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シャープ業績改善の裏に「鴻海が液晶TV買取」依存の構図

2018年05月15日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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シャープの戴正呉社長
シャープの戴正呉社長。液晶テレビ1000万台をけん引した中国の拡販で「鴻海依存」を一段と強めた Photo:EPA=時事

 台湾の鴻海精密工業の傘下で業績を改善させるシャープ。2018年3月期は、4年ぶりに最終黒字を計上し、6年ぶりの復配を決めたが、見逃せない規模になりつつあるのが、鴻海からの「ミルク補給」だ。

 具体的な金額は6月末に公表される有価証券報告書で見えてくるが、「大口顧客」の米アップルに並び、鴻海との取引規模がどこまで膨らむかが注目されている。

 これまでのシャープ再生を実現した「鴻海流のコスト削減」には陰りが見えており、18年3月期の販管費の削減は70億円程度にとどまった。社員数は増加に転じ、設備投資も増えた一方、研究開発費の削減は56億円程度だった。

 これに代わってシャープの業績改善を支えているのが液晶テレビの販売だ。連結営業利益の901億円のうち、ディスプレー関連事業は前期比10倍超の370億円を稼ぎ出したが、これを支えたのが鴻海グループへの液晶テレビの販売だった。

中国向けは鴻海が買い取り

 18年3月期の液晶テレビの世界販売は1000万台に達し、前期の543万台からほぼ倍増。この伸びをけん引したのが中国市場で、調査会社IHSマークイットによると、シャープの中国での販売シェアは、17年は前年の2.2%から7.6%に躍進した。「天虎計画」と名付けられた鴻海グループの中国でのテレビ拡販プロジェクトにより、家電量販店やネット通販サイトで60インチの4Kテレビを5万円台で販売するなど、「赤字覚悟の安値攻勢」(業界関係者)でシェアが急拡大した。

 シャープは中国でのテレビ販売台数を公表していないが、中国市場全体の台数データから逆算すれば、およそ400万台。つまり、シャープのテレビ販売の半数近くが中国向けになる計算だ。

 シャープ関係者によると、これら中国向けの大量の液晶テレビは、鴻海の買い取りだ。「鴻海は中国市場の販売会社の役割」を担っていて、「赤字にならない価格」で液晶テレビを買い取ってもらっている実態があるという。

 結果、中国でテレビを安値で拡販した場合の損失は鴻海が被ることになるため、「グループ内の利益移転」(業界関係者)との指摘もある。現在、液晶テレビの他にも、亀山工場や三重工場で生産する中小型液晶の一部が鴻海からの買い取り対象に、含まれるもようだ。

 17年3月期のアップル向けの売上高は5420億円で連結売上高の26%を占めた。18年3月期の鴻海向けの売上高はどこまで膨らむのか。今期以降も、中国での天虎計画の製品は広がる可能性があり、液晶テレビだけでなく、白物家電やスマートフォンまでが買い取り対象になれば、シャープの主力製品のほとんどを鴻海からのミルク補給に頼ることになる。依存の構図は一段と加速していく。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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