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暗号通貨で繰り返される、詐欺師たちの古典的な手法

Mike Orcutt

2018年08月09日 12時04分更新

記事提供:MIT Technology Review

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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の見事な調査からは、暗号通貨市場で価格操作がいかにまん延しているかが垣間見られる。

WSJは過去6カ月間のトレーダー同士の取引データやオンラインでのやり取りを綿密に調査した。結果、121種類の暗号トークンに対する風説の流布(価格の変動目的で偽情報を流す陰謀)が175件あったことが判明した。これらの陰謀により、過去6カ月間に8億2500万ドル相当の取引が発生し、「間違った情報につられてしまった人々は、数億ドルもの損害」を被った。

使われたのは、いささか古典的な手口だ。特定の暗号通貨に関して虚偽の宣伝をし、新規投資家を誘い出し、大量に買わせる。そして暗号通貨価格が「急騰」したら、インサイダーがその通貨を「投げ売り」して利益を得る。1930年代に法律で禁止されたこの悪習は、映画『ウォール街の狼』のモデルとして知られるジョーダン・ベルフォートがニューヨークに設立した店頭取引仲介業者、ストラットン・オークモント(Stratton Oakmont)によって1990年代に復活したのは有名だ。昔の「ボイラールーム(電話で怪しげな投資に勧誘する会社のこと)」の代わりに、暗号通貨の価格操作をする詐欺師がメッセージング・アプリ、特にテレグラム(Telegram)を使って群がり、組織化している。

さらに今回の調査では、特に価格操作に対して脆弱で、取引量がわずかな、多数の暗号通貨を含む数百種類もの暗号通貨を扱う人気の暗号通貨取引所「バイナンス(Binance)」が、しばしば「価格のつり上げ」に利用されていたことが判明している。「暗号通貨取引所は、規制されていない市場です。それゆえ、たとえばニューヨーク証券取引所で禁止されている市場操作の類をしても、原則的に処罰されることはありません」とロンドンに本拠を置くRPC弁護士事務所のベン・イェーツ弁護士はWSJに語っている。

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