HPEの“ProLiant史上最小”サーバー、TM200はどんな可能性を開くのか 第2回
これまでにない新機軸サーバーが実現するソリューション、そのアイデアをブレストするの巻
超小型サーバー「HPE TM200」をどう使う? アスキー編集部が考えてみた
2017年05月23日 09時00分更新
インテル® Xeon® プロセッサー
D-1500 製品ファミリー搭載
HPE ProLiant Thin Micro TM200
日本ヒューレット・パッカード(HPE)が今年3月に発売した「HPE ProLiant Thin Micro TM200」。第1回記事で紹介したとおり、どこにでも設置できる超小型/薄型の本体に、本格的なサーバー性能を詰め込んだマシンだ。さまざまなソリューションを実現する可能性のあるこのTM200を、アスキー編集部員ならどう使うだろうか? 編集部でブレーンストーミングしてみた。
■出席者(下写真、左から)
〇大谷イビサ:エンタープライズIT担当。クラウド大好きおじさん
〇ガチ鈴木:スタートアップ担当。IoTガジェット大好きおじさん
〇南田ゴウ:コンシューマーIT担当。PC/スマホ大好きおじさん
〇大塚昭彦(司会):ビジネスIT担当。サーバー大好きおじさん
まずはTM200のファーストインプレッションから
―― というわけで、じゃーん。HPEからTM200の実物が届きましたよ。サイズは25センチ角、薄さ5センチです。ほら、片手で軽々持てます(ヒョイ)。
鈴木:おっ、たしかに小さい。
大谷:ノートPCと並べてもそんなに変わらないね。サーバーなのにコンパクトさが際立つ。
――本体は小さいんですが、4コア/8コアのXeon®プロセッサや最大64GBのメモリが載って、WAN/LAN用の2つのネットワークポート、あとリモート管理機能(iLO 4)なんかも付いてます。電源は外付けのACアダプターです。
大谷:昔から“業務用の省スペースサーバー”というジャンルはあったけど、これまでの製品はフルスペックのサーバーを実現しようとしていたので、ここまでは小さくできなかった。逆にもっと小さい、手のひらサイズのサーバーになると、ロースペックなプロセッサやメモリしか載っていなくて、そちらはログサーバーのような単純な用途にしか使えなかった。
TM200の重要なポイントは、Xeon®が載っていて、ふつうのサーバーワークロードがちゃんとこなせるスペックを備えつつ、ほかの部分は割り切ってサイズをコンパクトにしている点だよね。PCIeスロットなどを省いて「拡張性は低いけど、そのぶんこれだけ小さくしました」というタイプのサーバーは、意外となかった気がする。
マルチコアプロセッサや大容量メモリが載っていて、Windows ServerやRed Hat Enterprise Linux、VMware vSphereなんかが動くので、ふつうの業務アプリがそのまま使える。それが偉大なところじゃないかな。実際、8コアもあればかなりのことができるはず。
――標準的なx86サーバーとして、サーバーOSや業務アプリがそのまま動くのはポイントでしょうねえ。
南田:これまでデスクトップPCで妥協しながら業務アプリを動かしてたオフィスや店舗にも、ちゃんとしたサーバーが入れられるわけですね。しかも、ふつうのデスクトップPCよりも小さいスペースに。
鈴木:スタートアップのオフィスは大抵狭いスペースなので、ローカルにサーバーが欲しい場合にはいいでしょうね。「三畳一間で起業しました」みたいなスタートアップがこれを置いて、その場でガシガシ新しいプロダクトを開発する、プロダクトの検証データを蓄積していく、みたいなイメージで。
これからはサーバーをモバイルする時代!(かもしれない)
――さて、この新しいマシン、TM200の使い方をみんなで考えてみてほしいというのが、HPEからのリクエストなんです。
大谷:たしかに今までにないタイプのサーバーなので、製品だけ見せても「どう使うのがいいのかわからん」という反応はあるかもね。
――わざわざアスキー編集部を指名している時点で、真面目なアイデアよりも少々ふざけたぶっ飛んだアイデアが期待されている気もしますが……。
南田:僕がぱっと思いついたのは「動画のエンコードマシン」。アスキー編集部でもよくやってますけど、動画配信って社内のスタジオだけじゃなくて、イベント会場のような出先からやることが多いじゃないですか。
たとえば僕が「ニコニコ超会議」の会場取材に行って、デジタル一眼カメラで4K動画を撮影する。一刻も早くそれをエンコードして、サーバーに載せて公開したい。だけど、きれいな画質でアップするために、きちんとツーパスでエンコードしたい。そんなときに、このTM200が手元にあれば活躍するんじゃないかと。プレスルームで、有り余るプロセッサパワーをぶん回す(笑)。
――ははは。このサイズなら、そういう現場に持ち出すのもラクですね。
大谷:外の現場に持ち出して使うとしたら、電源だけがネックかなあ。逆に言えば、電源が取れる場所だったらどこでも使える。
南田:そこで、僕からソリューションのご提案なんですが。こうやってAC電源が取れる大容量バッテリと組み合わせてカバンに入れると、ほら、どこでも使える“モバイルサーバー”が完成しますよと。
全員:(笑)
――サーバーを背負って歩きながら運用できる……あまりおすすめはしませんが(笑)。「本格的なサーバーが持ち運べる」という意味では、展示会やセミナーでデモ環境が必要になる場面って多いじゃないですか。そういう場所に持ち込むのにもいいでしょうね。
鈴木:いいですね。スタートアップイベントのピッチ(プレゼンテーション)でよくあるのが、いよいよデモ披露だ、というときにネット接続が切れてデモができなくなる事故。講演者は青ざめて固まり、会場には微妙な空気が流れる……。
そういうイベント会場や展示会場なんかのネット環境は、必ずしもパーフェクトではないですからね。デモ環境としてサーバーを持ち込めたら安心でしょう。カバンに入るサイズなので、重要な取引先が相手の、失敗できないプレゼンにもぜひこれを(笑)。
大谷:VMware環境が動くので、クラウドから仮想マシンイメージを持ってくれば、すぐにデモ環境が立ち上がるよね。
南田:ハンズオンのセミナーでも、受講者用の環境が簡単にセットアップできますね。TM200上に用意された仮想マシンに、受講者が自分のPCからネットワーク接続して操作するようなイメージ。セミナーが終わったら、仮想環境をリセットすればすぐに次のセミナーが準備できますし。
――なるほど、モバイルサーバーって意外と需要がありそうですね。
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