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なぜ部下に指示しても、うまく伝わらないのか

2017年10月08日 06時00分更新

文● 松永美樹(ダイヤモンド・オンライン

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自分でも工夫して話しているつもりなのに、「部下にまっすぐ指示が伝わらない」「頼んだとおりにしてくれない」と悩んでいるマネジャーは多いと思います。コミュニケーションには、会話や文字などによる「verbal communication(言語的コミュニケーション)」と顔の表情や声の大きさ、視線、ジェスチャーなどによる「non-verbal communication(非言語的コミュニケーション)」があります。心理学者のアルバート・メラビアン博士によると、言語的コミュニケーションが伝える情報は全体のたった7%だそうです。けれどもビジネスの場では、メールや電話など言語的コミュニケーションに頼る機会が多いので、伝えたはずなのに伝わらない、という問題が生じてしまいます。では、言語的コミュニケーションの限界を認識したうえで、少しでも伝わりやすい話し方について考えてみましょう。(フリーライター 松永美樹)

一度に話す内容はひとつに絞ろう

 効率を重視し、関連することをまとめて伝えたいという思いから、一度にたくさんのことを会話に盛り込んではいないでしょうか。自分では工夫しているつもりでも重要なことが伝わらなかったり、内容が盛りだくさん過ぎて理解の範囲を超えていることもあります。「そのときに一番伝えたいこと」をひとつだけ話すことを心がけたいものです。

 話し方の順序も大切です。状況や理由から話し始めるとどうしても脱線しがちなので、まずは結論に当たる「伝えたいこと」を話すようにしましょう。状況や理由は、相手が「伝えたいこと」を受け取ったあとに追加すれば、理解しやすくなります。

 たとえば「取引先の〇〇商事は大切な取引先で、なぜかというと~~、担当者はせっかちで気が変わりやすいから~~、気を付けなければいけないのは~~、なのであまりお待たせしないように対応してほしい」では、部下はどうすればいいのか迷ってしまいます。

「とにかく最優先で早いレスポンスを心がけてほしい」と伝え、理由、注意点と続ければ的確に指示が伝わります。

 あれもこれも伝えたい思いを抑えるのは少々努力を要しますが、ここで欲張って盛りだくさんにして、結局なにも伝わらないのでは、意味がありません。

「短く」「リズムよく」「具体的に」を意識する

 相手に何かを伝えたいときには、「なるべく短くまとめ、リズムよく話す」ことを心がけると、話の焦点がはっきりしてきます。また、数字や時期をあいまいにせず具体的に示すようにしましましょう。

「短い」ことの利点はわかりやすいことです。一番伝えたいことを一言で伝えるために言葉を選ぶ過程で、伝えたいポイントがより絞られてきます。「リズムよく」話すことで、話のメリハリがつきます。目的は話すことではなく、相手の興味を引きつけ、飽きさせることなく最後まで聞かせることです。

 それと、極力「具体的」であることを心がけましょう。部下に指示する際、「できるだけ早く」ではなく「明日の何時までに」と具体的な数字を示すべきです。もちろん、そのためには期限や目標値を自分の責任において設定しなければなりません。

 頭に浮かぶままに話す方が楽なようですが、一度話せばきちんと指示が伝わるほうが効率的で、結果的には楽です。忙しい業務の中でこそ「具体的な指示を」「短く、リズムよく」伝えることを心がけると、話し方が変化してくるのがわかります。それと同時に、聞き返されることや、指示を出しなおすことが減ってくるのを実感できると思います。

伝わったかどうか、相手の表情を観察しよう

 相手がきちんと受け取ってくれてこその言葉ですから、話を伝えたあとの相手の表情に注目しましょう。指示を受けた部下が「なんだかあいまい」な顔をしてはいないでしょうか。話したいことを話したいタイミングですべて発信して「終了」ではなく、ここで相手が「指示をしっかり受けとめ理解した表情」になっているかをチェックしたいものです。

 そもそも、世代や立場、性質が異なる人に正確に意図を伝えることは難しいものなのです。

 思いをそのままぶつけるだけでなく、伝わりやすい話し方を工夫し、きちんと伝わったかをチェックするというプロセスを心がけていただきたいと思います。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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