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ポーラHD社長vs不正疑惑告発の元役員の争い、舞台は法廷へ

2018年04月09日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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株主総会は1700人超が参加したのに対し、口頭弁論の傍聴人は記者1人。法廷闘争はひっそりと始まった Photo by Masataka Tsuchimoto

 化粧品大手ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の定時株主総会が始まった3月27日午後1時半、同日同時刻に法廷闘争の火ぶたがひっそりと切られた。

 鈴木郷史HD社長の不正行為を告発したHD元取締役(3月27日で退任)らが民事裁判を起こし、東京地方裁判所601号法廷で第1回口頭弁論があったのだ。

 事の発端は元取締役が昨年末、HDのリスク管理業務委託先を通じて鈴木社長に退任を迫り、不正疑惑を告発したことにある。

 告発内容は2000年に急死したポーラグループ2代目社長の鈴木常司氏(当時会長)から、おいの鈴木社長への資産継承に関するもの。有力グループ会社の株式約69万株を1株1円で譲渡する契約書を、鈴木社長が常司氏の死後に捏造した、と指摘した。

 元取締役と委託先代表は1月、HD株を約35%持つ公益財団法人ポーラ美術振興財団の理事職を財団評議員会の決議で解任された。

 訴状などによると、解任理由は「口止め料として10億円以上の金銭支払いや後継社長就任を約束させる“確約書”にサインするよう迫ることで鈴木社長を恐喝、強要」し、関連して「理事としての権限乱用、忠実義務違反」を行ったこと。元取締役らは2月、「ぬれぎぬに基づいての解任で実体的に違法」などと主張して、解任決議の無効確認を求め、提訴した。

 被告の財団はHD筆頭株主であり、財団理事長は鈴木社長。第1回口頭弁論は、「告発した元取締役らvs鈴木社長」の民事訴訟が本格的に始まったことを意味する。

 財団側は解任決議に法令違反はないとして全面的に争う方針だ。

 財団側は、(1)元取締役が告発した株式譲渡契約書の「捏造」は「一切存在しない」、(2)元取締役らが「事態を内々に収めようとしたところ、財団理事長継続などを望む鈴木社長が作成を要望した」と主張する“確約書”については、「要求事項を書面にまとめて示すように伝えたのみ」と相いれない。

 (3)元取締役らは不正疑惑を告げて退任を迫った際に鈴木社長が「社長の座を退いたとしても、この問題はなくなりませんよね」などと発言したとするが、「確定的に社長を辞任する意思を示したことは一度もない」とかみ合わない。

不正疑惑も明らかに?

 訴えの趣旨はあくまで「理事解任の決議の無効を確認する」こと。だが、元取締役らは訴状の中で「株式譲渡契約書の捏造の告発」や「退任を迫った際の鈴木社長の発言」にも言及している。

 故に訴訟の流れ次第では、元取締役ら原告側が疑惑の新しい根拠を示したり、発言の一部始終を明らかにしたりする可能性がある。

 株主総会会場で鈴木社長は「司法の判断で決着する」と発言した。訴訟の終盤で行われる証人尋問では、鈴木社長の法廷入りが予想される。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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