このページの本文へ

オヤジホビー-ワタシが好きな物はみんなも好き、かもしれない-第126回

米軍払い下げのゴツい南京錠を買いました

2018年05月08日 17時00分更新

文● にゃかむら(@TK6506)、編集●アスキー

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ハンヴィーの無線機用として使われる南京錠

 米軍のハンヴィーには当然といえば当然ですが無線機が搭載されています。ハンヴィーが正式採用された1980年代にはベトナム戦争のころと同じ無線機が使われていましたが、1990年代になってSINCGARSというシステムに変更されました。

 軍用無線機は、ポーチに入れて持ち運べるハンディー型、人が背負って使う背負式、車載用、航空機用、船舶用など、用途に応じて多くのタイプがあります。以前はそれぞれが別の設計だったため、相互で通信はできるものの、部品の共通化など運用面で問題がありました。そこで登場したのがSINCGARS。Single Channel Ground and Airborne Radio Systemの略で、日本語では地上・空中用単一チャンネル無線システムなどと呼ばれます。機器を構成するモジュールはできる限り共通化され、送受信の周波数を1秒間に100回も切り替える周波数ホッピングにより、傍受されにくいのだとか。元々は音声用として開発がスタートしたらしいのですが、データのやりとりもできます。

 ハンヴィーにはこの無線機が2台積まれていて、無線機自体は背負式と同じ。ハンヴィー専用の機器があるわけではなく、同じ物をベースに固定して使っています。固定の際は盗難防止用の金具をセットするんですが、これが結構古臭くて、なんとロックは南京錠。金具に開けられた穴に差し込んで鍵をかけるのです。

 米軍のハンヴィーの写真を見たとき、そこに着けられていた南京錠にはAMERICAN LOCKという文字が書かれていました。調べてみるとAMERICAN LOCKはMaster Lock Companyという会社のブランド名で、アメリカではポピュラーな存在とのこと。米軍にも納入しているそうです。売っている雑貨屋さんも見つかりましたが、ミリオタたるものやはり米軍払い下げ品が欲しいところ。何か違うかもしれないですし。

無線機の盗難防止のロックとして使われているAMERICAN LOCKの南京錠

箱入り新品をゲット!

 というわけで米軍払い下げ店で中古品を購入しました。鍵が1本しか付属していない物が多かったんですが、ちゃんと2本付きです。ところが! ふと気づくと見当たりません。ハンヴィーの中に置いておいたつもりだったんですが、どこに行ったのやら……。手元に残った2本の鍵が虚しい感じですが、仕方なくもう一度探します。

 すると今度は未使用品を発見! しかも届いてみたらなんと箱入りの新品です。

箱に入った新品が届きました。ラベルがちょっと破けてますけれども

 ハンヴィーに付いていたのは5200というタイプ。AMERICAN LOCKの南京錠は200種近くあり、仕様の違いやカラーバリエーションを入れると2000を超えますが、届いたのも同じ5200でした。

 本体部分の幅は1-3/4in(44mm)で、厚さは3/4in(19mm)。高さはカタログ数値がないのですが実測で43mm。なぜかほんの少し横長です。

 金具に引っ掛けるU字型のツルは英語ではシャックルと呼ばれます。ここの太さは5/16in(8mm)で、U字型に空いている内側部分の高さは1-1/8in(28mm)、幅は3/4in(19mm)。AMERICAN LOCKでは標準的なサイズのようです。

 重さは270g。250ml入り缶ジュースより重く、かなりズッシリと感じます。

ボディーにはSERIES 5200の刻印。写真で見たのと同型でした

 正式名称はPADLOCK (5200GL)。南京錠を英語でパドロックと呼ぶのを初めて知りました。GLというのはどうやら政府向けモデルのようです。本体は硬化鋼製でシャックルは硬化ボロン鋼製。真鍮のような色合いなので弱そうですが、これは亜鉛クロメート仕上げによるもので、実際は頑丈そのもの。その信頼性の高さから、米陸海空軍、海兵隊、政府機関に納入されているそうです。

真鍮色に輝いていますが鋼鉄製です

 いくら本体が頑丈でも不正に解錠されてしまっては元も子もありませんが、その点も大丈夫。ピッキングより脅威とされるバンピングにも対応するBUMPSTOPという技術を採用していて、工業試験規格のASTMによるロックバンプテストで、最高のグレード6を超える耐性を持っていす。詳しいことはわかりませんが、鍵穴のところにステンレス製の部品がついているのも不正解錠防止の一貫なのかも。

なんだか複雑な形をした鍵穴周辺

 5200GLでは、シャックルが開いている状態では鍵を抜くことができません。これもセキュリティーのひとつで、開けっ放しでうっかりその場を離れてしまうことを防いでくれます。もちろん閉じれば抜けるんですが、閉じるのは使用時ですからね。

開状態のときは鍵が抜けません。これは不具合じゃなくて、パドロックのかけ忘れを防ぐ機構です

 鍵は2本付いています。これは割とほかでもやっていそうですが、Edgeという鍵管理システムがあり、ブランクキーはメーカーにしか存在しません。そのためコピーを作ることは不可能になっています。

鍵は2本付属。反対側にはシリアルナンバーが入っています

外箱は貴重な資料です

 せっかく外箱があるのでラベルを見てみましょう。

外箱のラベルから様々な情報が得られます

 もうおなじみのNSN(米国国防総省物品管理番号)は5340-00-158-3805。頭の4桁はFSC(Federal Supply Class)といって、供給の分類に使われている番号です。53の2桁がグループを表わす大分類、40がクラスを表わす中分類になります。

 5340というのはハンヴィーの部品でもよく見かけるのですが、主に商用目的で設計された一般的なハードウェアにつけられる番号で、建物のドアやヒンジ、椅子のキャスター、ハンヴィーではブラケット類などがこれにあたります。

 次の2桁はNCBコード。国名を表わす数字で、00~09はアメリカを指します。そして残りの7桁がアイテムに割り当てられたナンバーです。

 PADLOCK (5200GL)は品名。PN AA59487-2Sはこれまであまり見たことがありませんでしたが、PIN (Part Identification Number)という物品識別番号です。AA59487はCID (Commercial Item Description)と呼ばれるもの。民生品を調達する場合、軍の詳細な仕様書の代わりに簡易な仕様書が使われることがあり、その番号になります。

 ハイフンのあとの2はサイズで、CIDにサイズ表があって、2種類あるうちの大きい方を指しています。最後のSは、ケースが無垢の金属の場合で、金属板を箱型にしている場合は省略されます。Sなので鋼鉄の塊からの削り出しということがわかります。

 1EA.は1個入りという意味で、AMERICAN LOCK CRETE, IL 60417-2099は社名と住所。AMERICAN LOCKはブランド名なんですが、ここに書かれているということは、もしかしたら以前は別会社だったのかもしれません。MFD: 06/08はManufactured Dateで製造年月。2008年6月製造なのでもう10年も前ですね。

 外箱なんていらないんだけど、こうやって調べると何となく愛着が湧いて捨てにくくなっちゃいます。一応取っておこうかな。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

最新記事

ASCII.jpメール アキバマガジン

ピックアップ