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kintoneのユーザーグループで他のコミュニティとも交わる

kintone Café Japanで金春さんが語る「コミュニティは成長エンジン」

2017年11月24日 07時00分更新

文● 重森大

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kintoneのユーザーグループであるkintone Café。その全国版が2016年に初めて開催されたkintone Cafe Japanだ。今回のkintone Cafe Japan 2017は、Cybozu Days東京開催の翌日、高円寺にあるヴァル研究所で催された。サイボウズ社オフィスで開催された第1回に比べて、よりユーザー中心の雰囲気が強く感じられるイベントになっていた。

アプリ作成なう。受付登録はもちろんkintoneで!

 開場よりやや早く会場入りしてしまった筆者。所定の時刻を待って受付場所へ向かってみた。

「受付、もう始まりますか?」

「いまkintoneで受付アプリを作っているのでしばらくお待ちください」

kintoneで受付アプリ作成なう

 簡単スピーディにアプリを開発できるのが、kintoneのいいところ。受付アプリもその場で作れちゃう!待つこと数分でアプリは完成。すぐに、受付担当者のPCで開けるようになっていて、「なるほどkintoneアプリは、作るのも、共有するのもこんなに早いのね」と実感した。準備不足を逆手に取る、新たなアピール手法だ。これは。

クロスコミュニティを感じてもらいたいと実行委員長のどりぃさんがあいさつ

 定刻を迎え、会場には実行委員長のどりぃさんこと池上 緑さんが登場。今日はマジメっぽい外見のどりぃさん。前回のkintone Caféと今回のkintone Caféの狙いの違いをまずは語った。2016年はkintone Caféの開催が100回を迎え、支部も増えて来たけれど、それぞれの支部のメンバー同士の交流の場がないというのが開催のきっかけになったとのこと。イベントの趣旨としても、全国のkintone Caféメンバーが一堂に会するということ自体が目的になっていた。しかし、第2回の実行委員長に立候補するに当たって、いろいろなコミュニティを知る機会にしたいとどりぃさんは考えたそうだ。テーマは、そのもの「コミュニティ」だ。

「私はkintone Cafeだけではなくいくつかのコミュニティに参加していて、それぞれの交流により生まれるメリットも知っています。今日は他のコミュニティからもスピーカーをお招きしているので、いろいろなコミュニティや製品を知るきっかけにしてください」(どりぃさん)

最初は「キモい」と思ったコミュニティに金春さんはハマっていった

 開会あいさつののち、同じ会場でセッションを担当したのはアールスリーインスティテュートの金春利幸さん。ご存じの通り、金春さんは主に2つのコミュニティで活動している。AWSのユーザーグループであるJAWS-UGとkintone Caféだ。

JAWS-UGとkintone Caféで活動する金春利幸さん

 JAWS-UGはIT系のユーザーコミュニティとしては異色と言っていいほど活動が活発で、支部は日本国内に50箇所以上、東京で開催されるJAWS DAYSには1500人以上が参加する。今回のkintone Café Japanの参加者が80名であることを考えると、約20倍のアクティブユーザーを抱える。ユーザーコミュニティのリファレンスモデルとも言われるゆえんだ。今でこそそんなJAWS-UGで名を馳せる金春さんだが、最初から積極的に参加していた訳ではなかった。

「2000年頃は、コミュニティにいいイメージを持っていませんでした。内輪ノリで盛り上がる業界団体という先入観があったんです。2010年頃にAWSを使い始め、進化スピードの速さから勉強会に参加し始めましたが、初期の印象は『やっぱりキモい』でした」(金春さん)

コミュニティの最初の印象はずばり「キモい」

 その印象が大きく変わったのは、登壇がきっかけだった。

コミュニティに参加することで金春さんに起こった大きな変化

 2012年に初めて発信側に立った金春さん。大したことは話していないと謙遜するが、情報発信を行なったことで皆に感謝されたという。登壇後や懇親会ではいろいろな人に話しかけられ、新しい考え方を知ることもできた。

登壇は感謝される。続けたらすごいメリットあるかも!

「感謝されるし、得られるものも大きい。キモいと思っていたけど、これは実は続けたらすごくメリットがあるんじゃないかと思いました。やるならやるで、振り切って全力でやった方がいいと思い、『呼ばれたらどこにでも行く宣言』をしたんです。そしたら、みんな本当に呼ぶんですよ、どこにでも」(金春さん)

 日本各地の勉強会で登壇経験を重ねる金春さん。積極的な登壇はいまも続けており、目標は勉強会登壇で47都道府県を制覇することだと言う。もっとも、ユーザーグループが実質的に休眠中のエリアなどもあり難しそうだが。

「登壇を続けていると、運営にも誘われるようになります。これはやってみるとわかるんですけど、イベント運営は本当に楽しいです。大人の文化祭ですから。それに、この年齢になって社外に友達を作るのは難しいけど、コミュニティの運営に携わると社外にも友達が増えます。日本中どこに行っても、誰かしら飲む相手がいます」(金春さん)

 2015年にはJAWS DAYSの実行委員長も務め、全国に散らばる実行委員とのリモートでのコラボレーション経験や、大規模なプロジェクトマネジメントの経験を積むことができたと語る。

JAWS DAYS 2015の実行委員長を務める

「仕事でこんな規模のプロジェクトを担当して失敗したら怒られるでしょ。でもコミュニティなら委員長だけが責められるなんてことはない訳です。失敗しても怒られないプロジェクトで、プロマネの経験を積めるので、みなさんぜひ運営に参加してください」(金春さん)

 JAWS DAYS 2015の直前2週間くらいは本業をすべて投げ出してイベント準備に奔走したというほど活躍した結果、ビジネスにどれだけの影響をもたらしたのかというと、これがあまり大きくなかったそうだ。そもそもAWSはインフラ寄りのテクノロジーであり、金春さんが所属するアールスリーインスティテュートはアプリケーションSIを中心とした事業を展開しているからだ。

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