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ソニー6年ぶり社長交代、次の「成長ドライバー」は何か

2018年02月15日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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平井社長(左)がサプライズ退任を表明し、「平井改革」を二人三脚で進めた吉田副社長が4月1日付で昇格する Photo:Bloomberg/gettyimages

「平井路線の継続が明確になった」。6年ぶりのソニーの社長交代について、関係者はそんな見方を示している。

 4月1日付で、平井一夫社長(57歳)に代わってトップに就任するのは、「不動のナンバー2」である副社長兼最高財務責任者(CFO)の吉田憲一郎氏(58歳)。

 平井社長は2012年4月、4年連続の最終赤字を計上したどん底で就任したが、2度目の中期経営計画の最終年度に当たる18年3月期は20年ぶりの営業最高益を計上する見通しだ。

「こうした好業績のときにバトンを渡すのが一番いい」というのが、平井社長が記者会見で語った退任の理由だった。昨年末には取締役会の指名委員会に退任の意向を伝え、吉田氏に後継を打診していたという。

 実際、吉田氏は平井社長にとって「右腕」以上の存在だ。社長就任当初はなかなか低迷から抜け出せずにいたが、業績回復のきっかけをつかんだのは吉田氏を子会社から抜てきしてからだった。

「ソニー変革を手伝ってほしい」。平井社長が、子会社のソネットの社長を務めていた吉田氏を呼び出したのは13年秋。ちょうどその年にソニーは上場企業だったソネットを完全子会社化したばかりだった。それまで「一国一城のあるじ」としてソネットの経営にやりがいを感じていた吉田氏は、一方的に完全子会社化を決めた平井社長に不平をぶつけていたが、思わぬオファーに「言いたいことは率直に言わせていただく」との条件を付けて、それを受けた。

 こうして吉田氏は同年12月にソニー本体に復職。以来、パソコン事業の売却、テレビ事業の分社化、スマートフォン事業の減損などの「平井改革」を支えてきた。

 ゲームと半導体がけん引する現行の中期計画は、吉田氏の構想が中心だ。17年3月期には映画事業の減損を断行し、今期の最高益につなげている。

何が成長ドライバーか

 吉田氏は、平井路線を受け継ぐというよりも、それをつくった張本人だ。だが、その路線で高収益を果たした今、次のビジョンが求められる。

 昨年5月にソニー社内で開かれた管理職会議で吉田氏は「これまではどうやって再生させるかという問題が大きかったが、今後は何を利益成長ドライバーにするかという問題に向き合わなければならない」との問題意識を示した。

 同時に吉田氏は、インターネットの時代にアップルやアマゾンに圧倒的な差をつけられたことを踏まえ、AI(人工知能)・ロボティクス分野でソニーの画像認識技術の強みを生かせと、檄を飛ばしたという。

 4月から始まる3カ年の中期計画では、吉田氏のビジョンが明らかになる。今後、新たな事業モデルを生み出すことができるかどうかが大きな課題になるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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