ゲームはいかにして街に広がり、家庭に入り、モバイルとなり、アートやキャラクターとなり、また拡張現実となったのか? 1971年に始まるゲームの歴史を体験しながら、未来を考える展覧会だ。
“テレビゲーム”をテーマにした企画展「GAME ON ~ゲームってなんでおもしろい?~」が、3月2日から日本科学未来館(東京・お台場)で開催される。開催前日に行なわれたプレス向け内覧会に参加してきたので、その模様をお届けしよう。
ただゲームをプレーしてもらいたいだけではない
2002年に英バービカン・センターで開催されたのち、世界各地を巡回しながらおよそ200万人が訪れたという企画展で、今回が初めての国内開催となる。会場では世界初の商業用アーケードゲーム「コンピュータースペース」(1971年)から「Playstation VR」の先行展示でゲームの進化を一望できるほか、133の展示ゲームタイトルを実際に(入場料を除けば無料で)プレーできるようになっている。
開催にあたり、日本科学未来館 展示企画開発課長の内田 まほろ氏が企画意図を説明。「ゲームをただゲームとして紹介したいわけではなく、ただプレーしてもらいたいわけでもありません。9つのステージを巡ってもらうことで、ゲームやテクノロジーと私たちが一緒に成長してきたことを理解してもらいたい」と話し、さらに「この2016年に、日本で初めて開催する意義を考え、オリジナルコンテンツを用意した」と続けた。
企画・監修を手がける角川アスキー総合研究所の遠藤 諭氏も登壇。プレーできる133タイトルのうち半数が日本製ゲームであることから「日本がゲームに果たしてきた役割や、日本が得意としてきたテクノロジーがどんなものかを、ゲームを通じて感じてもらえたら」と話していた。
一度に遊びきれない、世代を超えた最強のゲームセンター
展示会場は「プレイの誕生」「ゲームセンターでプレイ」「いろいろプレイ」「おうちでプレイ」「どこでもだれでもプレイ」「アートでプレイ」「作ってプレイ」「みんなでプレイ」「未来をプレイ」というステージに分かれており、来場者がテレビゲームの誕生からゲームセンターや家庭用ゲーム機の登場、さらにはオンラインゲームやVRゲームの登場までをたどる順路となっている。
本記事で紹介したのは展示作品のごく一部で、全133作品を一度に遊びきるのはおそらく不可能だ。しかもゲーム50年の長い歴史からピックアップした作品なだけあって、いつまでも遊んでいたくなる名作だらけ。世代によって感動する作品は異なるだろうが、懐かしのゲームを親世代が子世代へ教えてあげたり、逆に最新のゲームを子が親に教えたりなどしながら、感動を共有することもできるはずだ。
角川アスキー総合研究所 遠藤氏が「お客さんが帰らないんじゃないか? というのが一番の懸念」と話していたが、確かにその通り。内覧会でも多くの記者が終了時間ギリギリまで遊んでいた。会期中に何度も入場できるチケットをぜひ販売してもらいたいところ……。