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時速30km出るヤバい重機「SUPER GUZZILLA」 なぜできた?

2016年06月06日 17時00分更新

文● 西牧/ASCII

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 特別に見せていただけるというので、岡山までタグチ工業の超カッコいい重機ロボット「SUPER GUZZILLA」を見学に行ったのは4月のこと。

 あまりのカッコよさに小学生レベルの感想しか述べることができず、ただただ圧倒されたのだが、一方で謎も多い。

 SUPER GUZZILLAが完成したのは2015年7月で、その後お台場でお披露目があっただけ。いままで知らなくてごめんなさいと思っていたが、知らない人がいるのは無理もない話だ。また、見る限り重機が活躍する現場でバリバリ働いているという感じでもない。

 では一体SUPER GUZZILLAはどういう経緯で、どのような目的で作られたのか。さらにはタグチ工業とはいったいどんな会社なのか。

 見学時にタグチ工業・専務の田口 博章さん、広報の田口 詠子さんに話を聞くことができた。

左が田口 博章さん、右が田口 詠子さん。お二人ともとても気さくだ

設計の課題に立ち向かうためにSUPER GUZZILLAを作った

―― いきなりですが、なんであれ作っちゃったんですか?

(全員爆笑)

田口(博) 本当にいきなりですね(笑) もう「なんとなくです」と言いたくなるくらいです。

―― なんとなくなんですか?

田口(博) 違います! なんとなくであんなことはしないです(笑) 企業PRのためです。

田口(詠) ガジラを知ってほしいという思いからですね。

―― ガジラ、というのはタグチ工業さんのブランドですか?

田口(博) アタッチメントの製品名ですね。

アタッチメントというのはSUPER GUZZILLAでいうところの手。タグチ工業では「重機の先っちょ」とも言っている

―― ガジラを知ってもらうためにPRとして作ったと。お金かけすぎてません?

田口(博) そう見えるんですがPRというのは社外的な目的で、社内的には設計への課題がありまして。建機がいま油圧で動いていて、いずれ電気で動くようになるだろうと。さらにロボット化していくだろうと。そうなったときに、うちにまったく技術がないのは問題だから、SUPER GUZZILLAみたいなものを作ってでもロボットを学びなさいという課題です。

田口(詠) 真面目なところもあるんですよ。

―― そう言って企画書を通したんですね。

田口(博) 企画書を通すもなにもないです。

田口(詠) 社長(田口CEO)の鶴の声ですね。

―― すごい、社長がぶっとんでいたわけですね。

田口(詠) 社長しかぶっ飛んでないです(笑)

田口(博) 僕らから「SUPER GUZZILLA作りましょう!」なんて大掛かりな発想はなかなか出ませんよ。

―― それまでは油圧で動くアタッチメントを作っていたけど、プログラミングでコントロール制御できるようにしよう、という課題ですか?

田口(博) 大本のショベル部分が電気で制御できるようになる時代がくるだろうと。それなのに「じゃあアタッチメントだけ油圧なんですか」というのはまずいので、電気の技術も学びましょうということでSUPER GUZZILLAを作ったんです。

―― ということはみなさんでイチから学んで作ったわけですね。

田口(博) と、思いきや。電気制御のアーム部分はイチからの開発品ではなくて、普段、弊社の工場で“溶接ロボット”として使用している、安川電機さんの産業用ロボットを用いてます。タグチではアームを動かすティーチング(プログラミング)をしました。いまタグチにあるノウハウでは「こういうことができるだろう」、と社長は大体描いていて、僕ら設計・製造の方でそれを形にしたっていう感じですね。

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