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HPEの“ProLiant史上最小”サーバー、TM200はどんな可能性を開くのか第3回

超小型のHPE ProLiant TM200は「サーバーらしくない」からこそ「売りやすい」?

パートナーは「HPE TM200」の魅力をどう見る? 製品担当が聞く

2017年05月31日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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インテル® Xeon® プロセッサー
D-1500 製品ファミリー搭載
HPE ProLiant Thin Micro TM200




松尾商店 代表取締役の松尾修一氏、日本ヒューレット・パッカード データセンター・ハイブリッドクラウド事業統括 データセンター・ハイブリッドクラウド製品統括本部 サーバー製品本部の前田裕貴

 日本ヒューレット・パッカード(HPE)が今年3月に発売した超小型/薄型x86サーバー「HPE ProLiant Thin Micro TM200」。本連載の第1回でも触れたとおり、HPEでは国内のソフトウェアベンダーやシステムインテグレーターと共同で「TM200ソリューションコミュニティ」を立ち上げた。パートナー各社の強みを生かした、簡単に導入できる多彩なTM200ソリューションを展開するためだ。

 それでは、ソリューションパートナーの視点から見たTM200の可能性や魅力とは、一体どんなところにあるのだろうか。連載最終回は、TM200ソリューションパートナーとしていち早く「Ekran on TM200」アプライアンスを提供開始した松尾商店 代表取締役の松尾修一氏に、HPEでTM200の製品マーケティングを担当する前田裕貴が聞いた。(文・構成:大塚昭彦/TECH.ASCII.jp)

「HPE ProLiant Thin Micro TM200」は超小型/薄型のx86サーバーだ

実績のあるセキュリティ製品をTM200でアプライアンス化、安価に提供

HPE 前田:松尾さんとは以前、TM200ソリューションコミュニティの懇親会でお話させていただいたことがありますが、あらためて松尾商店とはどんな会社か、ご紹介いただけますか。

松尾商店 松尾氏:「松尾商店」というIT業界には珍しい漢字だらけの社名を掲げてますが、創業5年目のベンチャー企業です。自称“ITよろず屋”として、お客様が抱えるITインフラ課題をワンストップで、迅速に解決することを目標に掲げています。

 独自ソリューションの開発からインテグレーションまで幅広く手がけていますが、特徴的なのは、国内外を問わず優れた技術を発掘してきて「ニッチなポイントを突くソリューション」を作っていくという立ち位置でしょうか。大手ベンダーさんがあまり目を向けない課題に目を向ける、と言いますか(笑)。そういう立ち位置なので、会社としては小さいですが、取引先には大手企業も多数いらっしゃいます。

前田:HPEがTM200を国内発表したのは3月9日ですが、松尾商店さんではその直後の3月23日に「Ekran(エクラン) on TM200」を発表、提供開始されました。まず、この「EKRAN System」というのはどんな製品ですか。

松尾氏:簡単に言えば、業務PCの画面やキー入力などをすべて“録画”する、内部不正防止のためのセキュリティ製品です。従業員が使うPCにエージェントソフトを入れておけば、PCを起動してからシャットダウンするまでの間、すべての操作内容がEkranサーバーに収集、記録されます。IT管理者は、この操作記録をWebインタフェースから参照できます。

 録画された画面を見ればどんな操作をしたかは一目瞭然ですし、操作内容やアクセス先URLなどはキーワード検索することもできるようになっています。もちろん、1台のEkranサーバーで、社内にある多数のPCを一元的に監視することが可能です。

EKRAN Systemの監視/管理画面。社内PCの操作をすべて録画し、管理者が必要に応じて再生できるので、社内不正の防止に役立つ

前田:なるほど。情報漏洩事件は、従業員による内部不正が原因になるケースが多いと言われてますからね。

松尾氏:そうなんです。内部不正防止のために「USBメモリの使用を禁止する」「送信メールをチェックする」といったセキュリティ製品もありますが、操作画面を録画するEKRAN Systemならば、たとえば「個人情報リストを印刷して持ち出す」や「銀行振込処理の際に振込先を書き換える」といった、見つけにくい不正操作の証拠まで残ります。そもそも「監視している」と従業員に伝えることで、事件が起きる前の不正抑止にもつながります。

 同種の製品は以前からあったのですが、“ひと声数千万円”と非常に高額であることがネックとなって、中堅中小企業ではとても導入できませんでした。しかし、近年ではマイナンバーや個人情報の取り扱いに関する法規制も進んでいて、中小規模のお客様でも、こうした仕組みを導入したいという声は高まっています。そこで松尾商店では、それを安価に実現するソリューションを用意しようと考えたわけです。

 EKRAN Systemはもともとハンガリーの製品ですが、2年前から当社が日本市場でのディストリビューターとなり、日本にて販売してきました。国内実績はすでに50社弱ほどあります。

前田:実績のあるEKRAN SystemをTM200に載せて、より手軽に導入できるようアプライアンス化したのが、今回リリースされた「Ekran on TM200」というわけですね。このアプライアンスが対象とするのは、どのくらいの規模の企業なんでしょうか。

松尾氏:監視対象のPC台数ごとに、タイプA(PC10台)、タイプB(PC30台)、タイプC(PC50台)をラインアップしています。タイプA(PC10台)の場合、TM200のハードウェア込み、5年間のサポート込みで90万円(税抜)という価格です。

前田:えっ、安い! セキュリティ製品としてはかなり安いですよね。その価格ならば、中小規模の企業や部門でも導入しやすいと思います。

松尾氏:中小企業のお客様だけでなく、まずはマイナンバーや個人情報、経理関係の情報を取り扱う部門だけでEKRAN Systemを導入したいというケースにも、ちょうど良いサイズだと思います。EKRAN Systemはスケーラブルなので、スモールスタートして、将来的に規模を拡大していくこともできます。

「サーバーらしくない」TM200だからこそ「売りやすい」理由とは

前田:さて、ここからはTM200について、ソリューションパートナーの視点からどう見ていらっしゃるのかをうかがいたいのですが。そもそも、松尾さんがTM200について知ったきっかけは何だったのでしょうか。

松尾氏:実は、TM200が発表される前に、EKRAN Systemを「MicroServer」(HPE ProLiantシリーズの小型サーバー)に載せたパッケージを開発していたんです。……こちらはあまり売れませんでしたが(笑)。

 そうしたご縁もあって、HPEの営業担当さんとは定期的に情報交換をしていました。そして今年の1月、2月ごろに「松尾さん、今度こういう新しいサーバーが出るよ」と紹介されたのが、TM200だったんです。これは面白そうだと思い、すぐに検証機をお借りしました。まだ製品発表前のことですね。

前田:実際にTM200を手にされてみて、第一印象はどうでしたか?

松尾氏:届いた箱を開けて、まずは「えっ、これがサーバー?」と。とにかく小さくてびっくりしました。あと、外観がスタイリッシュな点も印象的でした。とても「サーバーらしくないな」と思いましたね。

前田:製品担当として、アピールポイントのひとつに「スタイリッシュさ」を挙げて強調してきたので、そこをご評価いただけてうれしいです(笑)。見た目でも使い方でも、これまでの固定観念をくつがえすようなサーバーになることを期待しているんです。

松尾氏:販売パートナー(リセラー)さんも、「これならば売りやすい」と評価してくださってますね。EKRAN Systemは企業向けの高度なセキュリティ機能を提供する製品ですが、本体はこの小さなボックスなんですと紹介したら、お客様も「えっ、これが?」と驚くでしょう。見た目と中身とのギャップ、インパクトがあれば、お客様の興味も引きやすいはずです。

前田:なるほど。見た目のインパクトがあれば、現場での営業トークも盛り上がる、と(笑)。

松尾氏:それから、オールインワン型のアプライアンス商材なので「売りやすい」という意味もあります。システム構築に何週間、何カ月もかかるとなると、導入コストが膨れ上がってしまいます。「Ekran on TM200」ならば、このボックスを設置して電源とネットワークをつなげばすぐに使えますから、お客様も買いやすい、販売パートナーさんも売りやすいでしょう。日本市場では、まだまだ“ハコモノ文化”が根強いですしね。

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