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「工場夜景」ブーム再来か、ファン垂涎の新名所が遂に解禁

2017年09月13日 06時00分更新

文● 週刊ダイヤモンド編集部(ダイヤモンド・オンライン

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市政だよりでも、川崎市は工場夜景を大きく打ち出す。カレンダーは、卓上版の他に壁掛け版もある。2018年版は10月中の発売予定 Photo by Hitoshi Iketomi

 今では観光スポットとして世間で認知が進む“工場夜景”で、ある企業のお蔵出しが話題を独占している。

 工場夜景といえば、東京都心部では京浜工業地帯の美しさがよく知られている。その一部を成す、川崎市が公認・全面協力する「川崎工場夜景カレンダー」には、 “五大聖地”と呼ばれる川崎天然ガス発電、JXエネルギー、昭和電工、東亜石油、旧東燃ゼネラル石油における迫力ある構内撮影の写真が並ぶ。その2018年版に、6番目のプラントが加わる。

 その工場とは、化学品メーカーの日本触媒の川崎製造所(千鳥工場)で、1959年に開設された当時から敷地を二つに分断するような貨物列車の線路があることで有名な工場である。大阪に本社を置く独立系の日本触媒は、昭和30年代の大規模開発計画に手を挙げるのが遅れたことで、条件の悪い土地しか手に入れられなかった。だが、58年後の今では、近隣地区に3工場を展開している。

 千鳥工場の専用貨物線は、なかなか動く姿を見られないが、公道に面した一角は、写真撮影の絶景スポットとなった。なぜなら、夜間操業中のプラントの明かりに照らされる線路越しの景色が幻想的で、色鮮やかに映えるからだ。この名所を敷地内で撮影した写真などが、初めて世に出るのである。

信用が工場長を動かす

 実は、世の中で工場夜景が注目を浴びるきっかけをつくったのが、川崎臨海部を擁する川崎市だった。08年、観光資源開発の一環として、1日限定の夜景観賞ツアーを実施してみたところ、好評だったことを受け、老若男女が参加できる屋形船クルーズやバスツアーが定期的に企画されるようになった。

 この動きは、かつての公害問題や事故などによる悪いイメージの払拭に悩む全国の地方自治体を動かした。11年2月、川崎市で「第1回全国工場夜景サミット」が開催され、(1)北海道室蘭市、(2)神奈川県川崎市、(3)三重県四日市市、(4)福岡県北九州市の4都市が「四大工場夜景」を共同宣言した。その後、6都市が加わり、今では「十大工場夜景」に増えている。

 もっとも、そもそも危険な設備を動かす石油会社や化学会社などは、通常ならば、構内撮影を許可しない。日本触媒の関係者は「プラントというものは、“特許の塊”のような設備なので、部外者には見せない」と打ち明ける。

 ところが、川崎工場夜景カレンダーの企画・撮影・制作を続けるカメラマンの青木秀道氏は、こう振り返る。「大手新聞社の企画開発マンだった時代に工場夜景のカレンダーを制作するなど接点はあった。だが、工場関係者の信用を積み重ねたことが大きい」。

 その信用が日本触媒の工場長の気持ちを動かした。約20年前から断続的に続く工場夜景ブームだが、ここへ来て、再び盛り上がる兆しを見せている。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 池冨 仁)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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