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20回の走行データから走るべきところ/避けるべきところを学習

NVIDIA、ディープラーニングによる自動運転デモ動画を公開

2016年10月03日 14時56分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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木や草の茂みがみっしりとした道路も手放しで走る「BB8」

 NVIDIAは9月28日、自動運転のデモ動画を公開した。

 NVIDIAは自律走行車の研究開発を進めており、とくに車が周囲の状況を認識するために不可欠なニューラルネット(ディープラーニング)分野で同社の得意とする画像処理やマルチコアプロセッサー技術を活用している。ハードウェアとしても同社GPUの技術を活かした車載用コンピューター「NVIDIA DRIVE PX 2」をリリースするなど、ハード面/ソフト面ともに自律運転車研究では一線を走っている企業と言える。

 同社ではこれまでにも自律運転デモを何度か公開しているが、新たに「BB8」と名付けられた自律運転車では、物体検出やマッピング、ルートプランニングといったプログラムを行なわず、単に人間の運転を覚え込ませるという手法を用いている。

工事中でパイロンが立っている道もしっかり走る

 さまざまな企業が開発を進めている自律運転車だが、GPSやマップ、可視光カメラに加えてミリ波レーダー、レーザーレーダーなどさまざまなセンサーやデータを用いるのが一般的だ。NVIDIAが進めているアプローチは他社のものとはやや異なり、基本的なカメラによる映像を用い、人間による運転を学習することで走るべきルートや避けるべき物体などをディープラーニングすることに比重を置いているようだ。デモ動画では、三角コーンで作られた蛇行車線も路肩に茂みがある道もスムーズに走っているシーンが紹介されているが、これらは人間の運転20回から学習したものだという。

 可視光カメラをメインにするにしろ、多種多様なセンサーを用いるにせよ、自律自動車の「プログラミング」はひとつひとつの運転シーンとその対応を設けるわけではなく、人間の運転から学ぶことになると考えられ、この種のディープラーニング技術は一層重要になりそうだ。

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