今使っているHDDの限界が迫っていませんか?
近年、メインストレージの主流はSSDに移っているが、大多数の人が安価で大容量が実現できるということで、HDDをPCのメインストレージやバックアップ用の外付けHDDに使っている。そんなHDDの保証期間はモデルによって異なるが、出荷(製造)から2年から5年になっていることが多い。そのため、3~4年以上前に購入したHDDを使っている人は、そろそろ保証が尽きるころだろう。HDDは可動部品がたくさんあるので、データの読み書きが遅くなったり、HDDから聞き慣れない音が聞こえてきたら危険信号。HDD/SSDの健康状態を確認できる「CrystalDiskInfo」を試したら、健康状態が“注意”や“異常”になっていることもある。
そんな状態のHDDのみに唯一無二の大事な写真や動画などを保存しておくのは絶対ダメ。HDDがウンともスンともいわなくなってから慌てても、取り返しはつかない。
HDDはデータストレージとして鉄板!
新規にデータストレージを購入するなら、価格が下がってきている1TBや2TBクラスの大容量SSDも一考する価値はあるが、今まで残してきて、これからも増え続ける思い出の写真や映像、音楽といったデータを丸々保存するには、容量が心許なかったりする。とくにデータ容量の巨大化が著しいゲームデータも、ひとまとめで保存する人は、4TBや6TB、8TBといった巨大な容量が選べるHDDの方が将来的に安心、確実といえる。
実際、秋葉原の某ショップに聞いたところHDDの需要はまだまだ多く、HDDとSSDの販売台数比は2018年4月からの3カ月間で6:4でHDDの方が上、昨年1年間での比率は7:3という結果だったそうだ。HDD需要は、PCに内蔵した時と遜色ない速度で読み書きできる自作NASキットやUSB3.0対応の外付けHDDケースで、使う人の増加もあると思われ、データストレージの地位を不動のものにしていると言える。また、売れ筋の容量は2TBから3TB、そして最近は4TB、6TB、8TBへと大容量かつ最もコストパフォーマンスの高いHDDに移っている。
そんなHDDの中で、イチオシなのがSeagateの「BarraCuda」シリーズ。同社のブランディングでは、デスクトップPCやホームサーバーPC、外付けストレージ向けで、まさにホームユースのデータ保管に最適と言えるモデルだ。
シリーズ名 | BarraCuda |
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用途 | デスクトップPC、ホームサーバーPC、外付けストレージ |
容量 | 8TB、6TB、4TB、3TB、2TB、1TB、500GB |
キャッシュ | 256MB(8/6/4/3/2TB)、64MB(3/2/1TB)、32MB(500GB) |
年間通電時間 | 2400時間 |
平均故障間隔(MTBF) | 55万時間 |
製品保証期間 | 2年保証 |
MTC技術で読み書きの高速化とデータ保護を実現
BarraCudaシリーズでは、売れ筋容量となる4TB「ST4000DM004」(実売8600円前後)、6TB「ST6000DM003」(実売1万2300円前後)、8TB「ST8000DM004」(実売1万7500円前後)は1プラッター2TBを採用しているので狙い目。
プラッター密度の向上による大きなパフォーマンスアップはないが、プラッターやヘッドといった駆動パーツが少なくなると消費電力や発熱低減に貢献し、耐久性アップに繋がる。そのうえ、より高い耐久性が求められるNAS向けのHDDブランド「IronWolf」シリーズなどにも採用されている、HDDの高速化と電源瞬断時のデータ保護を実現するSeagate独自技術「Multi-Tier Caching(MTC) Technology」を搭載している点も魅力。
MTC技術はユーザーからのデータをDRAMキャッシュを経由して、一旦「MediaCache」上に保存し、後から一括してディスク媒体上に再配置することで、書き込み効率を高めている。さらにデータをMediaCacheに一度保存し、不揮発の状態にした後から、本来あるべき場所に再配置するため、PCやNASの電源が突然切れた場合でも、データの損失を最低限に抑えることが可能になる。
そのうえ、日本シーゲイト 技術本部技術部主席技師 佐藤之彦氏によると、MTCでは、どういった情報がディスクのどの場所に再配置(最適化)されるべきかを記録しているため、バックグラウンドでデータの読み書きを行なう際のヘッドの機械的な動作が最小限になり、無駄な動きを無くすることで、性能向上が図られている。
同社はこのようにMTCテクノロジーによって1プラッター2TBを実現しているSMR(瓦書き記録方式) のハンディを克服。ユーザーがHDDの最大容量をギリギリまで使い切り、その後、何度も不要なファイルを消したりして、空きスペースを確保し、そのデータ配置場所が所々に散らばってしまうような状態になっても、他社製品のような速度低下は起きないと語っていた。
これは断片化を解消するデフラグ(Windows 10標準機能)を実行すれば解決する話ではあるが、BarraCudaシリーズは、そのひと手間を意識する必要がない訳だ。この点はあまりPCに詳しくない人にとっては利点だろう。
4K映像やRAW写真、ゲームプレイ動画も余裕で保存だ
2~3年前から最近まで売れ筋だった2TBや3TBからの買い換え時は、残りの空き容量と2~3年でのデータ増加量を踏まえて容量を選べばオッケーだ。ただ、忘れてはいけないのがスマホやアクションカメラ、高級コンデジ、一眼デジカメなどを使っての高解像度、高画質での撮影や、PCでのゲームプレイ録画が非常に容易になっている点だ。
自分はもちろん、家族がそうした高解像度動画、高画質撮影をはじめると、容量をドンドン占有していくこともあるので6TB「ST6000DM003」や8TB「ST8000DM004」も視野に入れておきたい。
売れ筋の4TBと狙い目の8TBを比べてみた
売れ筋容量となる4TBのST4000DM004と、容量に不安のない8TBのST8000DM004で、パフォーマンスに違いがあるのか試してみた。
パフォーマンスの計測には「CrystalDiskMark 6.0.1」とHDDの内周と外周を計測する「HD Tune Pro 5.70」の「Benchmark」を実行している。環境にはRyzne 7 2700XやGeForce GTX 1080 Tiを搭載したPCを使用している
●テスト環境 | |
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CPU | AMD Ryzen 7 2700X(8コア/16スレッド、定格3.7GHz、最大4.3GHz、TDP 105W) |
マザーボード | ASUS「ROG CROSSHAIR VI EXTREME」(AMD X370) |
メモリー | SanMax「SMD4-U16G48M-26V-D」(DDR4-2666、8GB×2) |
ビデオカード | NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti Founders Edition(GDDR5X 11GB) |
SSD | Kingston「SSDNow KC400 256GB」(2.5インチ、256GB、SATAIII) |
電源ユニット | Seasonic「SS-750KM」(750W、80PLUS GOLD) |
OS | Windows 10 PRO(64ビット) |
CrystalDiskMark 6.0.1では、ST8000DM004のシーケンシャルライトが175MB秒と、ST4000DM004と比べて10MB秒ほど低い値になった。とは言え、回転数5400rpmのHDDとして十分高速と言える。「HD Tune Pro 5.70」による最外周から最内周までのパフォーマンス計測結果も優秀で、最も遅くなる内周部に配置されデータでもリード80MB秒前後、ライト70MB秒前後になっている。8TBの大容量も4TBと変わらぬパフォーマンスを発揮するのは、うれしいところだ。
8TBで容量気にせずデータ保存だ
BarraCudaシリーズのST4000DM004とST8000DM004は、プラッタ2TBの大容量プラッターや、NAS向けHDDなどの上位モデルにも搭載されているHDDの高速化とデータ保護の実現を謳うMTCの採用に、静粛性の高い回転数5400rpmのモデルながら、シーケンシャルリード・ライト180MB秒前後の高パフォーマンスを発揮。
金額的には4TBのほうが購入しやすいが、4TB以上のデータを保存するため、4TBのモデルを2つ使うのと、8TBのモデルをひとつ使うのでは、後者の方が動作させる数が少ない分、消費電力も少ない。そのため、4TB以上の容量を将来的に見据えているなら、ドライブを分けて整理することなく、大量のデータを保存しても容量に余裕のある8TBのST8000DM004も買いと言えるだろう。
提供:Seagate