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ASCII STARTUP 今週のイチオシ!第71回

日本発、あまねく人々にRPAを行き渡らせるBizteX

手軽に使えるクラウドRPAは働き方の未来を変えるか

2018年04月06日 07時00分更新

文● 鹿野恵子(プレーンテキスト) 聞き手・編集●北島幹雄/ASCII STARTUP 撮影●曽根田 元

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 「働き方改革」という言葉がクローズアップされて久しいが、依然として長時間労働はなくならず、サービス残業ははびこり、持ち帰り仕事も鳴りを潜める気配はない。改革の旗手として期待されているAIは、技術的・経済的に導入への障壁が高く、多くの現場では従来通りの人の手による作業を踏襲せざるを得ない。

 AIと人の手のスキマ。それを埋めるように動くソリューションが、2015年に設立されたスタートアップBizteX株式会社が提供する「BizteX cobit」だ。これまでオンプレミス型が主流だったRPA(Robotic Process Automation)をクラウド化し、誰でも手軽に操作できる点で、国内外から注目を浴びている。

 現在の業務時間が半分に減るとしたら、空いた時間を使って何をするだろう。更に生産性を高めるべく、別の業務を請け負うだろうか。それとも、スキルアップのための勉強? 家族とだんらんの時間を過ごすのもいい。「テクノロジーがワークスタイルを変えれば、ライフスタイルも変わっていく」。そんなビジョンを掲げるBizteX株式会社の嶋田光敏代表取締役社長に話をうかがった。

BizteX株式会社の嶋田光敏代表取締役社長

テクノロジーでワークスタイルを変えていくBizteX Cobitとは

 経済がグローバル化し、事業スピードが増す世の中にあって、少子高齢化にともなう生産労働人口の減少は現代日本の課題だ。その課題を解消するために、国をあげて働き方改革を推進し、理想的なワークライフバランスを実現しようとさまざまな取り組みがなされている。

 テクノロジーによって業務コストを削減しようとする動きもそのひとつ。なかでもAI技術の進歩は目まぐるしく、各分野で注目を浴びているが、たとえば盛り上がるAI関連のコアとも言える機械学習を事業体に組み込むためには、そろえるべき学習データや、そもそも対象となる課題の範囲が限られることがあるなど、クリアすべきハードルが高く二の足を踏む企業も多い。

 そこで、AIよりも近い技術としてニーズが広がっているのがRPA(Robotic Process Automation)だ。ソフトウェアのロボットを作り上げ、人間の代わりに事務的な入力作業をさせたり、ウェブやデータベースから特定の情報を集めさせるといった面で使われ始めている。端的に言えばマクロやボットに近いものだが、近年の「働き方改革」によってその注目度は大きく変わった。

 RPAを使えば、ウェブサイト上で情報収集しExcelに貼り付ける、検索結果を入力するといった一連の定型業務をデジタルロボットに代行させることができる。その分、人が本来すべき業務に集中することができるため、社員1人あたりの生産性が向上する。

 しかし、従来型のRPAには次のような課題があると嶋田氏は言う。その1つが、オンプレミス型が主であるということだ。RPAをPCやサーバーにインストールしなければならず、構築に時間がかかったり、コンサルフィーとして高額な運用コストが必要となる。また、そもそも海外の製品が多く、RPAを使える人材や部署は社内の情報システムと一体で動かないとならなくなる。

 あまねく人々にRPAが行き渡るには、どうしたらよいか。嶋田氏はその答えとして、クラウドRPA「BizteX cobit」(ビズテックス コビット)にたどり着いた。

「BizteX cobit」名前の由来はストレートに小人とロボットから

 BizteX cobitはクラウドで提供されるRPAだ。サインアップをすればすぐに利用することができ、構築に時間もかからない。またユーザーインターフェースを簡易化することで、情報システムに明るくない現場の担当者でも容易に操作が可能。さまざまなサイトやシステムにも対応しているため、業務の幅を広げやすいのも特長だ。

 現在、RPAをクラウド型で提供するのは、日本では唯一BizteX株式会社のみ。世界でも2、3社という稀有な存在である。「日本には約400万社の企業がありますが、大手だけでなく中小企業まで含めたすべての企業様にお届けできるモデルにしたいです」と嶋田氏は語る。

クラウドだからこその強みを活かした「進化する」RPA

 従来のオンプレミス型RPAに比べ、導入の障壁が低いBizteX cobitは、製品のプレスリリースを打つだけでも月100件ほどの問い合わせがあるというから、注目度の高さがうかがえる。

 操作は非常に簡単。たとえば、定型業務化している交通費申請のチェックをする場合、路線検索サイトで「出発駅」「到着駅」「運賃」などを調べ、結果をExcelにコピー&ペーストする。これだけの動作でも、人が手作業でするとたった1件あたりで数分かかってしまうだけでなく、時には入力間違いなどのヒューマンエラーが発生する。

 これをBizteX cobitで行なう場合、「出発駅」「到着駅」の入力、表示された「料金」のコピー&ペーストといったプロセスを一度記憶させれば、その後自動で同じ動作を繰り返す。20件におよぶ検索とコピー&ペーストの作業でも、たった2分で完了する。このように、通常のウェブサイトやクラウドシステムなどからのデータ抽出はもちろん、逆にExcelからウェブサイトなどにデータを入力する作業も可能だ。

 特筆すべきは、ブラウザー上で動作できる部分にある。従来エクセルのマクロに限定されていたような機能を、縦横無尽にウェブ上で実行できる。

 上述した定型のループ作業だけでなく、データのダウンロードやURLの取得、作ったロボットをタイマー予約して動かしたり、取得したデータを送り先指定してメール送信するといった機能が毎週のようにどんどん追加されている。バージョンアップや機能修正のたびに現場から情報システム部門への手戻りが発生するオンプレミス型に比べ、現場に据え置きながら機能追加ができるのはクラウドRPAの大きな強みだ。


 もう1つ、クラウド型の特徴といえば、ウェブサイトやクラウドシステムと連携できる点にある。従来は人の目で確認し、人の手で入力していた領収書管理も、BizteX cobitと家計簿アプリ「マネーフォワード」のOCR機能を連携させることで簡便化できる。

 マネーフォワードで領収書を撮影し、デジタルデータ化をしたら、BizteX cobitでそのデータをExcelにダウンロード。ダウンロードしたデータを別のシステムに入力する、という一連の作業があっという間に完結する。Googleスプレッドシートとも連携しているため、そこにデータを流し込めば当事者間でのデータを共有することも可能だ。

 RPAで懸念されるいわゆる「野良ロボット」と呼ばれる問題についても、特定のアカウントがどれだけロボットを作って動かしているかを管理画面から把握できるため、無駄なコストが発生しない。

 実際、顧客の中にはそれまで2時間かけて行なっていた作業がたった5分で済み、実に95%もの時間を削減できたという声もあり、その満足度がリリース半年間でアカウント200件超、作成されたロボットは1500以上という実績につながっている。

 冒頭でも述べたように、生産労働人口が減少している現在、人を雇うにもさまざまな制約が存在する。教育コストや突然退職されるリスクなどを鑑みても、昼夜問わず人の3倍作業ができて、かつミスもないRPAを導入するメリットは大きい。もともと生産性が10の社員にBizteX cobitを操作させることで、生産性を100まで上げられるというわけだ。

 通常、こうしたアプリケーションやシステムの利用料は、発行アカウント数に比例して料金が加算されるケースが多いが、BizteX cobitでは発行されるアカウント数やロボット数は無制限。携帯電話のパケット通信料のように、ロボットの作業ステップ数に応じて料金設定をする仕組みだ。「アカウント数とお客さまの課題解決とは関係ない。ロボットを動かして業務に使っていただいた分だけカウントさせてもらうほうが満足度も高い発想を持っている」(嶋田氏)

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