競争力のある製品になりそうなNaplesの性能
内部構造に関する推定はこのあたりにしておき、最後に性能に関する評価をしよう。現状、Naplesに関しては動作周波数やTDPは公開されていないが、Naplesの発表にあたっては、インテルの「Xeon E5-2699A V4」を比較対象として、構造計算を実施するデモ3種類が行なわれた。
まずは約10億(厳密には9億9123万2千:500×1408×1408)グリッドの3次元構造計算を行なうというもので、Xeonが3.621秒、Naplesが1.769秒という結果になっている。
次は条件は同じだが、NaplesはDDR4-2400を使ったデモになっている。実はXeonの方はメモリー容量を稼ぐため、チャンネルあたり3枚のDDR4-1866 LRDIMMを搭載しており、最初のテストではNaplesもこれにあわせた形だ。ただNaplesはチャネルあたり2枚の代わりにDDR4-2400まで公式サポートしており、これを利用するとさらに性能差が広がることになる。
3つ目はグリッドの数を約40億(39億6492万8000:2000×1408×1408)にしたもので、この場合Xeonはメモリーを使い切ってしまい、エラーで処理が終了するのに対し、Naplesではきちんと処理が終わっていることが示されている。
今のところ示されたのはこの3つの結果だけなので、これが一般的にどこまで通用する結果か、というのはまた別の話になるわけだが、確かにこれでNaplesがそれなりの競争力のある製品になりそうということだけは明確に言える。
おそらく価格付けもRyzenの時と同様に、競合製品よりもやや安いあたりを狙ってくるものと思われる。このNaples、最初の出荷(おそらく特定パートナー向け)は今年第2四半期中、量産出荷は今年後半になるとされており、COMPUTEXあたりのタイムフレームではさまざまなマザーボードメーカーがNaples対応マザーを参考出品するものと思われる。
そんなわけでジサトラ イッペイ氏には、是非Naples貯金も始めていただきたとお願いする次第である。
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