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アマゾンが「おせち」宅配に注力する理由、当日配達も実施

2017年11月28日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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重箱を積み重ねると高さが1mを超すアマゾンの「タワーおせち」 Photo by Hiroyuki Oya

 “日本一背の高い”おせち料理を、生鮮食品注文の起爆剤に──。

 米インターネット通販大手のアマゾンは、2018年正月用のおせち料理のラインアップを450種類へと拡大する。年末年始には一部地域の有料会員向けに最短1時間でおせちを配送するサービスも始め、顧客の取り込みを狙う。

「倒れやすいので、記念撮影をしたらすぐに並べてくださいね」

 11月15日、東京都内で開催されたアマゾンのおせち新商品の発表会。目玉として披露されたのは、重箱を21段積み上げた、高さ1.17メートルの「タワーおせち」だ。

 大阪市のおせちメーカー、ナカノモードエンタープライズが運営するおせち専門店「板前魂」と共に開発し、伊勢エビやアワビにカニ、トラフグの刺し身やローストビーフなど116品目を詰め込んだ。新年会など大人数のパーティーでの利用を想定し、10セット限定で20万円(税込み)で販売する。

 今回、ど派手なおせちを投入した理由の一つは、“インスタ映え”ニーズが高まっていることだ。アマゾンジャパン食品&飲料事業部の吉沢直大事業部長は、「見た目の良い商品を撮影し、(SNSなどで)発信したいというニーズに応えるような、華々しいおせちを企画したかった」とタワーおせちの狙いを語る。

日本橋三越のおせちも

 アマゾンによれば、おせちの売上高はキャンペーンを始めた13年と比べ、17年は6倍まで伸びた。売れ筋は1万~2万円台で、最近は少人数でも楽しめる商品に人気が集まっているという。

「おせちは新年の『食』の始まり。アマゾンで食品を買ってみようというきっかけをつくりたい」と吉沢部長は意気込みを語る。

 おせちのネット注文で気になるのは遅配などの問題。11年にグルーポンが問題を起こしたことで、消費者の不信感は根強い。

 アマゾンは遅配がないよう、大手物流業者と独自の物流網の二段構えで、万全を期す態勢だ。今年の予約サイトでは、配達日別に商品が並んでおり、「おせちは12月中旬までに注文するケースが多いので、配送量も事前に把握しやすい」(アマゾン関係者)。

 さらに、年末年始の当日配送では、独自の物流網をフル活用する。今年4月から始めた生鮮食品の配送サービス「アマゾンフレッシュ」や、最短1時間で商品が届く「プライムナウ」のために、アマゾンは物流業務を一括して請け負うサードパーティーロジスティクス企業と提携し、独自の物流網の構築を進めてきた。

 また新たに、アマゾンの物流拠点から日本橋三越本店でおせちをピックアップし、注文者の自宅へ届ける取り組みも始める。

 アマゾンのおせちが浸透すれば、百貨店やスーパーなどのリアル店舗の強みはまた一つ失われることになるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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