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特別企画@プログラミング+第19回

Twitterのライバル出現か? 4月28日、会場は内田洋行 ユビキタス協創広場 CANVASにて。

【定員拡大&会場変更しました】マストドン (Mastodon) がネットを変える可能性を、いま語らずしていつ語らう!

2017年04月21日 18時20分更新

文● 遠藤諭(角川アスキー総合研究所)

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ソーシャルメディアの構造を完全に図示するのは難しい(図の受信者を意識しないも原則)。ここでは、密なコミュニケーション(実線)やフォロー(点線)、マストドンに関してはインスタンスと連合の関係についてのみ図示してみた。

【イベント情報更新】会場変更・追加登壇者情報

 本記事にて告知しておりましたイベントに関し、想定以上の参加ご応募をいただきました。これに対応するため、会場を変更して、定員を120名に拡大いたします。また、追加登壇者も決定いたしましたので、併せてご案内いたします。最新の開催概要は下記のとおりです。

イベント開催概要

  • タイトル
    マストドン会議 -- その無限の可能性を、いま語らずしていつ語らう!
    ~コミュニティもマーケティングも揺るがすTwitterのライバル出現~
  • 日時:2017年4月28日(金)19:00~21:45(18:30受付開始、懇親会含む)
  • 会場内田洋行 ユビキタス協創広場 CANVAS 地下1階(東京都中央区新川2-4-7)
  • 登壇者(50音順、敬称略)
    • isidai(石森 大貴)
      ゲヒルン株式会社 代表取締役
    • 清水 亮
      株式会社UEI 代表取締役社長兼CEO
    • 津田 大介
      ジャーナリスト/メディア・アクティビスト
    • ぬるかる (nullkal)
      mstdn.jp インスタンス運用者
    • 鷲北 賢
      さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所所長
  • 司会:遠藤 諭(角川アスキー総合研究所)
  • 主催:株式会社角川アスキー総合研究所
  • 共催:株式会社内田洋行
  • 参加費:3500円(税込)
    ※懇親会費用を含みます。なお未成年の参加もあるため、アルコールの提供はいたしません。
  • 募集人数120
  • 参加登録コチラから!(Peatixの予約ページに遷移します)
    ==>http://lab-kadokawa24.peatix.com/

ソーシャルメディアがネットを動かしている。だから注目すべき

 ネットが来て、当時米副大統領だったアル・ゴアが、情報スーパーハイウェイ構想をブチあげた、1990年代の前半。EC(コマース)やサプライチェーンマネジメント、CALSやデータマイニング、オフショアやバーチャルユニバーシティなどが来ると言われた(そして、ひとつずつ形になっていった)。しかし、ソーシャルメディアのパワーについての議論は目立たなかった。

 ところが、いま世界をドライブしている重要なメカニズムのひとつは、ソーシャルネットワークであり、ソーシャルメディアなのは間違いない。

 先週、『Twitterのライバル? 実は、新しい「マストドン」(Mastodon)とは!』(http://ascii.jp/elem/000/001/465/1465842/)という記事を、この『プログラミング+』のコラムで書いた。海外のネットデジタル系サイトは、この種の新サービスを応援する傾向が強いので、すでに主要サイトが次々に記事にしていたのもあったからだ。

 マストドンの詳しい使い方や内容については、その後、いろんなサイトやブログにまとめられているからそちらを読んでいただくのが早いかもしれない。ユーザーからみると、ポイントは次のようなことだ。

  • 基本的な使い方はTwitterに似たミニブログである
  • 「Tweet」(さえずる)ではなく「Toot」(吠える)
  • ひとつの吠え(トゥート)で500文字まで書ける
  • フォロー、リツイート(ブースト)などの仕組みもある
  • CW(読む前の注意)など独自の工夫もある
  • オープンソースで誰でもサーバー(インスタンス)を立てられる
  • リモートフォローで他のインスタンスのユーザーもフォローできる
  • インスタンスはそれによって「連合」(Federated)していく
  • ウェブ画面はTweetDeckに似ている
  • Twitterに似たタイムライン(ホーム)のほか、ローカルと連合のカラムがある
  • 日本でも、mstdn.jpなどが立ち上がっている
  • Pixivが、pawoo.netをいち早く立ち上げた
  • キラキラッター再現みたいな興味深い例も出てきている

 技術的には、OStatusという分散型ミニブログのオープン標準を使っており、それは、GNU Socialというやはりオープンソースによる分散したミニブログで使われているものだそうだ。思想的にオープンソースであり、自由に立ち上げることができることで、マストドンのトップページで語られているとおり、その中のやりとりが1つの会社に独占されることを防ぐことができる。この紀元前数千年も前にいた大型ほ乳類の名前のついたソーシャルメディアは、インターネットの根本的な属性というスケールの議論なのかもしれない。

ネットを部分的にでも原始に返すのか?

 ちなみに、前述のこのコラムを書いた段階では、mastodon.xyzにあるインスタンスリストに351のサーバーが掲載されていたが、この記事を書いている一週間ほど後の現在、1000以上のサーバーとなっている。会員数は約36万人と、大ブレークしそうな雰囲気が出てきている。ここで見落とせないのは、とくに日本のサーバーやユーザーが増えているということだ。どうやら、マストドンというのは我々の問題であるともいえる。

 なんといっても、マストドンは、いまのユーザーに受け入れられつつあることがポイントだ。それは、商用から遠ざかるという意味において、ネットを原始に返すとでもいうようなイメージもある。それでいて、まったく別の組織や個人が立ち上げたインスタンスが繋がる構造や、連合のコラムに何が表示されるかといった概念も興味深い(インスタンスが知っている他インスタンスのアカウントのトゥートが表示)。これは、いかにもマーケティングやビジネスやコンテンツの世界でも意味を持ちそうな中身を含んでいる。組織が、メールサーバーのようにマストドンを立ち上げるようになる可能性だってある。

 マストドンに着目して、具体的な活動をされているキーマンに集まっていただき、この新しいソーシャルメディアの可能性と活用法について語っていただきたいと思う。そして、課題には何があり、どのようにしてクリアされうるのか? あるいはそうではないのか? それは、ネットのこれからについて考えるまたとない機会にもなると思う。

マストドンの作者自身によるインスタンス『mastodon.social』は、新規登録できない状態が断続的に続いている。

4月28日、東京【内田洋行 ユビキタス協創広場 CANVAS】にて『マストドン会議』開催!

 いまから7年前、ちょうどTwitterが日本でブレークしはじめた頃、私は、『Twitterはコミュニケーション革命なんかじゃない』(http://ascii.jp/elem/000/000/488/488259/)という記事を書いた。アスキー総研(当時)で『Twitter利用実態調査』を行って、そのレポート自体がTwitterを介してよく売れた直後に書いた記事だ。それは、その報告書で表現し切れなかったソーシャルメディアの可能性について触れたつもりのものだった。

 Twitterのリツイート時に生ずる"ノイズ"という、従来の通信・コミュニケーションでは"害"だったはずのものが、世界を動かすエネルギーになり創造性につながっているのに驚いたからだ。それは、ちょっとしたサービス設計の違いで、誰も予想しなかったような価値が生じうるというソーシャルメディアの凄さだった。ネットとは、技術的な背景や知識だけを並べても肝心なことが見えてはこない、生身の人間の脳やその集まりとの組み合わせによるシステムのことなのだ。

 さくらインターネットの取締役社長の田中邦裕さんは、「いまネット業界を震撼させているのは、マストドンによるSNSの生まれ変わりへの希望ではないでしょうか」と書かれている(http://tanaka.sakura.ad.jp/2017/04/mastodon-north-korea-internet.html)。また、UEIの清水亮社長は「[mastodon]できない理由を考えるより、ここからなにが始まるか考えたほうが人生楽しくないかな」と書いていた(http://d.hatena.ne.jp/shi3z/20170417/1492378331)。ネットの価値は、いくらでも新しくなれることではないかとも思える。

 ということで、4月28日(金)に『マストドン会議』というものを開催させてもらうことにしたので、ぜひ多くの人に集まっていただきたい。ちなみに、私もmstdn.jpにアカウントを作ってみた(@hortense667@mstdn.jpである)。

登壇者プロフィール(50音順、敬称略)

isidai(石森大貴)

ゲヒルン株式会社 代表取締役、さくらインターネット フェロー、セキュリティ・キャンプ実施協議会顧問・企画実行委員。小学6年(2002年)から自宅サーバでレンタルサーバサービスの提供をはじめる。2010年に情報セキュリティ会社を設立し現職。2010年よりTwitter上で防災情報の投稿する @UN_NERV を運用。東日本大震災で被災したのを機に総務省や気象庁と接続して情報の正確性を強化し現在は40万フォロワーを超える。脆弱性診断事業、インフラサービス事業、防災事業を主軸に活動中。2017年4月16日にOStatus(マストドン)で防災情報を配信する unnerv.jp を開設した。

清水 亮

株式会社UEI代表取締役社長兼CEO。新潟県長岡市生まれ。6歳の頃からプログラミングを始め、21歳より米Microsoftで上級エンジニアとした活動後、99年、ドワンゴに参画。'03年より独立し、現職。'05年独立行政法人IPAより天才プログラマーとして認定される。近年は深層学習を活用した人工知能の開発を専門に行う。著書として「よくわかる人工知能 (KADOKAWA)」。17年より東京大学先端科学技術研究センター客員研究員。

津田 大介

ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。ポリタス編集長。早稲田大学文学学術院教授。大阪経済大学情報社会学部客員教授。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。メディア、ジャーナリズム、IT・ネットサービス、コンテンツビジネス、著作権問題などを専門分野に執筆活動を行う。ソーシャルメディアを利用した新しいジャーナリズムをさまざまな形で実践。主な著書に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)、『情報の呼吸法』(朝日出版社)、『Twitter社会論』(洋泉社新書)、『未来型サバイバル音楽論』(中公新書ラクレ)ほか。

ぬるかる (nullkal)

Mastodonのインスタンス(サーバー)として、世界最多の登録ユーザー数を誇る mstdn.jp を個人で立ち上げ、運用している。

鷲北 賢

さくらインターネット株式会社 さくらインターネット研究所所長。1998年、創業まもない頃にさくらインターネットの前身会社に入社、サービス開発と運用、データセンター構築、取締役兼CTOなどを担当。現在はさくらのクラウド開発チームのシニアプロデューサーを兼務。

遠藤 諭(司会)

株式会社角川アスキー総合研究所 取締役主席研究員。月刊アスキー編集長などを経て、2013年より現職。著書に『ソーシャルネイティブの時代』、『計算機屋かく戦えり』など。画像は、昨年4月にbohemia氏がディープラーニングで生成してくれたもの。

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