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世界各地で進む電波干渉計によるブラックホールの解明

ブラックホール探査にKDDIの衛星通信アンテナを活用

2016年01月27日 18時34分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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KDDI山口衛星通信所の2基のパラボラアンテナ(左が今回提供するアンテナ)

 KDDIは1月26日、KDDI山口衛星通信所にある2基のパラボラアンテナを活用し、ブラックホール探査を目的とする宇宙観測に協力すると発表した。

 山口大学では、KDDI山口衛星通信所内にある口径32mのパラボラアンテナを2002年から電波望遠鏡として利用している。KDDIでは同施設の口径34mのパラボラアンテナも新たに提供することにした。

 電波望遠鏡を複数用いると、それぞれが捉えた電波の干渉によって解像度の高い観察が可能となる。この2基を連動させることで日本で最大の電波干渉計として利用でき、ブラックホール探査などの研究に用いられるという。

 なお、この種の電波干渉計による天体観測は現在世界各地で大規模に行われている。ドイツのマックスプランク研究所は1月26日、ロシアの宇宙機関と協力した超長基線干渉計により、これまでで最も解像度の高い活動銀河核ブラックホールを観測したと発表した。

マックスプランク研究所による「とかげ座BL」観測のイメージ(Copyright MPIfR/A. Lobanov)

 こちらはロシアの宇宙電波望遠鏡と地上の電波望遠鏡をリンクさせた観測。2つの電波望遠鏡の距離は地球の8倍にもあたり、最大級の電波望遠鏡(電波干渉計)と言える。観測したのは「とかげ座BL」と呼ばれる活動銀河(中心に巨大なブラックホールがあり強い電波を放射している銀河)で、約9億光年の距離にある。

高解像度で捉えた「とかげ座BL」活動銀河核(Copyright derived from a figure in: J.L. Gomez et al., The Astrophysical Journal)

 とかげ座BLは遠い銀河の核にもかかわらず、観測によって新たにブラックホールから約1.5光年もの巨大なジェットが流れ出ており、降着円盤から生じている磁力線によってねじれていることも判明した。

 現在、北米や南米、ハワイ、ヨーロッパの電波天文台をリンクさせて地球サイズの電波干渉計とする「イベント・ホライゾン」計画も進められており、ブラックホールに関する数々の謎の解明が期待されている。

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