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COMPUTEX TAIPEI 2016レポート 第24回

深セン企業の可能性を引き出すマイクロソフトの「CTE」とは? 取材不可エリアも公開

2016年06月03日 12時00分更新

文● 山口健太

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 マイクロソフトは6月1日、「COMPUTEX TAIPEI 2016」の会場において、中国・深センを中心としたデバイスのエコシステムについて、説明会を開催しました。

 また、これに合わせてCOMPUTEX会場の中でもパートナー企業だけが入れるエリアの取材も許可されたので、さっそくレポートしたいと思います。

深センの中国企業にトレーニングなどを提供

 最近、中国のODM企業を利用して日本向けにWindowsタブレットやWindows 10 Mobileスマートフォンを開発し、発売するという事例が急増しています。マイクロソフトはこうした枠組みをCTE(China Technology Ecosystem)と呼び、積極的に支援しています。

マイクロソフトでCTEの責任者を務めるバイスプレジデントのマイク・クイン氏。自身も中国の深センに2年近く住んでいるという

 深センは、クイン氏が「中国のシリコンバレーだ」と表現するように、端末や部品の製造メーカーが多数ひしめいており、あらゆる種類のデバイスが作られていることで知られています。

 放っておいても様々なデバイスが生まれてくる深センで、マイクロソフトも同社を中心としたエコシステムを強化し、Windows OSを搭載したり、Microsoft Azureに接続するデバイスの開発を支援しているというわけです。

CTEからは、スマートフォンやタブレット、2-in-1、IoTデバイスなど、さまざまなフォームファクターのデバイスが生まれているという

 CTEの目的のひとつには、発売までの時間短縮という点も挙げられています。これまで製品の開発から市場に投入するまで9ヶ月かけていたところを、CTEでは3ヶ月に短縮。「これは四半期ごとに新しいデバイスを投入できることを意味している。日々、激化するデバイスの開発競争に生き残るにはスピードが重要だ」とクイン氏も力説します。

 マイクロソフトは深センに8つの技術ラボを設置しており、トレーニングやサポートを提供しているとのこと。

深センに8つの技術ラボを設置するなど多大な投資を行なっている

 CTEの活用事例としては、マウスコンピューターがCOMPUTEX 2016に合わせて発表した、Windows Hello対応カメラを挙げています。

マウスコンピューターのWindows Hello対応カメラも、CTEによるものだという

 また、いわゆるメーカーだけではなく、ビックカメラが出荷した8型のWindowsタブレットもCTEを使ったもので、小売店が独自のデバイスを作るという用途にも活用できるのが特徴であるとしています。

 こうして様々なチャネルからの受注を受け付けることでスケールメリットを出し、小ロットでも低コストでのデバイス製造が可能になるというのも、CTEの強みといえます。

パートナー企業専用エリアを取材

 COMPUTEX会場には、マイクロソフトが用意したパートナー企業専用のエリアがあります。

 一般に報道関係者は入れない場所で、仮に会議室利用などで入ることができた場合でも撮影許可が下りないなど、基本的には非公開のエリアです。

この部屋の中にブースがあり、CTEを利用したいメーカーとの「マッチング」が行なわれている。今回は特別に取材OKとなった

 今回はCTEの取材ということで、特別に内部が公開されました。内部には商談用の個室がいくつか並んでおり、ラウンジのようなエリアには各社のデバイスが並んでいました。

「LINC」内部はこんな感じ。CTEの参加企業による最新デバイスが並んでおり、世界各国から多くのメーカーの担当者が商談に訪れている

日本でもWindows 10 MobileのODMでおなじみのCoshipによる「P1」。Snapdragon 617搭載の8型デバイスだ

台湾のEmdoorによる、MSM8909搭載のWindows 10 Mobileデバイス。画面は7型

Cube製の「T02」。MSM8909を搭載した6.98型のファブレット。このようにWindows 10 Mobileでは7~8型のデバイスが目立った

タブレットやノートPCだけでなく、こんな製品も。空中に浮遊してセルフィーを撮影できる、自撮り用の小型ドローンといった製品だ

これらのデバイスにWindows OSは載っていないが、「Microsoft Azureにつながる」機能があるとのこと。これもCTEの方向性のひとつといえる

WISKY Technologyによる10.1型のAtom(Cherry Trail)2-in-1。インテルの戦略転換でAtom終了との観測が高まっているものの、既存CPUの製品は健在だ

IP3 Technlogyによるキーボード一体型PC。こういった変わり種のデバイスも多数存在する

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