富士通は3月9日、インドネシアにてAR技術を活用した河川情報システムを構築、実証実験を開始した。
これは国際協力機構インドネシア事務局の委託によるもので、たびたび洪水災害に見舞われる北スラウェシ州マナド市の河川情報を集約、水位変化を把握するもの。
専用のスマホアプリが用意され、同市河川事務所の担当者がスマホカメラを用いて河川の水位を撮影、AR的な手法で水面の高さを測定するようになっている。カメラのズーム機能を使って河川から離れたところから安全に測定でき、水面の目盛りは自動的に数値化される。
水位データや周辺の状況情報はデータセンター内に集約して蓄積し、各観測地点の水位変化を可視化したグラフとともに地図上にプロットする。洪水警戒水位になると警報が表示され、自治体の防災・減災職員など関係者の携帯電話などに通知されるしくみ。
実証実験で有効性が検証され、導入が進めば本格的な防災・減災として役立つほか、データセンターに蓄積されたデータはビッグデータ分析に用いられ、災害予測や各種設備の補強・改修計画に活用できるという。