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COMPUTEX TAIPEI 2016レポート 第22回

HoloLensとViveでコラボも? Windows Holographicをサードパーティにも開放、MS基調講演

2016年06月02日 20時30分更新

文● 山口健太

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 マイクロソフトは6月1日、「COMPUTEX TAIPEI 2016」会期2日目に毎年恒例となる基調講演を開催しました。

 例年では最新のWindowsをデモで披露したり、台湾を始めとするOEMメーカーのPCを紹介したりするイベントだったのが、今年は様相が一変。HoloLens担当のアレックス・キップマン氏が登壇し、HoloLensを中心とした「Windows Holographic」をサードパーティーにも開放するという発表が話題の中心になりました。

Windows 10 Anniversary Updateを披露

 まずはWindows担当でおなじみのテリー・マイヤーソン氏が登壇。Windows 10の次期アップデートAnniversary Updateの進捗に触れ、「今夏、3億人以上のWindows 10ユーザーに向けて無償提供する」と語りました。

テリー・マイヤーソン氏。Annversary Updateについて改めて言及した。具体的なリリース日には触れず

 機能については、「Windows Ink」によるペン入力や、「Windows Hello」による生体認証を強化。会場でもWindows Ink Workspaceをデモで披露しました。

今回のデモは中国語で、外国人向けには英語字幕が表示された。会場に集まった台湾や中国の関係者に強くアピールする形になった

 続けてOEM担当のニック・パーカー氏が登壇。最新のWindows 10デバイスを紹介しました。

OEM担当ニック・パーカー氏によるデバイス紹介コーナー

ステージには多数のWindows PC製品が並んだ

タフネスデザインのハンドヘルド端末として、パナソニックから「FZ-F1」が紹介された

ステージに展示されたHPのハイエンドWindows 10 Mobile「Elite x3」は、カメラの下に新たに指紋センサーを搭載していた

基調講演では手違いで飛ばされてしまったという、マウスコンピューター製のWindows Helloカメラ

同じくマウスコンピューターによるUSBの指紋認証デバイス。こちらもWindows Helloに対応したものだ

今後1年間で20億ドルのマーケティング費用をかけ、2-in-1を中心とした最新のWindows 10デバイスをプロモーションしていくとのこと

ARとVRの中間にある「MR」デバイスを強化

 基調講演の後半では、ヘッドマウント型デバイスHoloLensを開発したことで知られるテクニカル・フェローのアレックス・キップマン氏が登壇しました。

HoloLensといえばこの人、というアレックス・キップマン氏

 最近、AR(Augmented Reality、拡張現実)やVR(Virtual Reality、仮想現実)のデバイスが急速に増えており、マイクロソフトは2020年までに8000万台のVRデバイスが普及すると予測しています。

 マイクロソフトでは、ARとVRの中間にあるものを含めたMR(Mixed Reality、複合現実)という言葉を用いており、そのMRのためのプラットフォームとして「Windows Holographic」を提供しています。

 これまで、Windows Holographicをプラットフォームとしたデバイスは、マイクロソフトのHoloLensだけでした。日本では日本航空を始め、すでに多くのパートナーがHoloLensの評価を開始しています。

多くの企業がHoloLensの評価を始めている。日本航空のロゴも

 さらにその可能性を広げるべく、マイクロソフトはWindows Holographicをサードパーティに開放。サードパーティのAR、VRデバイスが、Windows Holographicに対応することで、共通のユーザーインターフェイスやAPI、クラウドサービスを利用できるようになる、とのビジョンを発表しました。

ステージには他社製VRデバイスも並んだ。これらのデバイスでWindows Holographicを利用できる可能性が見えてきた

ステージ上では、Microsoft HoloLensとHTC Viveを装着したユーザーがコラボレーションする、というデモが実演された

Windows Holographicsに多くのパートナーが賛同。日本メーカーにも期待したい

 テリー・マイヤーソン氏は、具体的にいつ、どういう形でWindows Holographic対応デバイスが登場してくるのかは明言しなかったものの、「数年ではなく、数ヶ月という単位だと考えてほしい」とコメント。1年以内くらいを目処に何らかの成果が出てくるのではないかと期待できる発表になりました。

最後にマイクロソフトが披露した未来的な映像。Microsoft HoloLensを装着した主人公が、HTC Viveを装着した友人らと協力して仮想空間の内装を作り上げるというもの

Windows Holographicが実現する未来的なコラボレーションを描いたものといえる。映像はYouTube(https://www.youtube.com/watch?v=2MqGrF6JaOM)で公開されている

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