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マーケ担当者が押さえたいインスタの基礎と活用方法3つ

2016年01月15日 11時05分更新

田中千晶/アント

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FacebookやTwitter、Tumblr、YouTubeなどのソーシャルメディアと並び、ここ1年ほど「Instagram(インスタグラム)」が急速に注目を集めるようになりました。若年層を中心に国内の利用者数が急増し、カリスマ的な人気のインスタグラマーが活躍するなど、話題になっています。

企業の注目度も高く、ソーシャルメディアマーケティングのチャネルの1つとして活用する事例も増加中。ところが、どんなコンテンツを投稿したらいいのか? 他のソーシャルメディアとどう使い分けたらいいか? といった疑問を抱える企業の担当者も多いようです。

Instagramは写真を共有するSNSですが、ただ単に「キレイな写真」「かわいい写真」を投稿しても成果には結びつきません。目的とターゲットを明確にし、Instagramユーザーに受け入れられるコンテンツを戦略的に作らなければ、無駄な投資で終わってしまうでしょう。

この連載では、Instagramのアカウント運用から、キャンペーンの実施方法、広告の出稿方法まで、マーケティング活用の基本を紹介します。連載を通じて、プロモーション、ブランディング、ファンとのエンゲージメント強化などの企業の目的と、ユーザーが望むコンテンツとをマッチさせる手助けができれば、と考えています。

Instagramが人気を集めるこれだけの理由

Instagramは、写真の加工・共有に特化したSNSです。Webブラウザーからも閲覧はできますが、スマートフォンの専用アプリを使い、内蔵のカメラで写真を撮影したのち、投稿、共有する使い方が基本です。アプリ内のフィルター機能を使用することで、写真の明度や彩度を上げたり、コントラストを調整したりと、写真を手早く加工できるのが魅力で、トイカメラや一眼レフで撮ったような雰囲気のある表現ができます。

Instagramでは写真だけでなくスマートフォンで撮影した動画も投稿できます。スマートフォンの動画アプリといえば「Vine」が有名ですが、Vineの動画が6秒以内なのに対して、Instagramは15秒と少し長め。メッセージを伝えたり遊び心のある動画を撮ったりするにはちょうどよい長さです。音漏れを防ぐためにデフォルトで動画の音声が出ない設定になっていて、暴力や性的な内容を含む動画が少ないので、安心して使える点もユーザーに支持されています。

Instagram にはTwitterのようにユーザー同士に「フォロー」「フォロワー」の関係があり、ホーム画面のタイムライン上ではフォローしている人の投稿が流れます。ハッシュタグや位置情報を付けて写真を投稿したり、検索したりもできますし、Facebookのように投稿に対して「いいね」やコメントもできます。

こうした仕組みによって、Instagramは単に写真や動画を撮影、加工して投稿するツールではなく、写真や動画を通じてフォロワーとの間でリアルタイムなコミュニケーションをする場となっているのです。

Twitterをしのぐ4億人のユーザーは何をしているのか?

Instagramの月間アクティブユーザーは全世界で4億人を越え(2015年9月時点)、すでにTwitterを上回っています(Twitterは3億1600万人)。特にスマートフォンユーザーの利用が非常に多く、eMarketerの調査によると、米国ではスマートフォン所有者のおよそ6人に1人が利用しています(2014年12月11日時点)。

Instagramユーザーの中心となっているのが、10代〜20代の若い女性たちです。もともとファッションモデルや海外セレブなどの間でブームが始まったこともあり、特におしゃれに敏感な若い女性たちの間で圧倒的な人気を誇っています。

では、4億人を超えるユーザーたちは、Instagramを実際にどのように利用しているのでしょうか? 

「1枚の写真をリアルタイムで共有する」というサービスの特性から、多くのユーザーは以下のような用途でInstagramを利用しています。

  • おしゃれなファッションや食事の写真を投稿し、フォロワーに「おっ」と思ってもらう
  • 旅行先や家族・友だち、ライフイベントの写真を投稿し、個人的なライフログとして使う
  • ハッシュタグ(#)を使用し、アカウントを露出して存在をアピールする
  • 芸能人やタレントをフォローし、彼らの情報をキャッチし、コミュニケーションの手段にする

より積極的なユーザーの中には、

  • おしゃれなファッションやライフスタイルの写真を投稿する人をフォローしてファションの参考にする
  • 行ってみたいレストランや今晩の食事の献立を検索して探す

といった具合に、情報収集に活用する人もいます。ほかにも、非公開にして仲の良い友人同士でのプライベートなアルバムにしたり、FacebookやTwitter、Tumblrといった他のSNSと連動させてセルフブランディングにつなげたり、といった使い方を楽しむユーザーもいます。

もっとも異なるのは「使う動機」にあり

ここまでさまざまな特徴を挙げましたが、Instagramが他のSNSともっとも異なる点は、ユーザーがInstagramを使う動機にあります。モデル、友人、ブランドなど、自分の趣味趣向に近いユーザーとつながり、写真を通じて世界観や価値観を共有するコミュニティを形成することが、Instagramを使う大きな動機になっています。

写真は言葉よりも一瞬で理解でき、記憶に残るものです。そのため、文字ベースのコミュニケーションツールであるFacebookやTwitterに比べて、Instagramはエンゲージメントが上がりやすいと言われています。

企業が活用する際にも、ユーザーのこうした特性や特徴を踏まえる必要があるでしょう。写真を使ってユーザーとコミュニケーションするため、他のSNSと比べて、ブランドや自社の世界観を演出しやすく、自社へのロイヤリティを育成しやすいのがメリットです。

一方、ユーザーの多くは、情報を探しにInstagramに来るのではありません。そのため、露骨にモノを売ろうという意図が見える投稿や広告ではなく、ユーザーの「共感」を呼び、関係性を深められるコンテンツを第一に考える必要があります。

事例に見る、企業活用3つの方法

Instagramを企業で活用する方法には、「公式アカウントの運用」「投稿キャンペーン」「広告の出稿」の大きく3つがあります。それぞれ、事例をもとに紹介します。

1.公式アカウントの運用

アカウントを運用するときにもっとも重要なのは、Instagramを使って企業のどのような面を見せたいか考え、アカウントのテーマを決めることです。その基本方針がぶれてしまうと、自社コンテンツの活用の方向性から投稿内容まで一貫性が持てずにぶれが生じ、結果的にファン数が増えずに誰にも見てもらえない、といった失敗に陥ってしまいます。

アカウントに一貫するテーマを定めたら、続いてそのアカウント独自の個性や特徴を表現する写真を考えます。Instagramならではの加工を駆使して、ただきれいな写真をあげればいいというものではありません。企業が設定したテーマやブランドの持つ世界観が現れている必要があります。被写体や構図、色調、トーンなどに個性が際立てば、アカウントが発信する写真にファンがついていくようになるでしょう。

運用に成功しているアカウントとしては、次のようなものが有名です。

フォロワー数12万人超の「清水寺」

https://instagram.com/feel_kiyomizudera/

【特徴】
1.出会いと発見をテーマに清水寺の「いま」を紹介
2.非公開の内部やイベントの様子など、特別感のある写真をアップ

清水寺のアカウントは、Instagramでしか見られないコンテンツを出していることがファン層の獲得につながっていると考えられます。京都の美しい風景写真だけでなく、観光ではなかなか見られない僧侶の方々の日常の写真や、特別な行事の写真も掲載することで、ユーザーは特別感を持って写真を見ることができます。

フォロワー数5.8万人超のパン屋さん「CHIPPRUSON」

http://instagram.com/chiestylee/

【特徴】
1.パンのおいしさと、お店のお客さんと会話するような近さを感じられる
2.店主の人柄が感じられる投稿、コメント返信もこまめに

「CHIPPRUSON」のアカウントには、おいしそうなパンの写真だけでなく、店内の風景など、お店の持つ温かな雰囲気が伝わる写真が投稿されています。一方的に写真をアップするだけでなく、コメント欄を使ってファンとの交流を図り、店とファンとの距離を近くしているのも特徴的です。

2.投稿キャンペーン

最近増えているのが、Instagramを使った投稿キャンペーンです。自社の商品を使った写真などのテーマを募集し、テーマに沿った写真の投稿をユーザーに促します。キャンペーンは以下のような流れで実施するのが一般的です。

  1. 主催者は、キャンペーンの概要をキャンペーンサイトなどで案内する
  2. ユーザーは、主催者のアカウントをフォローする
  3. ユーザーは、指定されたハッシュタグをつけた写真をアップし、キャンペーンに参加する
  4. 主催者は、ハッシュタグから参加者や投稿を確認して当選者を選び、ダイレクトメッセージで当選を知らせる

ほかにも専用サイトを構築し、Instagramで写真を投稿した後に応募フォームからキャンペーンに参加する、といった手法もあります。ただ、参加方法がわかりやすく、参加者を確保しやすいことから、多くの企業が前述のようなキャンペーンを実施しています。

募集する写真のテーマやプレゼントの商品にその企業の色を反映させることで、ユーザーとの交流ができ、好感度を高めることができます。また、特定のトピックについて、多くの人に参加してもらうことで、話題を作れます。ハッシュタグを検索すれば参加者自身もほかにどのような写真が投稿されているのか閲覧することになるので、参加者が増えてキャンペーンが盛り上がるほど、露出機会を増やせます。

人気となったキャンペーンには、以下のようなものがあります。

GU TimeLine

http://www.gu-japan.com/gutl/

【キャンペーン概要】
新商品のTシャツを着て「#GUTL」のハッシュタグを付けた写真をInstagram投稿すると、オンラインカタログに掲載される。 オンラインカタログではGU_global(公式アカウント)とモデル30人の投稿が表示される。

ROPE' PICNIC×メリーチョコレート

http://www.ropepicnic.com/special/marys_2015/

【キャンペーン概要】
ロペピクニックとメリーズチョコレートのコラボキャンペーン。キャンペーン期間中に、ロペピクニック公式アカウントをフォローし、「#ピクニックバレンタイン」のハッシュタグを付けて、ロペピクニックのアイテムの写真を投稿。購入商品だけでなく、気になる商品の写真でもOK。応募者の中から抽選でプレゼントを贈った。

ファンがアップした写真は見た人に共感を呼びやすいので、「ファンが投稿したコンテンツ」を通じて多くの人に見てもらうだけでなく、さらなる共感や好感を呼び起こすことができます。

3.広告出稿

Instagramは、企業が設定した予算内でアプリ内に広告を出稿できる、セルフサーブ型広告を2015年10月1日から開始しました。これにより、企業規模に関わらずどの企業でもInstagramへ広告を出せるようになりました。

Instagramの広告は、Facebook広告と同様、コンテンツとコンテンツの間に表示されるインフィード型です。種類としては以下の3つがあります。

  • もっとも一般的な広告タイプである「イメージ広告」
  • 15秒までの動画を自動再生する「ビデオ広告」
  • スライド式で、最大4枚の写真を表示できる「カルーセル広告」(画面を左右にスワイプすることで複数の広告画像を表示)

これら3つがInstagramのタイムライン上に表示されます。また、セルフサーブ型の広告で出せるのは、「Webサイトへの誘導」「アプリのインストール」「動画の再生」の3種類となります。セルフサーブ型広告の導入により、写真を使ったブランディングだけでなく、自社サイトやアプリへの誘導といった、より自社のマーケティング目的に合った広告が出せるようになりました。

チキンラーメン ひよこちゃん

https://www.instagram.com/chikinramen_hiyoko/

【広告概要】
キャラクターが中心の設定で、新しいライフスタイルを提示している。一目見て企業が分かるキャラクター性やファンとのコミュニケーションが特徴。ユーザーに好感を育むだけではなく、商品サービスに関心を持ってもらい、信頼関係を築きファン化を促すような投稿内容になっている。

IROZA

https://www.instagram.com/iroza_press/

【広告概要】
静止画の一部が動く技法「シネマグラフ」を使った動画広告を発信。“色から、モノを好きになる”というブランドのテーマが表現されるような動画で広告を打ち出すことで、画像以上の情報量を表現。ブランドの知名度を上げ、企業の商品やサービスに興味を持ちそうな人を潜在顧客として取り込む効果を狙っている。

多くの企業がイメージ広告を使っていますが、ファッションブランドのIROZAなどは動画広告も使って、ブランドの世界観をうまく伝えています。このように、広告出稿の際もInstagramの特徴を意識した広告にすることが必要です。

Instagram広告では興味関心ターゲティング、カスタムオーディエンス、類似オーディエンスを含め、Facebookと同様に詳細なターゲティングができるので、非常に大きな可能性を秘めています。

次回からは、それぞれの活用法の具体的な手法を紹介します。

著者:田中千晶(たなか・ちあき)

著者写真

ワンストップで企画・制作を展開しているアントで、2009年の大学1回生から新規開拓事業に携わり、1年半で大手アパレルメーカー、大手スーパーマーケット、大手化粧品メーカーなど50社を開拓。企業規模を問わず、ソーシャルメディア支援やWebプロモーションを担当し、根本的な課題解決につながるコンテンツ作成支援が高い評価を得ている。全国各地でセミナーも勢力的に行なっているほか、技術評論社での連載など執筆活動も進める。

セミナー講演実績:http://www.unt-ad.jp/report
連載:http://gihyo.jp/design/serial/01/imadokipromotion/0001
blog:http://unt-ad.jp/blog/
公式サイト:http://unt-ad.jp/

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