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デジタル時代のアナログオーディオ入門 第1回

面倒な手順が楽しい‼ レコードプレーヤーの使い方をイチから解説!

2016年04月18日 10時00分更新

文● 鳥居一豊

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レコードプレーヤーは設置にも細心の注意が必要
これが「儀式」を呼ばれる理由

レコードプレーヤーの脚部にあるインシュレーター。PS-HX500の場合はゴム部分を回転させると高さを調整できる

レコードプレーヤーの脚部にあるインシュレーター。PS-HX500の場合はゴム部分を回転させると高さを調整できる

 組み立てが無事に完了したら、次は設置だ。基本的には頑丈なラックなどに置くだけなのだが、今のデジタルオーディオ機器のように気軽にはいかない。設置するラックなどの台は頑丈なだけでなく、きちんと水平であることが重要だ。

 仮に水平でない場所に置いた場合を考えてみよう。再生中に回転する直系30cmあまりのターンテーブルが斜めになった状態になるわけだ。

 物理法則に従って、上り坂ではスピードが落ちるし、下り坂ではスピードが上がる。ということは再生される音楽のスピードが上がったり下がったりするわけだ。これで正しい音楽のピッチが再現されるはずがない。

 そのため、レコードプレーヤーの脚部には水平を調整するための機構が備わっている。

 脚部はネジ式で高さが可変でき、それを調整することでターンテーブルを水平にする。

 どこまで厳密に水平を調整するかはユーザー次第だが、筆者はオーディオ誌の編集者時代に水準器を使って水平を確認する方法を叩き込まれているので、これをしないと精神的に落ち着かない。水準器はカメラ用のアクセサリーとして販売されているので、手に入れておくといいだろう。

 もちろん、水平を揃えるだけでなく、4つの脚部がしっかりと設置して安定していることも重要。これは慣れないとなかなか難しいので、最初は時間をかけて調整することになるだろう。

 ただ、一度設置・調整を済ませてしまえば、置き場所を変えない限りいちいち調整する必要はない。定期的に確認する程度で十分だ。

ちょっと難しい!? トーンアームの調整

「カウンターウェイト」というパーツを取り付ける

「カウンターウェイト」というパーツを取り付ける

トーンアームの後ろからカウンターウェイトを装着

トーンアームの後ろからカウンターウェイトを装着

 これが終わったら、トーンアームのゼロバランス調整だ。トーンアームには、カートリッジの反対側に「カウンターウェイト」という部品(重り)がある。これを装着してからトーンアームが取り付け軸を中心に水平に釣り合うように、カウンターウェイトの位置を調整する。

 カウンターウェイトを回転させるとその位置を調整できるので、ちょうど浮かした状態で水平に釣り合うようにする。

 このとき、レコード針がターンテーブルに当たってしまうと針を傷つけてしまうので、調整時には細心の注意を払うこと。

目盛りを「0」に合わせる

目盛りを「0」に合わせる

 水平に釣り合ったら、カウンターウェイトが動かないように抑えながら、前方にある目盛り部分をゼロの位置に合わせる。これで完了だ。

 ゼロバランス調整が済んだら、レコード針に定められた針圧(レコード針を盤面に押さえつける力)に調整する。カウンターウェイントの数値を指定された数値まで回転させればいい。この数値はカートリッジによって異なるので、レコード針の仕様を見てその通りに調整すること。

 PS-HX500の場合はカートリッジは交換できず、同梱のもののみ使用できるので、針圧は取り扱い説明書に明記されている。

アンチスケーティング調整はアーム根元のダイヤルでできる

アンチスケーティング調整はアーム根元のダイヤルでできる

 続いて、トーンアームの水平方向の動きに関係するアンチスケーティング調整も行なう。トーンアームの根本付近にあるダイヤルを回して、指定された針圧と同じ数値に合わせればいい。これらの調整も一度やってしまえばカートリッジを交換しない限り再調整する必要はない。

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