このページの本文へ

Windows Info第136回

2019年のWindows 10は新シリーズに入る コードネームは今回もゲームから?

2018年08月05日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 Windows Insider Programで配布されるプレビュー版には、次のFeature Updateとなる、いわゆる「プレビュー版」と、次の次のFeature Updateになる「Skip Ahead」の2つがある。7月25日、Skip Aheadとして、2019年のWindowsとなる予定のBuild 18204が登場した。現時点でこれは「19H1」と呼ばれている。

19H1のプレビューであるBuild 18204のデスクトップウォーターマーク。最後の「180721-1657」は、ビルドした日時「2018年7月21日16時57分」を示す

1サイクル3年で開発が進められているWindows
RSシリーズはRS5で終わり、2019年は新シリーズに

 Windows 10は、年2回のFeature Updateが実施されてきた。現行のWindows 10は、コードネームから「Redstone」シリーズと呼ばれ、各Feature Updateには、Redstoneを意味する「RS」と数字の組合せで区別されている。たとえば、今年9月に完成予定のWindows 10 Ver.1809は「RS5」と呼ばれている。

 「シリーズ」の部分については、マイクロソフトは特に何かを定義しているわけではないが、同一のコード名が使われていることや、一般に企業の中期計画が3年とすることが多いことなどから、マイクロソフトもWindows 10の開発を3年という1つの期間で考えていると推察される。

 おそらくは、事前に開発目標を定め、それを半年ごとの開発計画に分割して、毎回のFeature Updateの開発を進めているのだろう。そもそもWindowsは、3年でメジャーアップデートするというのが基本的な考え方だった。Windows 2000(NT 5.0)やWindows Vistaの開発は、計画が破綻して3年周期に乗せることができなかっただけである。

 この周期が回復したのはWindows 7(2009年)で、3年後の2012年には、Windows 8を完成させている。Windows 10も最初のThresholdシリーズに関しては3年後の2015年と、やはり3年周期となっている。ここから推察するに、現在のRedStoneシリーズの開発も2018年で一区切りと考えられる。

 Redstoneシリーズでは、さまざまな機能を段階的に実装してきた。その中で目立つのは、これまでのWindowsでは、ずっと手がつけられてこなかった分野だ。たとえば、コマンドプロンプトウィンドウなどで利用するコンソールや、レジストリエディタ、フォントといった部分は、Windows XPやそれ以前のWindowsなどである程度完成してしまっていたため、Windowsのバージョンアップから取り残されていた部分だ。Redstoneではこれらにも改良の手が入った。

 また、新たな機能も導入された。Windows Subsystem for Linux(WSL)やWindows Timeline、あるいは仮称でSetsと呼ばれている機能などだ。こうした機能は1回のFeatue Updateで完成というわけではなく、何回かのFeature Updateで改良されてきた。

 また、RSシリーズの動きに合わせるように、AndroidやiOS用のソフトウェアの開発も並行して進められている。RS3では、電話とのペア機能が搭載されたが、本格的なスマートフォンとの連携は、RS4のTimelineやRS5のYour Phoneアプリの導入後となる。こうした流れをみると、やはりある程度の計画性が感じられる。

 来年のFeature Updateが次のシリーズになるのは、WindowsのLTSCエディション(Long Term Service Channel)の状況からも必然と思われる。

 LTSCエディションとは、最長10年のサポート期間を持つ、企業向けのエディションだが、これまでLTSCになったのは、最初のWindows 10であるTH1とRS1だけなのである。また、LTSCについて、マイクロソフトは、3年周期でのバージョンアップと説明しているため、2019年には、次のLTSCエディションが登場しなければならず、マイクロソフトの文書でも2019年に登場する旨の記載がある。

 となると、2019年に登場するLTSCエディションは、Redstoneとは違うシリーズになると考えられる。さらに、SkipAheadに登場したアップデートのコード名はあくまで「19H1」となっていて、RS6ではない。こうしたことから、来年の春登場するWindowsは、新たなシリーズとして機能を拡張していくことになるといえる。

 現時点では、19H1は機能としてはRS5のBuild 17723と同じものである。同じなのはRS5をベースに開発がスタートした直後なのか、あるいは、カーネルなどの内部的な改良を進めたのち、最新版の機能を取り込んだかのどちらかである。

 もし、19H1のビルドが18000から始まっているとすると、それは、昨年の9月中頃にビルドされたと推測できる。RS4のプレビュー版のビルド日時から休日を推測し、ExcelのNetworkDays関数で稼働日数が205になるのは、2017年9月15日となる。ただし、18200以前のビルドのリークは現在見つかっておらず、18200が最初のビルドという可能性もある。

 19H1は「2019年の第一半期(1st Half)」の略だと思われる。米国企業の表記では、四半期を「Q」(Quarterの略)、半期を「H」で表記し、その前に西暦の下2桁、後に通し番号を付けるといった表記を行うことが多い。

 しかし、この表記では、シリーズの切れ目がわかりにくい。19H1から始まり、6つ目の最後のFeature Updateは、21H2であり、次のシリーズの最初は22H1となってしまう。おそらくは、Redstoneの次のシリーズのコード名は内部的には持っていると考えられる。

 というのもこうした開発では、バグの修正など、複数のバージョンの開発が並行して進む。現在でも、すでにリリースされたRS1からRS4やLTSCとなっているTH1などの修正プログラム(パッチ)の開発がRS5や19H1の開発として並行して行なわれている。そうなると、開発者のコミュニケーションでは、対象となるバージョンを明確にする必要があるが、そのときに数字の並ぶ名称だけでは、間違いが出る可能性がある。このため、Linuxディストリビューションなどでも、比較的大きなバージョンアップには、区別しやすいコードネームを付けることが多い。

新シリーズのコードネームは何になる?
法則的には「Gears of War」絡み?

 家電製品には必ず個々の製品を区別する「型番」があるが、それとは別に「しろくま君」といった名前を付けることがある。もちろん、消費者に親しみやすい名前を付けるという意味もあるのだが、そもそも、家電製品に名前を付けるようになったのは、米国で発注を電話で行うときに、製品を間違えないようにしたのが始まりという説がある(諸説る)。同様に、開発者同士のコミュニケーションでも、間違いにくい名称を付けるのは一般的だ、というよりも、むしろ常識といってもいいかもしれない。そう考えると、次のシリーズにもThreshold、Redstoneに続く名前が、少なくとも「内部的」にはあると考えたほうがいいだろう。

 つまり、19H1とは、単に登場時期を示しているだけで、正式な「内部名称」ではなく、なんらかの理由で、コード名を伏せているのではないかと考えられる。現在のRS4のFeature Updateから「April 2018 Update」といった日付的な名称が採用され、個々のUpdateが「無個性」になっていることを考えると、これまでの「Creators Update」のような印象的な名前を使うのを表だって使うのをやめたのではないかと考えられる。

 そもそも、アップデート内容からすれば、Creators UpdateやFall Creators Updateよりも、TimelineやSetsといった大型機能が導入されるRS4やRS5のほうがインパクトが大きい。それにも関わらず、あえて名前をつけなかったのは、マーケティング的な方針転換の現れではないかと考えられる(もちろん担当者が名前を考えるのに疲れただけかもしれないが)。

 もっとも、今後の発表に備えて名前を伏せて、暫定的な名称にしているという可能性もある。デスクトップに表記されるウォーターマークのブランチ名がRedstoneシリーズのプレビュー版を示す「rs_prerelease」のままというのもおかしい。これまで、リークされたプレビュー版のビルドでは、さまざまなブランチ名が使われている。また、Xbox用やHoloLens用のリリースでも別のブランチ名となる。そう考えると、19H1が新しいコード名であれば、rs以外の表記になるべきものだ。

 これまでに使われたThresholdやRedstoneは、Microsoft Game Studioのタイトルから取られている。次シリーズのコード名もマイクロソフトのゲームからと思われる。Thresholdは、HALOに登場する惑星の名前であり、Redstoneは、Minecraftの鉱石の名前だ。こうしたゲームタイトルを開発するスタジオは、米国、ヨーロッパ、カナダにあり、HALOは米国、Minecraftはヨーロッパのスタジオの作品である。そう考えると残るはカナダのスタジオになるのだが、はたしてどうだろうか?

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

QDレーザー販促企画バナー

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン