動体および報道向けを狙うハイエンドボディとして発表されたα9 ILCE-9(以下、α9)。既報のとおり、2017年5月13日よりソニーストア各店で先行展示が開始される。
それに先駆けて、ソニー・イメージング・プロ・サポート会員向けの内覧があったので、α9のインプレッションをお送りしよう。スペックなどについては、適宜触れているが、既報を参照してほしい。
デモ機は撮影データの持ち帰りがNGであり、本体およびファームウェアのチェックが可能だった。NGであるのは、最終調整の済んでいないバージョンなのでとのこと。
またセットされていたレンズは、α9と同時に発表されたSEL100400GM。これについては室内でのテストでなんともいえない部分があるので割愛するが、AF速度はとても良好とだけ触れておく。
α6500のフルサイズ版のようなファーストタッチ
α6500ユーザーに向けていえば、α6500のボディがα7系統になって、連写性能がマシマシになったで通じそうであるほど、α6500のフルサイズ版だ。
ファームウェアはα6500とα99IIの発展型を採用。シャッターボタンはα99IIのように丸みを帯びたボタンとなっており、ストロークのみ調整可能。調整段階については、α99IIと同様とのことだ。
操作はタッチパネルとマルチセレクター、コントロールホイール、各種ボタン。マルチセレクターを除けば、α6500と似た操作体系になる。マルチセレクターは項目の選択だけでなく、たとえばフレキシブルスポットの移動にも使える。α99IIでも実装されているものだが、レスポンスは圧倒的にα9のほうがいいと感じるだろう。処理性能の違いはもちろんあるのだが、入力のチェックが実用的になっていた。
α99Ⅱの場合、浅く斜めにいれた場合は、斜めの入力であると認識されてしまいがちで、とくにメニューの設定で強いストレスを覚えることが多くあった。これについては「ソニーの『α99II』と『SAL70200G2』でレースクイーン撮影会に参加した」で触れている。
それ対して、α9は明確に斜めに入力されない限りは(おそらく40~50度)、横か縦の入力として判定されやすく、メニュー選択にしてもフレキシブルスポットの移動についてもストレスのないものだった。
設定メニューについては、よく使う機能だけを表示するマイメニューや、一時的に異なる設定に変更する機能が追加され、操作性が増しているが、相変わらず全体で見ると検索性は劣悪。なのだが、11個のカスタムボタンやマイメニューによく使用する設定を割り振っていくと、気にならなくなりそうだ。この点は、α7第2世代からの発展と思って触れるといいだろう。納得のいく部分が多いハズ。いままで以上に他人が触ると操作に困るカスタムが可能だ。
