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マイクロソフト・トゥディ 第201回

観光・医療・災害に向けたリアルタイム翻訳サービス研究開発

2016年07月25日 10時00分更新

文● 大河原克行、編集●ハイサイ比嘉

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Microsoft Translatorを活用

 一方、日本マイクロソフトでは、「機械学習を繰り返すことで翻訳の精度を高められる。そのためには、大量のデータを収集する必要があるが、このプロジェクトを通じて、データの収集面でも効果を見込め、それを機械学習に活用できる。Microsoft Translatorにおける日本語翻訳の精度を高められると考えている」(日本マイクロソフトの榊原彰最高技術責任者)とする。

 日本語を正確に英語に翻訳できるようになると、そこからの様々な言語への広がりが期待できる。

 マイクロソフトが提供するMicrosoft Translatorでは、一度英語に翻訳されたものは、日本語を含めて50言語に変換できる。日本を訪れた外国人のほとんどに、母国語で情報を提供できるようになるからだ。

 すでに、ブロードバンドタワーでは、宮崎県や福岡市と実証実験について話し合いが始まっており、さらには、大手旅行代理店との連携も開始されることになりそうだという。

将来は、映画・ドラマ字幕の自動翻訳への応用も想定

 この技術が実用化されると、リアルタイムでの翻訳が可能になり、サイトに掲載されたニュースなどもリアルタイムで翻訳し、母国語で見られる環境が整う。また、観光事業者などがいつでも簡単に翻訳したパンフレットを作成できるほか、デジタルサイネージなどへの応用も可能だ。

AIを活用したテキスト解析によるインバウンド促進

 将来的にはこの技術を使って、映画やドラマの字幕の自動翻訳などにも応用することを想定しているほか、異なる母国語同士で対話ができる環境にまで高めていくという。

 ブロードバンドタワーの藤原洋会長兼社長は、6000万人の観光客が日本を訪れると、4000万台のクルマを輸出したのと同じ経済効果をもたらすという数字を示しながら、「日本は魅力的な国であることを発信していく基盤を作る一助になる。この翻訳サービスは、日本経済の構造転換、地方創生にも役立つ」と語る。

 翻訳サービスは、外国人観光客の利便性を高めることにつながるのは確かで、なおかつそれが、日本の経済の活性化につながる基盤にもなるというわけだ。


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