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ハイブリッド環境における物理/仮想ネットワークの統合管理パッケージソリューション開発へ

ネットワンが「SD-HCI」推進でヴイエムウェア、アリスタと提携

2017年04月10日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ネットワンシステムズは4月5日、アリスタネットワークスとヴイエムウェアとの戦略的提携に基づくクラウドネットワークソリューションを、7月から販売すると発表した。プライベートクラウド(物理/仮想)ネットワーク、マルチクラウド閉域網接続、SD-WANを単一のポリシーで統合管理するソリューションを開発、提供していく。

(左から)発表会に出席した米アリスタネットワークス グローバルオペレーションズ&マーケティング担当 上級副社長のマーク・フォス氏、ネットワンシステムズ 執行役員の篠浦文彦氏、ネットワンコネクト 代表執行役社長の平川慎二氏、ヴイエムウェア ソリューションビジネス本部 本部長の小林泰子氏

ネットワンの「SD-HCI」ソフトウェアパッケージ。プライベートクラウドネットワーク構築、パブリッククラウド連携、SD-WAN、セキュリティ、可視化(テレメトリ)などの機能モジュールで構成される

 今回のソリューションは、今年1月に発表された3社の戦略提携に基づき開発、提供されるもの。ネットワンではこの提携発表後の3月に、クラウド基盤ソフトウェアを開発する100%子会社「ネットワンコネクト」を設立しており、アリスタ、ヴイエムウェアの両社もアドバイザリーボードに参画している。

 ソリューションのコアコンポーネントとなるのは、ネットワンコネクトが開発するソフトウェアパッケージ「SD-HCI(Software-Defined Hyper Converged Infrastructure)」だ。これは、アリスタの仮想ネットワークソフト「Arista vEOS」、ネットワーク管理ソフト「Arista Cloud Vision」、ヴイエムウェアの「VMware NSX」などを構成要素として包含し、それらの技術が実現するオーバーレイ/アンダーレイネットワークをつなぎ合わせて、統合管理できるようにするソフトウェアとなる。

 加えて将来的には、ネットワンが提供中のマルチクラウド接続サービス「クラウドHUB」や拠点間SD-WANサービスなども連携/統合するほか、アクセス制御などの「セキュリティ機能」、クラウドネットワーク全体におよぶ「可視化(テレメトリ)機能」も提供していく方針。

 SD-HCIはモジュール構成になっており、上述した機能群は順次、段階的に開発を進めていく。また、ネットワンコネクトによるハードウェア事前検証結果も提供していく予定で、たとえば「どのハードウェアなら導入が早いか」といったこともアドバイスできるようにするという。

 ネットワンでは、こうした製品を提供することで、オンプレミスデータセンターからパブリッククラウドまでの幅広いネットワークを一元的に管理できるソリューションを実現していく狙い。大規模企業、官公庁、自治体、データセンター事業者を主要な販売ターゲットとしている。

 「現在、世の中で“HCI”と言われている製品は、プライベートクラウド環境の中でソフトウェアとハードウェアをパッケージしたもの。一方、ネットワンの考えるSD-HCIは、プライベートクラウドという小さな領域にとどまらず、顧客が(パブリッククラウドも含む)クラウドシステム全体を構築、運用しやすいプラットフォームを提供するためのもの」(ネットワン 篠浦氏)

「SD-HCI」をコアとしたネットワークソリューションの概要

 SD-HCIの第1フェーズとして、7月から提供を開始するのはプライベートクラウドネットワーク構築ソリューションとなる。ソフトウェアライセンスの価格は2000万円から(税抜)としており、初年度25億円の売上を目標に掲げている。

 なお、今回のネットワークソリューションに関する3社間の戦略連携は排他的なものではない。したがって、将来的にはSD-HCIプラットフォームが、アリスタやヴイエムウェア以外の仮想ネットワーク技術などにも対応していく可能性はあるようだ。

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