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LGBT、外国人、障がい者に企業トップは率先して向き合うべきだ 株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役 兼 CEO 大野順也氏に訊く

2017年04月21日 06時00分更新

文● オリイジン編集部(ダイヤモンド・オンライン

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LGBT・外国人・女性雇用促進…企業のダイバーシティへの取り組みが注目されている。しかし、大手人材派遣会社の調査では、取り組みに積極的とは言えない企業がまだまだ多数だ。多くの企業のコンサルティングを行っている人事系コンサル、(株)アクティブ アンド カンパニーの大野順也代表取締役社長兼CEOに、その現状と今後を訊いた。(聞き手/オリイジン編集部)

――企業の経営戦略、人事戦略として、10年ほど前から「ダイバーシティ」が注目されています。人材コンサルティングの専門家として、どのように見ていらっしゃいますか?

 そもそも日本は島国なので、欧米企業ほど従業員の人種や国籍、宗教の違いが問題になっていたわけではありません。

 日本企業で「ダイバーシティ」と言うと、これまで、まずは女性の社会進出にフォーカスし、結婚・出産・育児をどう支援するかという対応が中心でした。

 もちろん、女性の社会進出も当初は大変だったと思います。

 男性中心の企業社会で、女性は結婚したら家庭に入るのが普通であり、仕事を続けるとしてもパートが一般的でした。それを人材派遣やテンポラリーワークのような労働形態で崩していき、現在では、結婚、出産を経ても普通に正社員として働けるようになっています。女性の社会進出は、日本企業における多様性の受け入れの成功事例と言えるかもしれません。

 最近は、障がい者や外国人、LGBTなどの人たちについても雇用環境、就業環境についての枠組みを行政が整え、民間企業も新しい試みに挑戦したり、ビジネスにしたり、いろいろと取り組んでいる事例も多く見受けられます。

外国人、障がい者、LGBT…
企業はどう向き合うべきか?

おおの・じゅんや/株式会社アクティブ アンド カンパニー 代表取締役社長 兼 CEO。1974年、兵庫県出身。「躍動感溢れる未来を創造する」組織活性化に特化した人事コンサルティングサービスを提供する株式会社アクティブ アンド カンパニー代表。大学卒業後、株式会社パソナ(現パソナグループ)で営業を経験後、営業推進、営業企画部門を歴任し、同社関連会社の立ち上げなども手がける。後に、トーマツコンサルティング株式会社(現デロイト・トーマツコンサルティング株式会社)にて、組織・人事戦略コンサルティングに従事。2006年、株式会社アクティブ アンド カンパニー創立・設立。アクティブ アンド カンパニーグループ代表を務める。著書に『タレントマネジメント概論』(ダイヤモンド社)がある。

――職場における労働者の多様性が広がっていくと、マネジメントの問題も出てくるのではないでしょうか?

 もちろん、職場の多様性が増すと、マネジメントが複雑になるという面はあると思います。

 日本企業では、これまで、部門ごとに管理職がいてメンバーをコントロールするという組織構造が一般的でした。そういう組織では、マネジメントもメンバーをどう引っ張って、枠からはみ出さないようにコントロールするかが重視されてきました。

 しかし、最近は多様性の受け入れとともに、むしろメンバーの能力を引き出し、その活躍と成長をサポートするようなリーダーシップが求められるようになっています。それは組織マネジメントの複雑化というより、当事者である社員一人ひとりの気持ちをどれだけ理解できるかという問題です。

 もちろん、すべてのメンバーの考えや気持ちが本当に分かるかと言えば、それは難しいです。しかし、分からないなりに、新しいマネジメントの仕組みを作ったり、日々一緒に働いてみると、こういうふうにやればいいんだというのが分かってくる。

 企業として経済合理性の発想がベースにあるとしても、馴れてくれば受け入れられるし、当り前になってきます。まず、女性がそうでしたが、次は外国人や障がい者、LGBTだったりするでしょう。

多様性に対する企業の
メッセージが必要な時代

――これからの日本の企業における人材マネジメントはどう変遷していくと思われますか?

 いまはまだ、ビジネスは会社単位で動いているのですが、いずれ、そこで働いている個人のタレント性が顧客から評価され、そこにフォーカスが当たるようになるのではないかと考えます。

 例えば、X社で働いているAさんのスキルや能力が一種のブランドになると、他社からもAさんに仕事をしてほしい、サービスを受けたいといったオファーが来るような世界です。実際、海外ではリンクトインが普及していて、個人のビジネススキルや経歴が簡単に分かるようになっています。プロジェクト単位であれば、いろいろなメンバーがその都度集まるわけで、外国人か障がい者かLGBTかといったことより、必要なスキルと経験や仕事に対するモチベーションのほうがずっと重要です。

 もうひとつ、これからの時代に大事なのは、多様性に対する企業としてのメッセージです。「うちはこういう会社だ」ということを、トップの言葉できちんと伝える。欧米の多様性は、民族や宗教間の殺し合いにまで発展しかねない奥深さがありますが、日本の多様性はそこまで重くない分、ハードルは高くありません。トイレとか更衣室の問題ぐらいは何とでもなるレベルです。トップの考え方ひとつでどんどん変わっていくはずですし、また、変わっていくべきだと思います。

※本稿は、インクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン(Oriijin)」の掲載記事を転載したものです。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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