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様々な形式のドキュメントから、美術・芸術作品まで検索・閲覧・分析可能に

岐阜大学、「Azure Cosmos DB」で学内の論文・ドキュメント検索システムを構築

2017年08月04日 07時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

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 岐阜大学は、マイクロソフトの「Azure Cosmos DB」や「Azure Data Lake Store」、検索機能「Azure Search」を使い、学内の研究論文や様々な形式のドキュメント、美術・芸術作品といった非構造化データを検索・閲覧・分析できるようにする「戦略的統合データベース」を構築した。8月3日に日本マイクロソフトが事例として発表した。

 岐阜大学ではこれまで、「ARIS-Gifu」というRDB(リレーショナルデータベース)を使って、学内の研究論文、知的財産、学生論文、社会活動、教員プロフィールなどを保存、活用してきた。しかしながら、ARIS-Gifuはデータの登録に手間がかかるため、教員の活用度が低かった。

 ARIS-Gifuに代わるシステムとして、岐阜大学は2016年度から「戦略的統合データベース」の構築をスタート。システム構築には富士通が手掛けた。

 戦略的統合データベースの構築プロジェクトは、大きく3段階で進行している。第1段階では、あらゆるデータをAzure Data Lake Store(HDFS互換のHadoopファイルシステム)とNoSQLデータベース「Azure Cosmos DB(旧Azure DocumentDB)」で管理し、そのデータを検索する仕組みとしてAzure Searchを活用。学外への論文開示やデータ分析には、マイクロソフトの「Power BI」や、外部の研究者向け無償サービス「Researchmap」など、さまざまなサービスが自由に活用できるシステム構成になっている。第1段階は、2016年12月に開発を開始してから3カ月でプロトタイプが完成した。

岐阜大学の「戦略的統合データベース」

 任意のデータをネイティブ形式でそのまま格納できるAzure Data Lake Store、およびNoSQLのAzure Cosmos DBで構築された戦略的統合データベースは、RDBとして設計されたARIS-Gifuのようにデータ構造を細かく定義する必要がないため、教員がデータ登録をする際の手間が低減される。

 プロジェクトは、2017年度の本格運用を第2段階として、第3段階となる2018年度には機械学習「Azure Machine Learning」や、AIサービス「Microsoft Cognitive Services」の活用を視野にいれる。

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