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小島寛明の仮想通貨&ブロックチェーンニュース解説 ― 第5回

関係者や専門家の話から整理する:

Coinhive事件 何が問題なのか

2018年07月23日 16時00分更新

文● 小島寛明

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■激しく詰め寄る刑事の音声データ

 男性は2018年2月〜3月にかけて、神奈川県警の家宅捜索と、任意の取り調べを受けた。

 取り調べを受けた際の男性と警察官のやり取りが、音声データとして残っている。男性捜査員が、捜査対象の男性を激しく問い詰めている。

 「お前がやってることは法律に引っかかってんだよ。わかんだろ?」「だから警察がガサやってんだよ。お前がどう思おうが関係ねえんだよ。わかるか?」

 弁護人の平野敬弁護士によれば、「不当捜査だった証拠として、裁判所や検察にも存在を知らせている」という。

 念のためだが、家宅捜索は「法律に引っかかっている」から行われるものではない。犯罪の疑いがある場合にその証拠品を押収するために、裁判所が令状を出して実施される。「法律に引っかかっている」かどうかを最終的に判断するのも警察ではなく、裁判所だ。

 今回、男性が略式命令を受けた罪名は、刑法の「不正指令電磁的記録に関する罪(通称ウイルス罪」)」の取得と保管だ。

 警視庁のウェブサイトに掲載されているウイルス罪の解説がわかりやすい。取得と保管について、次のように説明している。

 「正当な目的がないのに、その使用者の意図とは無関係に勝手に実行されるようにする目的で、コンピュータ・ウイルスやコンピュータ・ウイルスのソースコードを取得、保管する行為をいいます」

 男性は、コインハイブが公開しているソースコードを取得して、自分のサイトに保管したとされる。

 男性のサイトを閲覧した人が、警視庁の解説に出てくる「使用者」にあたる。閲覧者のパソコンは、その意図とは無関係にパソコンの処理能力を提供し、マイニングに協力することになる。

 今回、立件の対象となったかどうかのわかれ目は、「使用者の意図とは無関係」だったかどうかだと言われている。事前にコインハイブについての通知を表示させ、マイニングについて閲覧者の同意を得れば、法的な問題は生じない可能性が高い。

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