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自動車や航空機の軽金属材料にも代替する可能性

産総研、耐熱性と強度に優れたスーパーエンジニアリングプラスチックを開発

2016年11月07日 15時48分更新

文● 行正和義 編集●ASCII.jp

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左がPEEK単体、右がPEEK/SGCNT(5wt%)複合材料の射出成形品

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)は11月7日、カーボンナノチューブを加えることで、世界最高水準の耐熱性能や機械強度を持つスーパーエンジニアリングプラスチック「PEEK/SGCNT複合材料」を開発したと発表した。

 エンジニアリングプラスチックは各種家電や情報機器の筐体にも利用されているが、とくに100度以上の耐熱性や強度(曲げ強度や耐摩耗性)を持つ素材を「スーパーエンジニアリングプラスチック」と呼ぶ。産総研では、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のプロジェクトとして、スーパーエンジニアリングプラスチックのさらなる高機能化、とくに耐熱性を向上させた樹脂の開発を行なっていた。

左:一定温度下での重量変化率(重量減少率は100%で完全気化)、右:PEEKおよびPEEK/SGCNT複合材料の引張強度と曲げ強度 

 今回開発した樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)にスーパーグロース法で作製した単層カーボンナノチューブ(SGCNT)を加えた樹脂。450度という世界最高水準の耐熱性を持つとともに、従来のスーパーエンジニアリングプラスチックに比べて曲げ強度にして約1.8倍という機械強度を達成。

 また、PEEK/SGCNT複合材料は射出成形での製造に向いておらず、これまでダイカスト(鋳造)やプレス成形で行なうのが一般的だったのに対し、新たに開発した材料は射出成形が可能なため、製造の手間が少なく量産に適している。これまでにない耐熱性・機械強度・量産向きであることから、軽量化が求められる自動車部材や航空宇宙産業での利用に期待できるという。

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