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働き方改革に直接効く「RPA」最前線第1回

何がすごい?働き方改革に直接効く「RPA」とは

2018年06月04日 06時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●北島幹雄/ASCII STARTUP

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ホワイトカラーがPCで行なっている単純作業を代行してくれるRPAというソリューションに注目が集まっている。業務効率化を推進でき、日本では働き方改革の文脈でニーズが高まっているのだ。そこで、本連載ではRPAとは何か、といった解説から、市場で存在感のある企業へ取材し、RPA最前線の情報を紹介していきたいと思う。

RPA市場は2021年には12億ドル以上になる

 最近、RPA市場がホットになってきている。RPAとは、Robotic Process Automationの略で、ホワイトカラーの業務を自動処理してくれる仕組みのこと。仮想的なロボットが働いてくれるので、デジタルレイバーと呼ばれることもある。技術的には昔からあるもので、筆者も10年程前にブログへの文章投稿に利用していた。長らく個人的な特殊用途にしか使われていなかったが、2015年くらいからRPAという名前でビジネス向けのプロダクトが登場し始めた。

 RPAはCRMのように顧客管理を効率化するとか、SFAのように営業を支援するのではなく、何らかの業務を自動化するのが特徴だ。たとえば、データの調査や入力、コピーといった単純作業だ。

 そんなことにお金が動くのか? と思われるだろうが、ITRの市場調査レポートによると、国内のRPA市場は2015年が2億円だったものが、2017年には20億円、2018年には44億円、2021年度にはさらに倍の82億円になると見込まれている。HfSリサーチ社のレポートによると、グローバルでも成長著しく、2018年の市場は6億2900万ドル、2021年には12億2400万ドルと予測されている有望株なのだ。

RPAが急速に成長している理由

 RPAがこれほど注目されている理由は2つある。工場のラインにロボットを導入し、生産性が大きく向上したように、ホワイトカラーの業務にもデジタルなロボットを導入しようとする流れだ。24時間稼働させても問題なく、人件費の削減にもつながる。

 もうひとつが、働き方改革という側面だ。日本は超高齢化社会を迎え、生産年齢人口の現象も続いている。すでに破綻が予測されているほどで、外国人労働者の受け入れも含めて、解決策は見えていない。そこで、ロボットに置き換えられる業務はまかせて、人間はより生産性の高い業務に集中してもらう、という狙いがある。

 この問題を解決するために、そもそもRPAが不要な自動化するシステムを導入すればいいという意見もある。企業ごとにシステムを開発すると膨大な費用がかかってしまうが、特定のニーズに特化したクラウドサービスであれば安価かつスピーディに導入できる。グローバルで見るとそのような動きもあるのだが、特に日本では進んでいない。

 日本の商習慣が特殊で複雑ということもあるのだが、日本人はひとつの画面ですべての情報を把握したがる傾向にあるのも理由だという。そのため、基幹システムをスクラッチで開発し、使い続けている企業が多い。また、社内サーバーで管理している機密情報にクラウドサービスを接続する、というのもセキュリティーを考えると難しい。そのため、膨大な非効率作業が今も続けられているのだ。

 この非効率な作業の一部でも人の手を使わずにロボットが代行できれば、業務効率を改善できる。さらに、その結果作業時間が短縮され、残業や人件費のカットができるという目に見える効果が出るのもRPAが導入されやすいポイントだ。

クラウドタイプのRPAやワインコインと格安なRPAも登場

 先日、ビックサイトで開催された「AI・業務自動化展」に行ってきたのだが、スゴイ盛り上がりだった。各社のソリューションをじっくり見て回ったところ、ブースにはたくさんのビジネスマンが押しかけて、スタッフを質問攻めにしていた。このイベントは商談の場という側面もあるので、展示側も来客側も本気だ。そんな中、一緒に話を聞いていると、「興味はある」のだが「具体的に何ができるのかさっぱりわからない」とか「結局、最後には人の手が入るって聞いたけど?(それなら不要)」といった意見も出ていた。

 確かに、RPAは魔法のツールではない。最初にロボットを作るのには手間がかかるし、通常の環境では時々エラーが出て止まるのは当たり前。エンドレスでミスなく自動処理が続き、人間が不要になる、というイメージは持たない方がよいだろう。とはいえ、各ソリューションのカタログを見ていると、ある業務の処理時間が10分の1になったとか、月間残業時間を50時間削ることができたといった実績が掲載されている。トータルで業務効率が向上すれば、メリットは大きいのだ。

 前述の通りセキュリティー面からオンプレミスで提供されるRPAだが、クラウドタイプのRPAが登場している。さらに、RPAは決して安くないソリューションなのだが、すでに価格競争も起きており、なんとワンコインを謳うサービスまで登場している。

 また、RPAそのものにも賛否両論がある。ビジネスに即した最新かつ効率的なシステムを開発して利用すべきで、問題のある古いシステムを無理矢理延命しなくてもよいのではないか、という意見だ。

 何度も繰り返している日本のガラパゴス化から脱却するいいチャンスであるというのも理解できる。また、RPAの導入により手の空いた人材が、果たして職を失うことにならないか、というのも気になるところ。

 RPAの最前線で何が起きていて、将来どうなっていくのか。今後、本連載では数回をかけてRPAを提供している企業に取材し、最新情報をお届けしていく予定だ。

先日第1回目の「AI・業務自動化展 春」が開催され、すごい盛り上がりだった
ワインコイン(500円)を謳ったRPA「HeartCore Robo」が大きなブースで攻勢を掛けていた

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