グーグルは、ARプラットフォーム「ARCore」をアップデートした。対応端末の増加、解像度の向上などのマイナーアップデートに過ぎないが、今回のアップデートは2018年2月のARCore 1.0本格展開開始からすでに5回目。かなり高い頻度でアップデートを実施しており、同じくスマホベースでのARプラットフォーム展開を行なっているアップルへの対抗が見て取れる。
2018年8月3日にGoogle Playで公開されたARCoreのバージョン1.4では、パススルーカメラのオートフォーカス機能、平面検知のスピードアップ、コンピュータービジョン解像度のアップデートを実施。また、新しいソフトウェア開発キットも、Android、iOS、Unity、Unreal Engine向けにリリースした。
アップデートと同時に、ファーウェイ、モトローラ、サムスンといったメーカーのARCore対応端末も増加。ファーウェイ、シャオミの中国市場向けには、それぞれ独自のアプリストアでもARCoreを入手可能となった(Google Playは中国国内からアクセスできない)。対応端末は現在57のAndroidデバイス、7月に追加されたアップルのARKit対応端末となっている。
今回のアップデートは、グーグルのAR機能に重要なのはもちろんのこと、Androidのエコシステム拡大という役目も担っている。アップルはiPhone 6s以降のすべての対応端末のOSのアップデート時に、AR機能をアップデートできる。一方で、AndroidのAR機能の対応は各端末メーカーに依存している。Androidデバイスのうち、ARCoreに対応する最新のAndroid 8.0を搭載している端末は、全体のわずか12.1%に過ぎない。OSもいまだに約3割のデバイスはAndroid 7.0で、ARCore対応端末はマイナーな存在と言える。
アップルのARKitは2018年秋のiOS 12リリースに合わせて、ARKit初のアップデートとなるARKit 2.0の公開を予定している。今回のARCore 1.4アップデートでは目新しさはなかったが、高頻度のアップデートによってライバルであるARKitに対抗していくと予想されている。