このページの本文へ

短期集中連載:せきぐちあいみのVR特捜最前線 第1回

VRの聖地!? お台場VR ZONE Project i Canに行ってきた(1)

VRで恐怖体験!人気美人YouTuberが潜入!絶叫してきたよ

2016年07月16日 18時00分更新

文● せきぐちあいみ、R教授

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 
 2016年はバーチャルリアリティ元年が到来!!
 ということでソニーのPlayStation VRの発売を10月に控えていたり、Oculus RiftやHTC Viveの一般出荷開始などで話題が尽きないVR分野。テクノロジー大好きな僕らの知的欲求を満たすべく、VR体験がいかなるものか?その最新情報をせきぐちあいみ(肩書き:人気美人YouTuber)の体当たりで追いかけていく新連載「せきぐちあいみのVR特捜最前線」がスタート!
 第1回はお台場ダイバーシティにオープンして以来、予約殺到中というバンダイナムコの超人気施設、「VR ZONE Project i Can」のドタバタ突撃レポートだ!

えっ「VR ZONE Project i Can」ってこんなトコだったの?

 「こんなものが怖いわけない!と思ったのに……」

ウワッ!なに?なに?なに?怖い!怖いよー!えっ?死体?ゾンビ?

 っていうかなんで私、こんな目に遭ってるんだっけ?週末はカップルがデートに来るオシャレなデートスポットで、私ってなんで中年男性2人とこんなとこにいるんだっけ?……ああもう!あいつのせいだ。あいつの!あの変態博士のせいで私はこんな目に……

……数日前 あれは、そう。R博士の研究室に行ったときのことだった。

あいみ 「うーん、最近いろんなところでVRが流行ってるって聞くんだけど、そんなに面白いのかなあ」

R博士 「ムムッ!?あいみちゃん、VRに興味があるのかい?」

あいみ 「あ、博士。VRって面白いんですか?」

R博士 「当然じゃとも。そもそもVRってなんの略だか知っているかな?」

あいみ 「えー、それくらい知ってますよ。バーチャルリアリティの略ですよね?」

R博士 「正解。じゃあ、バーチャルリアリティってどういうことかな?」

あいみ 「うーん。仮想の現実ってことじゃないんですか?」

R博士 「ブブー。大間違いじゃ。バーチャルを”仮想”と訳したのは誤訳だということはよく知られている。バーチャルという言葉の本当の意味は、”本質的に”ということなんじゃ。そして、リアリティは形容詞であり、名詞ではない。従って、本質的な現実感、というのがバーチャルリアリティの本当の意味なんじゃよ」

あいみ 「えー、でも、もういろんな人が仮想現実のことをVRだと思っていますよ」

R博士 「まあ……うん。そ、そういう用語だと言えば間違いとは言い切れない。このあたりは専門家の間でも意見の別れるところじゃな」

あいみ 「でも実際、VRって面白いんですか?もしかしたら、YoutubeもいずれVRに対応したりとか?」

R博士 「何を言ってるんじゃ。既にYouTubeは360度パノラマのVR配信に対応しとるぞ。YouTuberとして勉強不足なんじゃないかの」

あいみ 「あ、そっか。そういえば私もリコーのシータっていうカメラで撮影したパノラマ映像をアップしたことあるなあ」

R博士 「まだVRは黎明期じゃが、YouTuberがVRで番組を作る時代もすぐやってくるじゃろうな」

あいみ 「じゃあ私もVRをもっと勉強してみよっかな。目指せ、人気美人VR YouTuber!」

R博士 「自分で人気とか美人とか言ってしまうんじゃな……」

あいみ 「だって誰も言ってくれないし……あれ?でも目指すのはいいとして、VRってどうやったらいいんだろう?そもそもVRって何?どうすればいいの?うーーん、博士、お願い!私にVRを教えて下さい!」

R博士 「仕方ないなあ。よし、VRは実際に体験してみないとなにもわからんものじゃからな。それじゃあ体験しに行ってみるのじゃよ」

お台場に出現したVRの聖地「VR ZONE Project i Can」

あいみ 「博士。ここはどこですか?」

R博士 「ここはお台場じゃよ」

あいみ 「それは見ればわかりますよ。ゆりかもめで来たんだから。私が聞いてるのは、なんでお台場に来たのかってことですよ」

R博士 「お台場にはVRの聖地があるんじゃよ」

あいみ 「VRの聖地!?」

R博士 「ここじゃ」

あいみ 「なんですかこのオシャレなスポーツジムみたいな空間は!?」

R博士 「ホッホッホ。ここがいま日本で一番アツいVRスポット、VR ZONE Project i Canなのじゃよ。バンダイナムコエンターテインメントが開発した6つのオリジナルVRアクティビティが体験できるんじゃ」

あいみ 「6つ……多いのか少ないのかわからないですね」

イトー 「R博士、チィーッス」

R博士 「おお、来たなイトーくん。こちら、あいみちゃんじゃよ」

あいみ 「あ、初めまして。人気美人YouTuberのせきぐちあいみです!」

イトー 「自分で自分を美人って言う人に初めて会いましたよ」

あいみ 「誰も言ってくれないんで……」

R博士 「今日はイトーくんに頼んで、VR ZONE Project i Canを取材するというテイにしてもらったよ。その方がなにかと便利じゃからな」

イトー 「博士ー、僕もう新人じゃなくて編集長代理っすよー、下っ端みたいに使うのは勘弁してくださいよー」

あいみ 「イトーさんも大変なんですね」

R博士 「さあ、まずは高所体験をやってみようかの」

イトー 「……(聞いてない)……」

あいみ 「高所体験?私、高いところダメなんですけど……」

R博士 「大丈夫じゃ。ほら、みてごらん」

あいみ 「あ、なんだ。ぜんぜん高くないですね。というか、仰々しい仕掛けの割には、なんか全体的に材料費安くないですか?経費削減してませんか?」

イトー 「んー……(苦笑)」

R博士 「ホッホッホ。見た目に騙されてはいかんぞ。これぞ最先端のVRなんじゃよ」

あいみ 「ほんとかなあ……。まあ高所恐怖症の私でも、これなら楽勝ですね」

R博士 「……さあ、とりあえずやってごらん」

あいみ 「頭にディスプレイを装着するんですね」

R博士 「ヘッドマウントディスプレイ、通常HMDと呼ぶものじゃよ」

あいみ 「両手にもセンサーのようなものをつけて、靴にも仕掛けがありますね」

R博士 「それは手の動きと足の動きを検出する光学トラッカーじゃな」

あいみ 「それじゃあやってみます。あ、エレベーターですね」

R博士 「このエレベーターで一気に地上200メートルまで上がるんじゃよ」

あいみ 「面白い!ほんとうにエレベーターに乗ってるみたい」

R博士 「VRの面白いところは、身体が動いていなくても、映像に没入することで本当に重力が働いているんじゃないかと錯覚を起こすところなんじゃ。流れていく映像をみていると、本当にエレベーターに乗ってるような重力を感じるじゃろ?」

あいみ 「ほんとですね。不思議ー」

R博士 「さて、そろそろ到着の時間じゃ」

あいみ 「エレベーターのドアが開きますね……・キャァアアア!!!怖い!!」

R博士 「どうじゃ?エレベーターのドアが開いた瞬間、風を感じたじゃろ。扇風機の風じゃが、VR空間に没入していると本当にビルの屋上に出たような錯覚があるんじゃ。個人的にはもっと下からブワッと風が吹いた方がいいと思うんじゃが」

イトー 「こらこら」

あいみ 「えーーーーっ、どうしよう!怖い!動けません博士」

R博士 「その板を渡って、あの子猫を助けるのじゃ」

あいみ 「えーーーーっ!!!無理です!!無理無理」

R博士 「ゆっくり、一歩ずついけば大丈夫じゃよ」

あいみ 「信じられない、めちゃくちゃ怖いんですけど」

R博士 「ゆっくり、子猫に近づいていって、掴むのじゃ」

あいみ 「怖すぎるんですけど」

R博士 「VRの面白いところは、外から見てるとぜんぜん怖くないものを本気で怖がる様をみてるときじゃなあ。ここから見てるとどこが怖いのか全然伝わってこないんじゃ」

イトー 「ほんとですねえ」

あいみ 「博士、この怖さ半端じゃ無いですよ。わわわっ!!揺れる!!無理なんですけど!」

R博士 「ほら、もうすぐじゃぞ」

あいみ 「四つん這いになってもいいですか?」

R博士 「もう少しだから頑張るのじゃ……もっと、こう、お尻を突き出して!」

イトー 「こらこら博士!」

あいみ 「うう、怖い……あ、届いた。子猫ちゃん!」

R博士 「……チッ、もう届いたか……」

イトー 「博士?」

R博士 「ようし、そのままエレベーターに戻るんじゃ」

あいみ 「うん、そーっと……・え?……え?……キャァァァ!!」

R博士 「どうじゃった?」

あいみ 「怖かったですよー!!」

R博士 「VRがどういうものかよくわかったじゃろう?人は視覚に頼って生きているから、視覚を全て奪われて、架空の映像のなかに没入すると、本来はない感覚まで支配されているように感じるのじゃ」

あいみ 「これ凄いですね。今までやってみたVRと全然違います」

R博士 「この施設ではhtc社のViveというVRシステムを採用しているんじゃ。Viveはルームスケール、つまり実際にVR空間の中を歩いて移動したりできるように設計されているので、臨場感も数倍に増すんじゃ」

あいみ 「映像と体験が完全にリンクしてて、本当に怖かったです。VRって凄いんですね」

R博士 「ホッホッホ。そしたら次は、もっとエロい……あ、いや、もっと過激なVRに挑戦してもらおうかの」

イトー 「博士、目的変わってきてませんか?」

あいみ 「次はなんですか?」

R博士 「それはやってのお楽しみじゃよ」

イトー 「こ、これは……」

R博士 「複数のユーザで同時に体験できる非常に珍しいVRコンテンツ、脱出病棟Ωじゃよ」

あいみ 「こ、これ、いわゆるホラーってやつじゃないですか?……ってホラーって書いてあるし。わたし怖いのダメなんです!」

R博士 「いいからそこに座るんじゃよ。VRの真髄を知りたければ」

あいみ 「えー!無理です。ほんとに!あと別に真髄とか知りたくないし」

R博士 「心配しなくても大丈夫じゃ。イトーくんも一緒だから」

イトー 「ええっ!僕ですか!?」

あいみ 「イトーさんって、タモツって名前だったんですね」

R博士 「いいからそこに座るんじゃ」

あいみ 「既にもう怖いんですけど……」

R博士 「さ、始めるんじゃ」

イトー 「あれ?博士はやんないの?」

あいみ 「そうですよ。博士も一緒に体験するんじゃないんですか?」

R博士 「見ての通り二人ぶんしか席がないのじゃ。ではスタート」

あいみ 「えっ……なにここ・・病院?」

イトー 「あいみちゃん、どこ?」

あいみ 「ここです。見えますか?」

イトー 「あ、いたいた。へー。こうやって一緒に冒険できるんだ」

あいみ 「これなら安心ですね」

イトー 「って、うわわああぁぁぁぁぁぁぁぁ」

あいみ 「なんか来たぁぁぁぁ」

イトー 「ギャアァァァァァァ」

あいみ 「もう無理!!無理です博士!!」

※文章では怖さが伝わらないので、こちらの動画を御覧ください

R博士 「ホッホッホッ。泣き叫ぶ美女はいいのう」

あいみ 「博士のスケベ!変態!」

イトー 「博士ー!なんで僕まで怖い思いをする羽目になってるんですか」

あいみ 「わたし、初対面なのに途中からタモツさん呼び捨てにしちゃいましたよ」

R博士 「ホッホッホッ。いや、ワシもたっぷり楽しませてもらったぞ」

イトー 「博士の変態趣味に付き合わせないでくださいよ」

あいみ 「ほんとに怖かったですよー、もう」

R博士 「楽しんでもらえたようでなによりじゃ」

イトー 「これ、吊り橋効果で相手のことを好きになっちゃうやつですよ」

あいみ 「本当。絶対デートで来るべきですよ」

R博士 「それじゃあ開発者の田宮さんにお話しを聞いて見るんじゃよ」

あいみ 「初めまして。人気美人YouTuberのせきぐちあいみです」

田宮 「ははは。VR ZONE Project i Canの企画を担当しております田宮です」

イトー 「すみませんね、自分で美人って言っちゃうんですよ」

あいみ 「凄いですね。これまで体験したどのVRとも違って真に迫る迫力がありました」

田宮 「ありがとうございます」

イトー 「連日超満員の大人気スポットになってるそうですね。どんなお客さんが多いんですか?」

田宮 「私達もなにぶん手探りの中で始めたんですが、最初はVRに詳しい人とかゲームに詳しい人とかが中心になるんじゃないかと思っていたんです。ところがそれは初日だけで、あとは普通に家族連れとか、カップルとかがデートに使う、という感じになっていますね」

あいみ 「絶対にデートにいいですよ!好きになっちゃいます」

イトー 「家族で来ても絶対楽しいだろうな。高所恐怖SHOWは、外から見ていても面白いですね」

田宮 「そうなんですよ。実は最初は、仕掛けをカーテンの向こう側に隠そうという構想だったんです。ところが社内でテストをしているうちに、数人の仲間連れで来て、怖がってるのを写真を撮ったりゲラゲラ笑ったりしているのを見て、実はVRは体験してる人だけじゃなく、見てる人も楽しいんだ、ということが分かったんですね。それで敢えて最初から仕掛けを見せることにしたんです」

R博士 「左様。VRは完全に世界に没入する感覚が強いのじゃ。だから体験するのもVRなら、体験してる様を眺めるのもまたVRの楽しみ方なんじゃな」

あいみ 「脱出病棟は本当に怖くて挫けそうになりました」

田宮 「あれはもう、本当にとことんまで怖いものを作ってやろうと思ってハリキリましたね。ものすごく怖いので、ホラーが苦手な人はやらないでくださいって一応注意書きがあるんですが」

あいみ 「博士ーーーわたしホラー苦手だって言ったじゃないですか」

イトー 「やってるときは気づかなかったけど、あいみちゃんが怖がってるのを博士は笑って見てたよね。ときどき笑い声とシャッター音が聞こえたもん」

R博士 「ホッホッホ。眼福眼福」

田宮 「脱出病棟は複数プレイヤーに対応した唯一のVRで、最大4人までのグループで一緒に体験できるようになってるんです」

イトー 「え、この2つのブースってつながってるんですか?」

田宮 「そうです。席が2つずつ2ブースで最大四人です」

あいみ 「博士、席が2つしかないって言ってたじゃないですか」

R博士 「ワシも怖いのは苦手なんじゃよ」

イトー 「ひどい。ひどすぎる」

あいみ 「じゃあ私が怖がってる間、ずっと私を見てたんですか?」

R博士 「ホッホッホ」

あいみ 「……変態」

イトー 「チクショー、そっちの方が役得だったのか」

R博士 「ところで田宮さん、ここは時間制と聞いているのじゃが……」

あいみ 「あ、話そらした」

田宮 「そうですね。だいたい90分の入れ替え制です。効率的に回れば、6つ全部が体験できるようになっています」

イトー 「ひとつのVR体験はだいたい7分くらいでしたよね」

田宮 「そうです。でも、高所恐怖SHOWや脱出病棟Ωのように人気のあるコンテンツは行列ができてしまうので、効率的に回るといいですね」

あいみ 「デートスポットとしてはとても魅力的な場所ですね」

イトー 「でも一ヶ月先まで予約で一杯とか?夏休みは混むだろうなあ」

R博士 「しかも10月中旬までの期間限定なんじゃよ」

あいみ 「ええっ!じゃあもう一回体験したかったら早く予約しないといけないんですか」

イトー 「いやー、家族で来たいなあ」

田宮 「ぜひご家族で体験してください」

R博士 「そのためにはまず予約じゃよ。合言葉は”さあ、取り乱せ。”じゃよ」

本当に取り乱してしまったあいみん、次回は電車と巨大ロボットが……(続く)

(C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ