが伝統でした。
ところが、昨年が例外的にiPhone 7のマイナーアップデートでなく、iPhone 8とiPhone Xというメジャーアップデートのリリースとなりました。このため、「今年はマイナーアップデートのタイミングだから、iPhone 8とiPhone Xの後継でiPhone 8sとiPhone Xsだ」という以前なら通用した予想は立てられなくなりました。
昨年から、iPhoneの系譜が全く異なった、2つの方向性に枝分かれした点も見逃せません。iPhone Xの後継とiPhone 8の後継という線で来るのか、それらがメジャーアップデートなのか、マイナーアップデートなのか、あるいは、また新しい系譜が出てくるのか……発表まで楽しみに待ちましょう。
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