AMDが2016年のE3会場において発表した新世代のGPUアーキテクチャー“Polaris 10”を使用した最初のGPU「Radeon RX 480」(以下、RX 480)が販売解禁となった。
Radeonのアーキテクチャーは2013年末に投入された初代GCN(いわゆるGCN 1.0)のRadeon HD 7970以降、直近のFury XやR9 Nanoに至るまで28nmプロセスを維持。細かい改善を積み重ねてはいたものの、ワットパフォーマンス面ではライバルNVIDIAの第2世代MaxwellやPascalアーキテクチャーの製品に大きな差をつけられていた。
しかしPolarisアーキテクチャーでは一挙に14nm FinFETプロセスを採用。NVIDIAのPascalは16nm FinFETプロセスなので、微細度においてはライバルをわずかに追い抜いた。
Polaris世代の製品は迷えるVR難民を導く“北極星”になることを強くアピールし、さらにRX 480の2枚差し(約500ドル)でGeForce GTX 1080(699ドル)を凌駕すると大々的にアピールしたことでRX 480は高い感心を集めた。
RX 480(および未発売のRX470/460)はビデオカードユーザーの中で8割以上を占める100ドル~300ドルクラスのミドルクラス市場がターゲット。これはHD7000シリーズやGTX 500シリーズといった旧世代GPUで頑張っているユーザー必見の製品なのだ。
今回はRX 480のリファレンスカードを試す機会に恵まれた。果たしてRX 480はPCゲーマーを約束の地へ導く極星となれるのだろうか? ベンチマークを交えて検証してみたい。
この連載の記事
-
第460回
自作PC
Arc B570でもRTX 4060/RX 7600は超えられるのか? ゲーム10本で検証 -
第459回
自作PC
Arc B570が4万円台半ばで発売、性能はRTX 4060やRX 7600対抗の本命か【速報検証】 -
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? - この連載の一覧へ