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「傷物語」の世界をキスショットとともにVR空間上で振り返る

自分の隣にキスショットが !「傷物語VR」の視聴イベント開催

2017年05月21日 16時00分更新

文● MOVIEW 清水 編集●南田ゴウ/ASCII編集部

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「傷物語VR」視聴イベントには抽選で選ばれた200名が参加した

 西尾維新原作の〈物語〉シリーズ。その始まりの物語となる「傷物語」が全三部作の映画「Ⅰ鉄血篇」「Ⅱ熱血篇」「Ⅲ冷血篇」として昨年から今年にかけて公開。その完結編となる「Ⅲ冷血篇」のBlu-ray/DVDが7月に発売されることを記念して開発された「傷物語VR」の視聴イベントが都内にて開催された。

 傷物語VRは面白法人カヤック、ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア、アニプレックスが共同開発した「PlayStation VR」向けコンテンツで、傷物語の主要人物であるキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードと一緒に映画を振り返るVRコンテンツとなっている。

「傷物語VR」に登場するキスショットは、ユーザーの横で話を一緒に「傷物語」を振り返る。

 傷物語VRは、建物の壁などに映像を映し出すプロジェクションマッピングが用いられている。その映像を映し出す対象が現実の建物ではなく、VR空間上に置かれているという点が異なるわけだが、固定されて動かない建物と違い、空間自体を変化させることができるVR空間では映像と空間の変化を組み合わせ、ダイナミックな映像表現が図れるのが大きな特徴だ。

 たとえば、実際のプロジェクションマッピングではできないようなスクリーンの大きさや数、形などの変化。さらに、雨を降らせてユーザーとスクリーンの間にVRならではの演出を施したり、その雨でできた水たまりに映像を反射させるような演出もできる。

 ところが人間の脳というのは、想定していないことを突然見せられても処理が追いつかず、どういうことを体験しているのかを理解できなかったりする。一種のパニック状態にと言えばいいだろうか。傷物語VRではそうしたことを踏まえ、教室にキスショットと並んで座り、目の前の映像を観始めるという形で段階を踏んで、徐々に新しい映像表現を受け入れられるように作られている。

まずは教室に座って映像を観るというシチュエーションからスタート

 この教室の最前列に座り、右の席にいるキスショットとともに傷物語を振り返る。中央部分は映像が始まると1000席クラスの劇場スクリーンのようなサイズに拡大され、その瞬間からその大きさに圧倒される。さらにスクリーンが分割されたり、連続で並べられたりといった表現のほか、雨の学校校庭や霧で煙る戦いの場に引き込まれたりする。

 大きなサイズのスクリーンや建物は、VR空間上に実際の大きさ・奥行きを設定し、そこへプロジェクションしているという演出方法が取られているため、目の前に本当にそれだけの広さや高さがあるように錯覚する。

「傷物語VR」で登場した、さまざまな映像表現や演出

 VR空間へのプロジェクションマッピングにおいて課題となるのは、ユーザーがどこを見ているかだろう。見る対象が正面にしかなければ、その部分で次の映像を流していけばいいが、360度空間である以上、あらゆるところでさまざなな演出がなされており、いろいろな方角の映像を楽しみたくなる。その場合、せっかく新しい映像を流したり新しい演出をしても、見てもらえない可能性がある。

 傷物語VRでは解決策として、音と映像演出で工夫がなされている。近くにあるもの、遠くにあるものという形で、その位置によって音を出して立体音響のような演出をしているのがそのひとつだ。最初の教室で、右横にいるキスショットが話しかけることによってユーザーの視線を右に向けさせたり、あるいは物が飛んでくる風切り音を左から右に流すことによって視線を誘導するといった手法が取られていた。

応募で選ばれた一般体験者の視線が……演出によって意図的に右に誘導される
どの体験者ももれなくキスショットを見るために右を向く

 また、映像演出で仕掛けを見逃さないようにしている場面も。雨の校庭でのバトルシーンを見入っていると、キスショットが差し出した傘が視界上部に入ってきたり、場面の切り替え時に画面全体がガラスのように割れて壊れるといった演出は、ユーザーがどこを向いていても発生して目に入る仕掛けだ。

「傷物語VR」を楽しむために装着する「PlayStation VR」とヘッドフォン

 このように、VRとプロジェクションマッピングを組み合わせながら、音やVRならではの演出を加え、目の前に、耳の中に、立体的で壮大な空間を生み出した傷物語VR。コンテンツの時間が6分ほどと少し短いのが残念だが、これらの技術の活用によって、これまでにない体験コンテンツが今後生み出されていくこと、そしてそれを手軽に楽しむことができるようになる、そんな予感を感じさせるVRコンテンツだった。


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