このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 5 次へ

最新パーツ性能チェック ― 第198回

「Radeon RX 470/RX 460」はミドルクラスGPUの選択肢を変えられるか?

2016年08月14日 12時00分更新

文● 加藤 勝明 編集●北村/ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2016年8月4日、第4世代GCN(Polaris 10)ベースの新たなミドルクラスGPU「Radeon RX 470」が販売解禁。続く8月8日には廉価版であるPolaris 11ベースのGPU「RX 460」の販売が相次いで解禁となった。

RX 470はリファレンスカードがないため、MSI製のOC版カード「RX 470 GAMING X 8G」をお借りした。VRAM 8GB搭載に加え高品質なクーラーを搭載するぶん、実売価格は3万3000円前後と、RX 480のリファレンスモデルより高価になっているRX 460もリファレンスがないためSapphire製のOC版「SAPPHIRE NITRO RX 460 4GD5」を試用した。4GBのGDDR5メモリーを搭載したOC版だ。実売価格は1万8000円前後となる

 ハイエンドから攻めるNVIDIAに対し、AMDはRX 480からミドルレンジに向けて攻める戦略を採用している。RX 480以下のGPUは、一度ビデオカード(PC)を買ったら数年は買い換えない層がターゲットだ。安価で高性能なGPUを求めていたゲーマーにとっては非常に注目度の高いGPUであることは間違いない。

 発売から少々日にちが経過してしまったが、MSI製のRX 470搭載カード「RX 470 GAMING X 8G」およびSapphire製のRX 460カード「SAPPHIRE NITRO RX 460 4GD5」をテストできた。

 果たしてRX 480の弟分は、価格に敏感なゲーマーの心を動かし、ミドルクラスGPU選択を変える実力を備えているのだろうか? ベンチマークを交えつつ検証してみたい。

AMDによるRX 460~480の位置づけ。RX 460が描画の軽いeスポーツ系ゲーム向け、RX 470がHDゲーミング、そしてRX 480がWQHDゲーミングおよびVR用と位置づけている

RX 400シリーズのスペックの違いは?

 最初にRX 470/460と既存のGPUとの相違点を押さえておこう。スペックは以下のとおりだが、RX 470およびRX 460にはリファレンスカードが存在しないため、実際の製品における動作クロックはその製品ごとに異なる。

「GPU-Z」でRX 470 GAMING X 8Gの情報をチェック。同社製のOCツール「MSI GAMING APP」を導入すればブーストクロック1254MHz(OCモード設定)となるが、今回はカードの素の性能を見るために導入していない「GPU-Z」によるSAPPHIRE NITRO RX 460 4GD5の情報

R9 380Xの世代違いともいえるRX 470

 RX 470とRX 480の違いはSPの数と動作クロックの差でしかない。RX 480が36CPU(Conpute Unit:SP64基のクラスター)なのに対しRX 470が32CPUなので、CU数ベースで12%程度のスペックダウンといえる。

 SP数を減らしたモデルでは往々にしてクロックを上げて上位モデルとのバランスをとることがあるが、RX 470はクロックもSP数も減っているという点に注目したい。

 そしてRX 470のスペックは、第2世代GCN(Tonga)のR9 380Xと共通点が多い点にも注目だ。第4世代GCN(Polaris 10)ではL2キャッシュの増量、色圧縮機能やAsync Computeまわりの強化、さらにHDMI2.0対応やワットパフォーマンス改善等、様々な改善・機能追加が盛り込まれている。

 特に第4世代GCNにおけるL2キャッシュの量(2MB)は、第3世代のそれ(512KB)に比べ圧倒的であり、クロックの高さとの相乗効果で相当なパフォーマンスアップが期待できる。ちなみに第4世代GCNについては、RX 480レビュー記事で解説しているので、気になる人はそちらをご覧いただきたい。

 今回テストしたMSI製RX 470カードに目を向けると、耐久性や安定性を強く意識した基板設計、発光機能付きの大型クーラーなどの“MSIらしい”手慣れた感じの設計だが、HDMI出力が2系統もある点に注目したい。

 ViveなどのVRHMD(ヘッドマウントディスプレー)を使う場合、従来のビデオカードではHDMI出力をVRHMDに奪われてしまい、メインのディスプレーへの出力端子確保に困ることが往々にしてあるが、HMDIを2系統にすることで見事これを解決しているのだ。

MSIのGAMINGブランドを冠した製品なので、クーラーは冷えと静音性のバランスでは定評のある「Twin Frozr VI」クーラーを備える。風量と風圧を高めた“TORX 2.0”ファンのほか、写真右側の赤い装飾部分が通電時は点灯するVRAM 8GB搭載でも裏面にはメモリーチップを配置しない点はRX 480と共通。同社の「RX 480 GAMING X 8G」ではバックプレートが装着されているが、RX 470版カードではコストダウンのために省略されている
RX 480のリファレンスでは省略されていたDVIの存在よりも、HDMI2.0が2系統である点に注目したい。また、GCN以降のx70系GPUとしては始めてFreeSyncに対応している点もトリビアとしておさえておきたいところOCモデルゆえに外部電源は本来の6ピン×1から8ピン×1に強化し、大電流の安定供給を図っている

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この特集の記事