キヤノンITSの最強文教ソリューション「in Campus Device」とは?
東大変態Macを支えるApple抜きオールジャパン体制に胸熱!
2016年06月28日 17時00分更新
NetbootからvThriiまで東大Macの歩み
前述のように、キヤノンITソリューションズは2004年(当時は、キヤノン販売、現・キヤノンマーケティングジャパンが担当)から東大が導入したMacの管理・運用面のサポートを担当してきたわけですが、4年に一度更新される東大の教育用計算機システムでは常に新しいことにチャレンジしていました。さっそく、その歴史を紐解いてみましょう。
ECCS2004
(iMac1149台+Windows端末227台×ネットブート)
Mac大量導入の1期目となる2004年には、当時のAppleが大々的に売り出していたサーバー向けOSであるMac OS X Serverと、ラックマウント型1UサーバーのXserveの組み合わせで、1000台以上のMacをネットワーク経由で起動させる大規模な「Netboot」環境を日本の大学で初めて導入しました。このときのiMacは、本体内のストレージ(HDD)を一切使わず、すべてネットワーク経由で済ませるという先進的なソリューションでした。マシン構成は、iMacが1149台とWindowsマシンが227台で、すべてがネットブートで稼働するというシステムでした。ちなみにECCS2004は、主に1、2年生が通う駒場キャンパスだけでなく、主に3、4年生が通う本郷キャンパス、大学院や研究所がある柏キャンパスの3拠点のすべてのマシンを、駒場に34台、本郷に15台配置されたサーバーで管理していたそうです。
「東大がMacを大量導入して、しかもネットブートで運用している」というニュースは業界を瞬く間に席巻し、あとに続く教育機関もたくさんありました。ネットブートであれば、OSのアップデートやインストールするアプリなどを一元管理できるため、管理者にとっては効率のいいソリューションです。しかし、当時のiMacが搭載していたイーサネットポートは100Base-TX対応。ネットワーク経由で数GBあるOSのイメージファイルをダウンロードして起動するいう作業にはネットワークに重い負荷がかかっていました。またネットブートは、内蔵ストレージから起動するMacに比べて起動にかなりの時間がかかる難点もありました。ちなみに当時はキヤノンITソリューションズ独自の管理ツールはなく、Mac OS X Server標準の機能を利用してクライアントマシンを管理していたそうです。